命の雑踏
解説
「餓ゆるアメリカ」「つばさの天使」のリチャード・バーセルメスが主役を演じる映画で、「世界一の金持ち娘」を原作脚色したノーマン・クラスナが自作の舞台劇「小さい奇跡」を自ら映画脚色し、「絢爛たる殺人」「明日なき抱擁」のミッチェル・ライゼンが監督に当たり「女は要らねえ」「キャラバン」のテオドル・アウパークールが撮影した。バーセルメスを囲って「かぼちゃ太夫」のジョー・モスリン、「銀鼠流線型」のガートルード・マイケル、「ボクは芸人」のヘレン・マック、「輝ける百合」のレイ・ミランド、「これがアメリカ艦隊」のドロシー・ツリー、「ウィーンの再会」のヘンリー・トラヴァース、「盲目の飛行士」のロスコー・カーンス、「男の世界」のノエル・マディソン、チャールズ・C・ウィルソン等が出演している。なお本邦上映の分はウェスタンイレクトリック録音の日本語ダビング版である。
1935年製作/70分/アメリカ
原題または英題:4 Hours to Kill
ストーリー
ここは紐育の43丁目劇場である。死刑囚マーコは西部の刑務所を脱獄し、彼を警察に密告した仇敵アンダースンを殺しに紐育へ来たが、目的を果たさずして逮捕され、タフト探偵に護送されることとなった。ところが2人は列車に乗り遅れ、次の列車を待つあいだ、この劇場で時間潰ししていた。劇場の外套預かり所のボーイ、エディーは弁護士試験を受けようと勉強中だった。合格したらヘレンという娘と結婚する積もりだったが、依然関係のあった女案内人メエに手切れ金2百ドルを強制されようとしていた。彼は2百ドル持っていたが、それは弁護士試験に是非要る金だ。事情を知ったヘレンはメエに食ってかかり、ついに喧嘩が始まった。この時金持ちの女シルヴィアがそこで恋人のカールと会う約束で来て、エディーに外套を預けた。床に女が落とした高価な首飾りをふと悪心を起こしたエディーは拾った。一方、観劇中気持ちが悪くなったマーコは休憩室に出てきてメエを認めた。メエは彼の仇敵アンダースンの情婦だ。心に決する所あるマーコは劇場の探偵から巧みにピストルを抜き取り洗面所でタフト探偵の隙を伺って逃走した。彼はタフトに狙撃されて傷ついたが、再び劇場に忍び帰り、メエからと言って電話でアンダースンを誘き寄せ、待つ間を故障中の電話室に隠れた。やがてメエからだと思ったアンダースンがやって来た。マーコはやにわに飛び出してアンダースンを射殺し復習を果たした。そしてマーコもタフト探偵のピストルに殺された。やがてメエも逮捕された。メエがエディーに強制していた2百ドルの金はアンダースンの差し金によるもので、アンダースンが殺され、メエが捕らえられれば、エディーはもはや2百ドルをやる必要はない、すでに改悛したエディーは首飾りをシルヴィアに返し、災いは転じて彼はヘレンと結婚することとなった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ミッチェル・ライゼン
- 脚本
- ノーマン・クラスナー
- 原作
- ノーマン・クラスナー
- 製作
- アーサー・ホーンブロウ・Jr.
- 撮影
- テオドール・スパルクール