愛憎の曲

劇場公開日:

解説

「花嫁の季節」「愛の勝利(1939)」のベティ・デイヴィスが主演した1946年作品で、「情熱の航路」で共演したポール・ヘンリード及びクロード・レインズが再び顔を合わせ、この3人を同じくアーヴィング・ラパーが監督した。脚本はジョン・コリアーとジョセフ・ザンがルイ・ヴェルヌイユの舞台劇から取材して執筆、撮影には「愛の勝利(1939)」のアーネスト・ホーラーが監督し、音楽は「嵐の青春」のエリック・ウォルフガング・コーンゴールドが作曲した。

1946年製作/112分/アメリカ
原題または英題:Deception
配給:セントラル
劇場公開日:1950年2月7日

ストーリー

女流ピアニストのクリスチン・ラドクリフは音楽の才よりも美貌に恵まれていた。作曲家であり大指揮者であり、素封家であり、美食家であり、完成された享楽家である紳士アレグザンダー・ホレニアスの愛人として贅沢な生活にクリスチンが安住するようになったのも、彼女が若く美しきが故であった。ところがクリスチンはふと気まぐれに立ち寄った、ささやかな音楽会で、チェロを弾いているカレル・ノヴァクを見た。彼はチェコ人でクリスチンと相知ったのは、ワルツの都ウィーンであった。彼女がピアノに向かい、彼がチェロを弾いて、2人は相と音楽に熱情を傾けたが、ナチの魔手が延びて離れ離れとなった。そしてヨーロッパが戦雲に包まれ、ニューヨークに帰ったクリスチンは愛するノヴァクの死の知らせを受け取った。そのカレルが生きてチェロを弾いている。再会の喜びは結婚へ急速に進展した。2人の結婚祝の日、ホレニアスは演奏旅行から帰った。彼はクリスチンの結婚が気に入らず、ちょっと顔を出すと立ち去った。幾日かの後、彼女が指揮者を訪ねて、カレルを愛している表情を述べると、彼は新作のチェロ協奏曲発表の演奏会に、ノヴァクを独奏者にすると約束した。しかし猛練習を経て、最後の練習演奏をした時、ホレニアスはカレルを叱りつけたので、滅茶滅茶となってしまう。しかし、クリスチンの抗議でホレニアスは、カレル・ノヴァクを独奏しゃとすると確約した。にも拘らずアメリカ人のチェリスト、バートラム・グリブルがホレニアスの協奏曲の練習を始めた。これを知って怒ったクリスチンは、グリブルに身を引けと迫ったが、余りにも烈しい彼女の権幕に感情を害してか、グリブルは何とも返事しない。カレルの独奏はホレニアスの満足を得るに至らぬまま、演奏会の夜は来た。演奏後にホレニアスは夜食の宴を用意し、何事かを策している模様だった。クリスチンはホレニアスが2人の関係をカレルに暴露するつもりだと考え、演奏会直前に彼を訪れ、1弾で彼を射殺した。しかもホレニアスに暴露する意志が全然なかったことを、クリスチンが知ったとき、男は冷い死骸となって横たわっていた。演奏会は成功し、チェリスト、カレル・ノヴァクの将来は批評家によって約束された。それを喜ぶべきクリスチンは悲しい告白をしなければならなかった。しかも彼女がカレルに知らせまいと死物狂いになったことは、全然必要のないことだった。カレルは彼女の過去がどうあろうと、クリスチンの現在あるがままを深く愛しているのだ。このカレルの誠と愛に勇気を得たクリスチンはひとり敢然と自首したのである。

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