愛情無限

解説

「晩春」と同じくアン・ハーディングとハーバート・マーシャルが主演する映画で、「一対二」「ロマンスの街」のスチーヴン・ロバーツが監督にあたったもの。ストーリーは「米国の機密室」の脚色者P・J・ウルフソンが書き下ろし、「一対二」のアンソニー・ヴェイラーと協力してウルフスンが脚色した。助演俳優は「シスコ・キッド(1935)」のマーガレット・リンゼイ、「三銃士(1935)」のウォルター・エイベル、「影無き男(1934)」のエドワード・エリス、ホバート・カヴァナの面々で、カメラは「一対二」のJ・ロイ・ハントの担当。

1936年製作/アメリカ
原題または英題:The Lady Consents

ストーリー

医師マイケル・タルボットはアンと結婚して7年間、幸福な生活を送ってきた。あるとき有名な女流運動選手ジェリーが落馬したのを治療したマイケルは、思いがけなく彼女と接吻してしまった。後悔した彼はすぐ妻にこのことをいったが、それからしだいに彼はジェリーにひきつけられていった。彼の父親ジムが欧州旅行から帰った日にも、マイケルは急病人と妻を偽ってジェリーと逢い引きをし、波止場へはアン1人で迎えにいった。そしてジムの友人である建築家スタンリーと知り合いになった。アンと夫とジェリーの間に気がついていたが、夫が本当にジェリーを愛しているなら彼のため別れてやるのが、愛する人を幸福にする道だと考えて離婚した。マイケルとアンはやがて結婚した。アンはその式にも列席し冷静を装っていたが、心の寂しさは深いものがあった。彼女を終始慰めてくれるのはジムである。スタンリーは彼女に求婚した。しかし心の底にはマイケルを思い詰めているアンはそれに応じない。マイケルの新婚旅行はジェリーの利己的な性格に災いされて不幸な日々が続いていた。ジムはジェリーと衝突して1人山の獵小屋へ出かける。マイケルは結婚の失敗を知って離婚を求めたがジェリーは承知しない。ジムが誤って重傷をおい危篤との報せがマイケルとアンのところへきた。2人はすぐ山小屋へ駆けつけたが、ジムは2人の手をとって一緒に暮らすことをすすめて瞑目した。ジェリーが離婚を承知しないため、2人の再婚は容易なことではなかったが、一策を案じたアンが饒舌なスーダンを使って一芝居をうち、マイケルが破産したように見せかけたので、利己的なジェリーはさっさと離婚を承諾し、2人は元の幸福な生活に入った。

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