「ジャッキー・ロビンソンが「おしん」のような耐え忍ぶタイプだったら…」42 世界を変えた男 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
ジャッキー・ロビンソンが「おしん」のような耐え忍ぶタイプだったら…
ジャッキー・ロビンソン選手のことは、
大谷の大リーグの試合を見るようになって、
全員が42番を付けての試合があることから
初めて知った“黒人初の大リーガー”
位の認識しか無かったが、
彼は人種差別に対して
能動的に闘う人物であったことや、
ドジャースがニューヨークにあったこと、
また、その全員42番試合の由縁も、
この作品で初めて知ることが出来た。
しかし、演出にメリハリが欠けているのか、
映画そのものは平板な印象だった。
当時の米国社会状況からは、
ロビンソンが黒人が故に多大な労苦を重ねた
ことは容易に想像がつくし、
この作品ではそこを超える何かが
不足していたように感じる。
この作品、妻との愛情物語にも
かなりのウエイトを置いているが、
当時の人種差別的な社会事例との関連に
ウエイトを置いた方が、
より感動的な作品になったような気がした。
また、多分に日本人の感性としては、
「おしん」のような、
受動的に耐え忍ぶ人物像だったら、
より共感が高まったのではないだろうかと
想像もして、
文化や民族性の違いもあって、
日本人の私に、もう一つ感動に結び付かない
理由だったのかも知れない。
それにしても野球という競技、
WBCでの侍ジャパンの劇的な試合を
思い出すと、
このジャッキー・ロビンソン物語や
フィクション野球ドラマをも凌駕する、
なんというドラマチックな要素を内在した
スポーツであろうか。
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