42 世界を変えた男のレビュー・感想・評価
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42
声にならない声に、姿で応えた男。
映画『42〜世界を変えた男〜』
「目の前の“理不尽”にどう立ち向かうか。」
そんな問いに、ここまで真っ向から向き合い、闘い抜いた人がいただろうか。
映画『42〜世界を変えた男〜』は、メジャーリーグ初の黒人選手として歴史を塗り替えたジャッキー・ロビンソンの実話を描いた作品だ。
僕がこの映画に胸を熱くさせられたのは、彼が成し遂げた「記録」ではない。
どれだけ罵声を浴びせられようと、卵を投げられようと、チームメイトに無視されようと――一切、やり返さず、ただ“実力”で黙らせていった彼の姿勢、その「信念を貫く生き方」に心を打たれたからだ。
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正しさは、いつだって孤独から始まる
1947年、アメリカでは黒人が白人と同じ球場でプレーすること自体が“ありえない”時代だった。そんな中、ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャー、ブランチ・リッキーが、黒人リーグからジャッキー・ロビンソンをスカウトする。肌の色ではなく“実力”で選んだ、たった一人の男を。
ここから始まるのは、美談なんかじゃない。
ジャッキーは、あらゆる角度から「潰されそうになる」。
記者から、観客から、相手チームから、時には味方の選手からも「黒人なんか野球をやるな」という目にさらされ続ける。
でも、彼は言い返さない。暴れない。言葉ではなく、プレーで証明していく。
「やり返したら、そっちが負けだ」
そう言い聞かせるブランチの言葉が、彼の胸に突き刺さる。
そう、これは“闘わないことで闘う”物語なのだ。
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信念を貫き、成果で黙らせる
この映画を観て、僕はふと自分の会社員時代を思い出した。
新しいことをやろうとすると、必ず反発が起きる。
周りに「できるわけがない」「それは無理だ」と言われる。
でも、そこで感情的にやり返しても、何も変わらない。むしろ、「ほら見たことか」と言われて終わる。
ジャッキーがすごいのは、感情に飲まれそうな瞬間でも、「目的」を見失わなかったことだ。
目の前の一人に勝つんじゃない。
“未来の無数の誰か”のために、この一歩を踏みしめる。
それを理解していたからこそ、耐えて、走って、打ち続けられた。
その結果、ジャッキーはチームに欠かせない戦力となり、ドジャースはワールドシリーズ進出を果たす。そして、アメリカ全土に「黒人でもメジャーリーグで通用する」という事実を突きつけた。
彼は、言葉じゃなく「成果」で世界を変えたのだ。
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声高に叫ばずとも、背中が語る
僕はこの映画を観終わったあと、「自分もまだまだやれるな」と背筋が伸びた。
熱さや正しさを前面に出すことも、時には必要だ。
でも、もっと大切なのは、「結果で示すこと」「生き様で語ること」なんじゃないかと。
人から否定されることを恐れて、自分の信じる道を曲げるのは簡単だ。
でも、それでは何も始まらない。
時代を動かすのは、声の大きい人じゃない。
誰よりも“静かに貫いた人”の足跡が、未来の誰かの道を照らすのだ。
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まとめ
『42〜世界を変えた男〜』は、単なるスポーツ映画ではない。
これは、「信念を持って生きるとは何か」を突きつけられる作品だ。
人と違う道を選びたいと願うすべての人に、僕はこの映画を強く勧めたい。
自分の人生を、誰かの“常識”で終わらせないために。
周りにどう言われようとも、自分の信じた道を貫いていくために。
いつだって、歴史を変えるのは「覚悟を決めた一人の人間」なのだから。
たくさんの偉大さを感じられます。
今年の4月15日もメジャー全球団の全選手が「42」の背番号をつけて各地で熱い試合を展開、「ジャッキー・ロビンソンデー」楽しませていただきました。
史上初の黒人メジャーリーガーが生まれたドジャース、日本人選手たちも野茂英雄投手を始めとして現在の大谷、由伸、朗希の3選手に至るまで、たくさんの選手が所属、その活躍を応援させてもらい、ずっと勇気と力をわけてもらっています。
どの世界にも必ず先駆者が存在し、そのおかげで今があるだけにこれだけたくさんの日本人選手がメジャーリーグで活躍できるのもジャッキーとリッキーのおかげであることは間違いありません。
人間はなんで自分と他人を比べて違いを見つけて線を引きたがるのでしょうか?
相手チームだけに留まらずチームメイト、野球ファンやマスコミにまで誹謗中傷や嫌がらせを受けても怒りを何とか抑えつけてひたむきに野球に打ち込むジャッキー・ロビンソンの偉大さ。
本人の頑張りや踏ん張りはもちろんですが、彼をいろんな角度から支えてくれるブランチ・リッキーGMや奥さんのレイチェルの偉大さ。
彼を称えて今でも42番を全チーム共通の永久欠番にし、ジャッキー・ロビンソンデーを設けるいかにもアメリカらしい偉大さ。
そして何より主人公を演じたチャドウィック・ボーズマン。本作を観終わった後にその早過ぎる死を知りましたが、闘病中も4年間に渡ってその事実を一切口外せず映画撮影に打ち込んでいたという偉大さ。その死は本作の好演を観てもあまりに惜し過ぎますし、ジャッキーにも通ずるひたむきさを感じ、あらためて心からのご冥福をお祈りします。
⭐︎4.2 / 5.0
信じ抜く力が人財を育てる!
テンポよく楽しませてくれる秀作
作品的には★3.5
悔し泣きと嬉し泣き、感涙の作品。
最近大谷翔平さんを応援することが多く、メジャー関連のニュースでみんなで背番号『42』を全ての選手が付けている日があり、気になって調べたら黒人初のメジャーリーガーに敬意を込めて付けるようになったとのこと。彼の実話の映画があることを知って、この作品を視聴しました。
思った以上に過酷な境遇になんど腹立ちなんど勇気をもらったか。メジャーリーガーのみなさんが尊敬している理由がよくわかる。悔し泣きと嬉し泣きを両方流しました。見れてよかったです。
茨の道を通った最初の男
Take me out to the ball game. 人種差別に立ち向かう姿勢には感動するが、スポーツ映画としての出来はポテンヒット⚾️
メジャーリーグ初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンがいかにして人種差別と闘ったのかを描いた、史実を基にした野球ドラマ。
主人公ジャッキー・ロビンソンを演じるのは名優チャドウィック・ボーズマン。本作出演を機に映画スターとして知られるようになる。
ジャッキーを起用したブルックリン・ドジャースの会長、ブランチ・リッキーを演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズの、レジェンド俳優ハリソン・フォード。
全く野球に興味がない自分のような人間でも、伝説の選手ジャッキー・ロビンソンについては聞いたことがある。史上初の黒人メジャーリーガーであり、彼がデビューした4月15日は毎年すべての選手が彼の背番号「42」を背負いマウンドに立つ。この42という背番号は、唯一の全球団共通の永久欠番として特別な輝きを放ち続けている。…まぁ実際は黒人初のメジャーリーガーはジャッキーではなくモーゼス・フリート・ウォーカー(1884年にデビュー)という人らしいんだけど。
ちなみに、アジア人初のメジャーリーガーは南海ホークスからサンフランシスコ・ジャイアンツへと野球留学をした村上雅則(1964年にメジャーデビュー)。一応ハリー・キングマンという中国生まれの選手が1914年にデビューしているが、彼の両親は西洋人宣教師だったようなのでここではノーカンとする。
村上さんも人種差別にあうことが多々あったようだが、それでもアメリカでは結構楽しくやっていたとのこと。こういう話を聞くと、同じカラードとはいえやはり黒人に対する風当たりは黄色人種の比ではなかったということがわかります。
本作は伝説の野球選手を扱った伝記映画だが主眼は人種差別との闘いの方に置かれており、野球自体は割と二の次という感じ。ドジャースが1947年のシーズンをどのように戦ったのかとか、どういう戦績だったのかとか、そういうことはあんまり詳しく描かれていない。
具体的に言うと、リーグ優勝したとのことだがそれとジャッキー加入との因果関係が正直よくわからん。凄く強い選手が1人加入したからといってチームが強くなるというわけでもないだろうし、映画の描写からすると監督の降板や人種間対立など、チームワークに乱れも生まれていたようだし。人種問題を乗り越え一枚岩となったドジャース、という像をはっきりと見せていないので、なんだか味が薄い…。
日本の野球マンガのような、個性的なチームメイトやライバルは不在。せっかくのチームものなんだから、もっと登場人物にキャラクター性を持たせて華やかにすべきではないだろうか。
また、個性がない上みんな白人かつ同じユニフォームを着ているので、はっきり言ってジャッキー以外の選手の見分けがつかない。最後の方でジャッキーと肩を組んでた人とフィリーズのレイシスト監督に食ってかかった人は別人なの?
チームスポーツものはキャラクター間の掛け合いが大事。多少やりすぎでも良いから、タカ・タナカくらいユニークな人物を登場させてジャッキーと友情を育むなり敵対するなりさせていればエンタメ的な見どころを生み出す事が出来ていたかも。必殺の魔球を登場させろとは言わないが、もう少し外連味や抜けの良さが欲しかった。
人種差別を描いた映画としての評価は置いておくとして、スポーツを描いた映画としてはもう一つ。アウトとは言わないが、ポテンヒットとか内野ゴロくらいの感じかな。
お世辞にも面白かったとはいえない映画だったが、それでも醜悪な人種差別に逃げることなく立ち向かうジャッキーの姿勢には大いに感動させられた。「やり返さない勇気」という、キング牧師の非暴力不服従を思い起こさせる無言の抗議が観客の心を揺さぶります。
また本作はアンガーマネジメントを描いた作品であるとも言えると思います。怒りに身を任せることなく自らを律する事。その事の美学が一貫して描かれており、いかに感情に身を任せるという行為が幼稚なものなのか、それをジャッキーとの比較ではっきりと明示している点が良い。時にはブチ切れることも大切だとは思うのですが、それは時と場合と対象をしっかりと考えること。本作を観ていれば、ウィル・スミスもあんなことになっていなかったかも…。
特筆すべきは役者の演技。
『ブラックパンサー』(2018)でお馴染みとなった夭折の名優チャドウィック・ボーズマン。本作は彼の映画初主演作なのだが、そうとは思えない堂々とした圧巻の演技力で、見事ジャッキー・ロビンソンの苦悩と栄光を演じ切っておりました。本作を観て、マーベルはチャドウィック・ボーズマンにもっと自由に演技をさせるべきだったとつくづく思った。ブラックパンサーのあの無味無臭さは一体なんだったんだ?
なんにせよ、今後もっと活躍の場を広げる事が出来たはずの、力のある役者だったことを再確認…。亡くなってしまったのが本当に悔やまれる😢
チャドウィック・ボーズマンもさることながら、最も驚かされたのはブランチ・リッキーを演じたハリソン・フォード!
歳をとってからの彼はなんか覇気がないというか、いつも渋い顔をしながらブツクサ言ってるお爺さんになってしまっていて「おいおい大丈夫かジジイ!?」なんて心配していた。『スター・ウォーズ』(2015)も『ブレードランナー』(2017)も、全然やる気ないのが手に取るようにわかる😅
そんな爺さんになってしまった彼だが、本作の演技は見事!纏う雰囲気から佇まいまで、全くいつものハリソン・フォードっぽさがない。「なんかこの俳優さん見たことあるけど誰だったっけ…?まさかハリソン・フォードじゃないだろうし…」なんて、観ながら本気で思ってましたもん。ハリソンの今回の演技はオスカーレベル。『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)のスタローンくらいには評価されるべき、彼のキャリアを代表するような名演技だったと思う✨…まぁ普段からもっと真剣にやれってことでもあるんだけどね。
ボーズマンとハリソン。2人の名優による掛け合いが生み出すドラマが本作最大の魅力。彼らの演技合戦にはきっと胸を熱くさせられるはず。
父親の差別を子供が真似る。そういう悪しき伝承が本作でも描かれていた。近年の日本を取り巻く人種差別的憎悪にはほとほと嫌気が差しているのだが、こういう思想を持っているのは大体がいい歳したオヤジ。こういう奴らが若い世代にその憎悪を伝播させている。
ショウヘイオオタニの活躍に、そしてそれ以上にイッペイミズハラのクレイジーさにより日本国内での注目度が増しているドジャース。人種差別に関心のないただの大谷ファンにこそ本作を鑑賞し、色々と考えて欲しい。
野球好きじゃなくても楽しめる
世界はやさしい!
こういう素敵な実話は最高です!!
主人公のロビンソンが四面楚歌になりながらも、直向きに野球をやる姿にずっと泣きっぱなし。
もともと短気なのに、それを抑えて、ただただ実直に誠実にプレーする。
そんな彼の姿に周りが次第に変わっていく。
今でも彼の42番をつける日があるなんで、本当に優しくて素敵で、それも泣けます!
偉業をしっかり認めて、それを全員で共有するアメリカの文化は本当に素晴らしいと思います。
ハリソンフォードの【あるのは未来だけ、過去はない】
のセリフにもぐっときました。
チームメイトの中にも最初から親切にしてくれる人もいて、自分もそうありたいなと思いました。
自分の中の弱い部分に心が負けそうになった時に
勇気がもらえる作品です!
❇️実話なのに実にエンタメ!
42 世界を変えた男
🇺🇸1945年ニューヨーク州 ブルックリン
戦後アメリカの民主主義の象徴として人気が出てきたベースボール⚾️!
アメリカの球団16チーム 選手権400人全て白人だった。
ドジャースのオーナーは新たな試みとして差別と成績に立ち向かえる黒人を入れて世界を変えようとしていた。その名は『ジャッキーロビンソン』
人種差別と闘い今後の野球に新たなドアを開けた最初の黒人選手の物語。
❇️実話なのに実にエンタメ!
★彡野球そんなに興味あるなくても面白い。
◉82C点。
🟡見所。
1️⃣とにかく差別が凄い。
★彡エンタメにする為、かなり抑えていると思われるが、当時の人種差別は生命に関わる戦いだった事は伝わります!
2️⃣嘘みたいな本当のエンディング!
★彡結末もすごい事だが、エンドロールの関わった選手や子供達の結果も面白い!
😫😤🥺😱😰😨👍🏾🦶🏾🫂👩🏾👨🏾🦱⚾️🏆🏟️🏨📸📠⚖️📰💮
世界を変えた
戦争・平和・差別・偏見について考える映画。米の病巣
内容は、実話を雛形にした物語。1946〜1948年に第二次世界大戦から帰ってきた一時的な平和な時にレイシスト等数々の国内問題にボールというゲームを通じて人種差別に立ち向かうジャック・ルーズベルト・ロビンソンを主役に、幼い頃の蟠りを解消しようとする仕掛け人Dodgersのオーナーリッキーとチームメイト心が一つになり目標に向かうという爽快な物語。印象的台詞は『俺は野球が⚾️したい。それが全てだ!』一塁に来てジャッキーに肩組む背番号1と背番号42の並ぶ名シーンが絵になり良かったです。印象的な立場では、当時の有色人種の差別が激しかった時代に描かれる様々な看板や態度が群集心理として垣間見え、未だに根深く残っている問題に光が当たる様で面白かったです。印象的な場面は、まだ安全性が確立されていない時代の試合。ヘルメットなしにデットボールはかなり痛そうでした。個人的には最初のDodgersオーナーのリッキーがジャッキーを事務所にスカウトして面接するシーンで『やり返さない勇気を持っ選手になるのだ!』と激励すると同時に短期で怒りやすい💢か試す場面は心理的に心と裏腹なリッキーの気持ちもわかり涙しました。そして最後の三幕でもう一度何故自分をスカウトしたかを描く場面はカタルシスの解放を感じ涙なくしては見えないアメリカと言う国のベースボールへの思いの深さを覗かせてもらった様な映画でした。
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