劇場公開日 2013年12月21日

「戦争を描く映画ではなく、戦争を背景に“家族の愛”を描く映画」永遠の0 シモーニャさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 戦争を描く映画ではなく、戦争を背景に“家族の愛”を描く映画

2025年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

この作品は、戦争そのものを描く映画ではなく、戦争を背景に“家族の愛”を描いた物語です。
特攻という極限状況を通して、「生きたい」「守りたい」「家族を残したい」という人としての本能が深く掘り下げられています。
そのため、“兵士としての役割”と“家族を想う個人”の間で揺れる内面が、作品の中心的テーマとして強く響き、深い感動につながる。
原作者の思想と作品の関係については、物語全体に「生きる意味」「家族の価値」といった価値観が明確に表現されています。
それらは保守的な思想と重なる部分もありますが、作品自体は政治的主張ではなく、“一人の人間の生き方”を描く物語として成立している点が、この作品に深みを与えているように感じます。価値観が明確であるからこそ、観る側に強い印象を残すのでしょう。

映像表現としては、映像美よりも物語と人物描写を優先しています。
カメラワークはオーソドックスで、美術も派手ではありませんが、その分、脚本と俳優の演技が作品を支える構造になっており、人物の内面を丁寧に描くことで、作品全体に厚みが生まれています。

『永遠の0』は、
• 役割に縛られた身体
• 家族を守りたいという個人の感情
• 極限状況での静かな決断
といった要素が作品の軸にあり、これは私が好む“静けさ・内面・身体性の変化”を重視する鑑賞スタイルと非常に相性が良い。

シモーニャ
PR U-NEXTで本編を観る