「ルーツをたどる旅」永遠の0 結湖さんの映画レビュー(感想・評価)
ルーツをたどる旅
原作小説を読了していたので開始5分で泣いてました。(ラストを知ってたら、泣かざるをえませんでした)
後半、泣きすぎて酸欠で苦しかったです。
泣くだろうとは予告編を見た時から、いえいえ、原作で号泣したときから判ってました。
そう、あまりにも原作が素晴らしいので、映画は絶対にうまくいって欲しいと願っていました。
その願いは裏切られることなく、無事泣き腫らして劇場をあとにすることができたことに感謝します。
VFXなら文句ナシ、日本トップの監督ですから、零戦はもとより空母も戦闘シーンも私は違和感を感じることなく、見ることができました。
俳優陣も素晴らしく、宮部について語るそれぞれの語りに引き込まれ、生き残ることを切望していた宮部がなぜ特攻で死んだのか、という謎を追いかけながらも、宮部を語るその人自身も戦中戦後の激動を生き抜いてきたその人生の重みを感じさせます。
原作(長編小説)あり映画の一番難しいところは、物語の情報量をいかに端折るかだと思うのですが、この映画はその配分がとてもうまいです。
音楽もとても良かったです。
物語の終わらせ方も印象に残るもので、余韻に浸りながらサザンの主題歌!なんてダメ押し、贅沢すぎる!
この物語が素晴らしいのは「戦争モノ」だからではありません。
宮部がなぜ死んだのかを解くミステリーであり、今を生きる若者(現在の日本人)が自身のルーツをたどる旅だからです。
それは今の日本人なら誰しも持っているルーツであり、忘れかけているものです。
いい映画を観ました。
ありがとうございました。
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