劇場公開日 2013年12月21日

「80年前の美しい日本人の生きざまに心打たれるが、辛すぎる。」永遠の0 てつさんの映画レビュー(感想・評価)

5.080年前の美しい日本人の生きざまに心打たれるが、辛すぎる。

2024年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

戦争話に興味のない人にも読まれベストセラーとなった原作も読みました。
素晴らしい原作を、これまた素晴らしい再現度で映画化したもので感動しました。
私が感動したので、父母にも映画が公開される前に読んでもらいました。それぞれ深い感銘を受けたようでしたが、父母はこの映画を見ていないはずです。それは母が「映像でこの話を見せられるのは辛すぎるから」と映画館に行くことを拒んだためです。
宮部久蔵は架空のゼロ戦パイロットですが、多くの当時を知る旧日本軍人が「宮部とはあの人のことではないか?」と多くの人を思い浮かべて原作者の百田さんに問い合わせが入ったと言いますから、取材も半端ないものだったのでしょう。複数の実在の人物のエッセンスを混ぜて作ったキャラクターと言えるのでしょう。
私にとってこの作品で最も泣かせるシーンは「あの人は約束を守ったんだわ」と宮部の妻が言う時です。
多くの現代日本人にとって、ご先祖様に当たる曽祖父母や祖父母が何を大切に想い、命がけで守り抜いてきたのかを丁寧かつダイナミックに描いた本作は、傑作中の傑作です。
同じ山崎貴監督作品である「ALWAYS三丁目の夕日シリーズ」と一緒に鑑賞すれば、古き良き日本に思いを馳せることが出来るはずです。
この映画も、山崎さんらしく現代の日本人に古き良き日本を伝えるという使命感を持って作られたことをひしひしと感じます。

てつ