「ベイにはなれないって」ホワイトハウス・ダウン しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
ベイにはなれないって
ローランド・エメリッヒとマイケル・ベイがよく、大作脳みそスカスカ
監督としてあげられることが多い
スカスカには反論はないが、比較されるのはスカスカ大作を撮ってきた、というだけであって経歴や撮ってきた作品のジャンルは全然違う。
マイケル・ベイはアクション監督として有名だが、それだけでなくいろんなジャンルを実はまんべんなくとってきているし、それが彼のアクション映画に昇華されている。
マイケル・ベイのとる絵は「バッド・ボーイズ」「ザ・ロック」に代表されるように彼なりの絵が既に「ベイ味」として認知されている。
その集大成が「トランスフォーマー ダークサイドムーン」だと今も信じて疑わないし、「ダークサイドムーン」が「アベンジャーズ」や「パシフィック・リム」よりスリリングなのは、「アクションな絵だから」に他ならない。アクションをよくとっている監督であって、緩急のつけ方、見せ方が他を圧倒している。
ではローランド・エメリッヒはどうかというと、SF、ファンタジー、パニック映画、とまあ、確かにいろんなジャンルをとっているのだが、その印象は「派手な絵はあるが、決してアクションではない」
人間が起こすアクションを撮ってきていないのだ。
「ユニバーサル・ソルジャー」?
(笑)
さて「ホワイトハウス・ダウン」
あんまり想像していなかったのが、ほぼ全編CGなのは、かなり落胆した。
しかし、ちょっと考えたらそれも当たり前だ。
ホワイトハウス周辺であそこまでの大規模な撮影は無理だし、そもそも
CGで好きな絵をとってきた監督である。
すべての絵が紙芝居以下のスカスカ。
まあ、紙芝居はそれでもひきつける一コマや絵があればいいのだが、緩急がまるでつけられていないので、絵だけのアクションにすらなっていない。
つまり企画と監督がそもそもアクション映画としての面白さを満たすものではなかったのだ。
ちょっと擁護するならば、あまりにもCGの処理が悪すぎる、使い方もひどすぎる。
おっとCGの使い手にしてみれば、擁護になってないな。
エメリッヒお得意の寒いギャグとあり得ないJ・FOXXの大統領のしゃべり方にさらに幻滅。娘の活躍とキャラクタがさらに緊張感を削ぐ。
「ダイ・ハード」「ザ・ロック」に外っ面だけなぞっても、そうはいかない。
プールに落ちるリムジンぐらい本物つかえ、バカモンが。
アクションなめんな。