「派手でも、喉越し最高な夏ビールのような爽快感が残る味のある作品」ホワイトハウス・ダウン Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
派手でも、喉越し最高な夏ビールのような爽快感が残る味のある作品
「インディペンデンスデイ」「2012」のローランド監督だとスケールはデカイけれど、単純で中身の無いチープな映像になるかなと思い敬遠していた。
しかし、この映画の場合こそは、彼の娯楽大作系のテンポの良い撮影が最大限に生かされ、思わぬ拾い物に大満足でした。
考えてみると、「もう一人のシェイクスピア」も彼が撮っているのだよね。観客を飽きさせずに画面に惹き付けて置く上手さがある人だと彼に対する認識も新たになる。
「ダイ・ハード」の様な絶対に死なない、あり得ねえ強運の男の誕生が嬉しかった。
そんなジョンを演じていたチャニング・テイタムは何だか、最近太ったのか、やたらオヤジ顔に見えて、決してスマートで、憧れる不死身のヒーローでは無かった。
更に仕事優先で、娘や妻思いではない、彼のやる事全てが裏目に出てしまう、不器用な父。
そんな減点オヤジが名誉回復を命懸けで繰り拡げる。
格好良すぎです!
大統領と娘たち人質の救出に疾走する彼の姿に何だか、ワクワク楽しくて、心は見終わった後にはスカッたした満足感。
全体的には、これはコメディー映画?と思わせるような笑いもちりばめられていて、いかにもお祭り大好きって感じのハリウッド映画の典型的な作品でしたが、それが安心で、心地良かったです。
脇を固める俳優たちも個性派揃い、マギー・ギレンホールも、知的でク-ルで素敵でした。私は彼女が好きな俳優なので、評価が甘いかもしれないが、でもここではキーパーソンで存在感バッチリな彼女の存在が一番嬉しかった!
更にやたら最近注目株のジェイソン・クラークの悪役ぶりも大統領を食ってしまう程の存在感ばっちりで、見物でした。
そして、最後は、やっぱりそう来たか!と言う終わり方も大満足だった。
やはり、難しい展開に頭を悩ませる事も無く、何も考えずに脳天気に楽しむだけの映画も好いとハリウッド映画を見直した作品でした。
この夏は「スマイル・アゲイン」も拾い物だったけれども、この作品も万人向きの娯楽作品として安心でハズレなしの作品だと思う。
「スピード」のテンポ有る展開の面白さプラス「ダイ・ハード」の不死身のヒーローの爽快感を足して更に、「テッド」から下品な部分を無くした、キャラクターの身近な親しみ易さだけを抽出したような、好いとこ取りの娯楽映画として最高だ。
残り僅かとなった夏休みの締めくくりには、この映画で最後の思い出を作ってみてはどうだろうか?「風たちぬ」「パシフィック・リム」など何だかんだと話題の多い今年の夏映画だが、是非休みの最後は、この映画で、スカっと爽快に決めて観てはどうだろうか?