「1人の男の生き様が、世界の人々の未来に…」エリジウム 悠さんの映画レビュー(感想・評価)
1人の男の生き様が、世界の人々の未来に…
何となくで手に取った一本でした。ネタバレなしの解説を読んでから鑑賞しましたので映像に集中しながらもストーリーには入り易かったです。主演マッド・デイモン演じるマックスの人生、つまり生き様がこのストーリーの核になっています。人間ドラマやアクションももちろん組み込まれていますが、まず先に素敵だなと感じたのは、タイトルにもありますエリジウム、つまり富裕層が暮らすスペースコロニー『エリジウム』の全体像が見えるシーンでした。ハリウッドらしい艶のある映像とはまた違う、優雅かつ滑らかなこの映像美は、忙しいカメラワークも盛り込まれたこの作品をとてもよく引き締めていると感じました。そして個人的に何よりも印象に残ったのはマックスの最後のセリフです。幼い頃の記憶や、自分は何をすべきなのか、何を求めていたのかがこのセリフにより繋がった感じがしました。品のある、凝ったセリフではありませんが、とても感動しました。
作品の随所に主人公やヒロインの人間性が組み込まれているのも見逃せません。
SFというカテゴリーの映画なので、近未来のかっこいい武器やアクションを期待して構えている方も多いと思いますが、1人の男の生き様の物語として見てみると、違った面白さがあるかもしれません。
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