「意外と敷居の低い猟奇ゴシックミステリー」推理作家ポー 最期の5日間 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
意外と敷居の低い猟奇ゴシックミステリー
世界の名だたる作家がリスペクトする怪奇幻想作家であり、
世界初の推理作家としても知られるエドガー・アラン・ポー。
その彼が、彼の作品を模倣する殺人鬼と対決する羽目になるという猟奇ミステリー。
近年の『シャーロック・ホームズ』のようなアクション映画ではないので、そこは御注意を。
それと、殺人シーンには結構エグいものも含まれるので、血がニガテな方も要注意です。
さて、ポーの作品は半分程度しか読んでいない自分だが、
彼の著名な作品さえ押さえていれば、思わずニヤリなシーンの連続。
『モルグ街の殺人』『赤死病の仮面』『早すぎた埋葬』などを
彷彿とさせる事件が次々起こる展開が面白い。
この調子でオランウータンとか黒猫の亡霊とかが犯人だったらどうしよう(ワクワク)とか
考えながら鑑賞していたが、流石にそれはありませんでした。ちぇっ。
顔は本人と似てないが、ジョン・キューザックの神経質な演技が良いね。
自惚れ屋だが、文学や恋人に対して真摯で情熱的な所が好感度大。
刑事のルーク・エヴァンスも冷静に、だが熱く事件を追う。
変人扱いされるポーと真っ直ぐに接し、互いに信頼関係を築いてゆく。
最後も、互いへの信頼が為せる業だった。
ゴシックな雰囲気の漂う闇深い映像・美術も
いかにも怪奇幻想小説なムードで良いです。
とはいえ、サスペンス要素は一級の出来とは言えないかな……。
① 犯人が残したヒントを解読
② ヒントが示す場所に向かう
③ 新たな犯行を目撃
④ ①に戻る
という展開が延々と繰り返されるので、先の展開にあまりハラハラできず。
話にメリハリを付ける為にも、「どうにか犯人の裏を掻いてやろう」
と主人公達が策を練る展開が欲しかったなあ。
警備を増やすとかの防御策じゃなく、もっと“攻め”が欲しかった。
あと、真犯人にも気付かなかったが、驚きは少ないかな。
原題でもある『大鴉』が殆ど物語に絡んでこない点も拍子抜け。
ところで、
インクや炭素製の鴉を彷彿とさせる、硬質でスタイリッシュなエンドクレジット。
何故かここだけ完全に別の映画みたいなのだが、これはこれで格好良い。
ひょっとして、最初はダークな『シャーロック・ホームズ』
みたいなノリを目指してたのかなあ。憶測ですけどね。
以上!
実在の作家が主人公だが、文学的な香りは薄め。
そのぶん敷居は低いので、雰囲気のあるミステリーとして楽しめますよ。
<2012/10/13鑑賞>
きびなごさん、いつもありがとうございます。
「アルゴ」を見て、とても良かったので
思わず、きびなごさんのレビューに、
お忙しいとは思いながらも、コメントを書いてしまいました。
ごめんなさいね。
「エクスパンダブルズ2」
そうですか、ドニーは出演を断っていたのですね。
ドニーなら、さもありなんですね。
それにしても、ドニーが出たら≪暑苦しくなる≫に大笑いでした。
まったくその通りですね。
うふふ~~~。
「ウーマン・イン・ブラック」は、ダニエル君が出る・・・くらいしか
知らなかったのですが、ホラーでしたか。
それは、それは、見なくては!!
ところで、「きびなご」って、知らなかったので調べてみました。
イワシ科のお魚なんですね。
ご出身の鹿児島では、よく食べられているのですね。
今度こそ、私のコメントにお気遣いなく!!