「ローカルなかんじ」旅立ちの島唄 十五の春 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ローカルなかんじ
YouTubeの登録が130くらいあるんだがそのなかに是枝三姉妹がいる。沖縄音楽のトリオで更新頻度は低いけれど上手だしピュアな感じがいい。おそらく沖縄には夏川りみや上間綾乃やネーネーズやKiroroややなわらばーのような、あるいはそこまでの知名度ではないローカルなシンガーやデュオやトリオが無数にいるんだと思う。
安里屋ユンタとてぃんさぐぬ花が好きです。山男なわたしにとって沖縄の女というだけでエキゾチックなバリューが生じるのと同時に独特な音階や空気に魅了される。
またはりぬつんだらかぬしゃまよ。一度は沖縄へ行きたいなあ。
沖縄本島から離れた南大東島は高校がない。進学のためには親元を離れなければならない。──そんな事情から通過儀礼となっている別れ=旅立ちを扱ったドラマ映画。
小林薫や大竹しのぶも配役しているけれど地元民をつかってローカル気配を出している。三吉彩花はうっとりするほどVividでたまゆらの少女時代がみごとに切り取られている。琉装で首里結いにしているとまるで人形だった。
子供たちはみんな三線や歌をならっている。日常が音楽と密接なつながりを持っていて、こんな感じだと音楽へ進む人も多いだろう。沖縄の音楽はほかのどこにもない沖縄だけの民間伝承ゆえに沖縄の人が音楽をやるのは自然だと思った。
大げさな主張や弁解がなく、タイトル「旅立ちの島唄〜十五の春〜」の通りの映画。ウィキによると厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財として推薦されている。
また(ビターズ・エンドの配給品に一貫性があるわけじゃないが)なんとなくビターズ・エンドっぽい笑。
妙に覚えていることは島に係船岸がないこと。人が船に乗るとき護岸でパレットに乗ってクレーンで吊って船に移す。
海のことも港のことも知らないしろうとかつ山男の感想だが、その様子がひじょうに不効率に感じられ、桟橋つくろうぜ。とか思った。
船側と岸側の別れのシークエンスを構成したいとき、パレット乗ってからクレーンで移していると絵にならない。──ような気がしたんだ笑。