「無知が故の搾取が描かれた作品でした。」ラヴレース Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
無知が故の搾取が描かれた作品でした。
良かった。
ポルノ映画「ディープ・スロート」(72)で一世を風靡したリンダ・ラブレースの半生を描いた本作。
無知な田舎娘の変則的なサクセスストーリーのように見せかけて。
若干の助平心で観ている観客に冷や水をブッカケる作り。
特筆すべきは話の構成。
中盤までは時間軸が順番に進んでいくのですが。
或るところまでいった時点で…実は裏で、と場面を振り返る。
中盤までのどこから陽気なテンション。
快楽に目覚めた田舎娘が望まぬ形で始めたポルノ映画で一世を風靡する。
刺激的な毎日。著名人が、世間が自分を認めて喝采をあげる。
“陽”の部分が大半を占めていますが、随所に違和感を覚える部分がチラホラ。
その違和感が積もり積もった末に…振り返りへと繋がる。
この作りが良かった。
また主演のアマンダ・セイフライド。
本作での脱ぎっぷりの良さを評されることが多いですが、個人的には怯えた眼が良かった。
暴力に怯えつつ何処か批判的な色も宿した、その眼。
その表情が本作にバッチリ合っていました。
無知が故に夫に搾取され、会社に搾取され、世間に搾取され。
流され続けた彼女が行き着く先は。
そして彼女が自らを省みて行ったこととは。
その決断と行動を彼女の半生を通して観ていただきたい。
オススメです。
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