「雑に流すところがいい。」ロックアウト ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
雑に流すところがいい。
最近のG・ピアースもよく化けるようになったな、と思う。
もともとプリシラでのゲイ役がデビューだから、彼が色々
やれるのはごもっともなんだけど、けっこうお真面目な役が
(あの端正な顔立ちから)今までは多かったもんねー。
なので今回の「スノー」っていう役、けっこう面白かったな。
L・ベッソンの近未来SFという触れ込みだったから、
そこそこ突っ込めて面白いだろうと思ったらその通りだった。
宇宙に刑務所があるっていう設定は面白いが、あとは雑!
どこかで観たことがあるようなキャラと展開がテンコ盛り、
なんだけど(展開が読めるということは)それなりに面白い。
烏合の衆みたいなバカばっかりの囚人連合に、ボスの弟は
必ずアホ。という在り来たりの設定、大統領の娘があんな
軽い警備で視察なんか行くかよ?の疑問ですらさておいて、
どっちが凶悪犯か分からない顔のスノーを送り込むという…
まぁ~展開が早い早い。
冒頭からずーっと固唾をのんで観ていないと置いていかれる。
あっち(宇宙刑務所)に行ってからはご都合展開を見せるため、
冒頭での流れを掴んでおかないと、あーあの時の!って後で
その現場を延々と解き明かされるハメになります。
でも、、フツーに楽しめますよ。日曜洋画劇場でもいいけど…
雑なんだけど、見せ場を熟知してる人間がこういうのを作ると
飽きさせないところがいい。最後までズズズーっとノンストップ。
ややラストであっち側を急いで終わらせましたよね?っていう、
(その後、地上でのネタばらしがまだあったりするもんですから)
残念な(というか雑な)展開も、まぁ~ここまで観ればご愛嬌^^;
という感じで、適度な感じに流されてゆく(細かく追うでもなく)
なんで宇宙なんだ、という最大の疑問を冒頭ですっ飛ばして、
早さと俳優の妙味で乗り切ったB級ならではの味わいある作品。
精巧な画面ばかり観ていると、こういうのも楽しいんだけどなぁ。
(めげないベッソンて好き。まだまだ作ってちょーだい。ガンバ!)