劇場公開日 2012年11月23日

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「宇宙刑務所は大ハード!!」ロックアウト 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0宇宙刑務所は大ハード!!

2012年11月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

凶悪犯500人が冷凍睡眠させられている宇宙刑務所で暴動が発生。
慰問中に人質にされた米大統領の娘を奪還すべく、
CIAの凄腕・スノーが単身潜入する……

いや〜、似たような話は多いけど、こういう話は聞いただけで
ワクワクしちゃいますね。もう条件反射的に。

この作品、
間違いなく近未来版『ダイハード』的なノリを意識して作ったんだろうと思う。
憎まれ口ばっか叩くオッサンが限定空間で多数の敵と戦う設定からして既に『ダイハード』っぽい。
主人公スノーが排気ダクトを這い進むシーンやら、
スノーをサポートする黒人さん等の各キャラの立ち位置やら、
そしてドンデン返しありのストーリー展開やら。

残念ながらあの傑作ほどの巧妙さやカタルシスは無いのだけれど、
決して主人公が暴れるだけの単調な展開にはなっていない。
お陰で、最後までダレずに楽しむ事ができた。
アクション以外の部分でも観客を楽しませようという作り手の気概が伝わってきます。

ガイ・ピアースって真面目な役が多いイメージだが、こんな役も似合うね。
口を開けば相手を怒らす事しか言わないが(笑)、決める所はビシッと決める。
ヒロイン役のマギー・グレイスも『96時間』の娘役とは思えないほど魅力的になっている。
宿敵モヒカン男も◎。物語を予想外の方向に引っ掻き回す、良い悪役だった。

ただ、肝心のアクションシーンが今ひとつな印象。
冒頭のチェイスや終盤の空中戦(『SW』っぽい)などの大掛かりな見せ場もあるにはあるが、この辺りは殆どがCG処理。
CGのレベルも世辞にも高いとは言えないので、あまり迫力は感じなかった。

やっぱアクション映画は“生身”の人間が動いてナンボ。
そういう意味でガイ・ピアースには大暴れして欲しかったのだが、
残念ながら主人公が目立つような見せ場が、思ったほどには用意されていない。
仲間割れで敵の重要メンバーが自滅しちゃったり、
大統領の娘や上官に見せ場をさらわれちゃったり、
外野がいつの間にか事態を進行させちゃっていて、彼の活躍が目立たない。
キャラが魅力的なだけにヒジョーにモッタイナイ。
最低でも、宿敵との一騎討ちくらいは用意してて欲しかったなあ。
宇宙監獄という、いくらでも見せ場を思い付けそうな舞台も活かしきれずに終わった感じ。

あと少し尺か予算があれば、グンと面白くなった映画に思えてなりません。
ホントに惜しい。

<2012/11/25鑑賞>

浮遊きびなご