奇跡のリンゴのレビュー・感想・評価
全73件中、21~40件目を表示
家族の描写は良いが、動機も弱いし林檎栽培についてはもっと課程を描いて欲しい。
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
無農薬林檎を育てる軌跡を描く。
冒頭から結婚するくらいまでの場面の演出が大袈裟すぎて、最初の印象は良くなかった。だが無農薬栽培をやり始めても全く成果が出ないままに極貧生活となり、周囲からも相手にされないばかりか白眼視されて追い込まれていく苦労が良く描かれていて面白かった。2人の夫婦の存在感もあったが、ただし菅野美穂はたとえ農家風の服を着ていても洗練されていてあまり農家の女という雰囲気には欠けた。
不満な点は、何故彼が自分も家族もここまで犠牲にして無農薬栽培にここまでこだわるのかという動機の掘り下げが弱いところ。離婚も決意するほどの状態に追い込まれて、妻が農薬に対して弱いからだけでは説明できない。ここは物語の基本となるところなので、何故ここまでするのかということはもっとしっかりと描いて欲しかった。
それとどのように無農薬栽培を進めていったのかという具体的な方法とその過程の描写が少ない。わさびや酢をまいたといった話が途切れ途切れで出てくるが、これだけのことを成し遂げたという努力と研究の過程を描ききれていない。家族の描写は良いが、無農薬栽培の研究という視点が軽視されていて、農家の苦労話中心の話に終わってしまっているのが残念。
●とんでもない奇跡。
無農薬リンゴなんてホントにとんでもない奇跡。例えば趣味で無農薬レモンとかはあるが、リンゴは趣味でも無理。ましてや、ふつうのリンゴ農家は絶対チャレンジしない。とてもじゃないが採算ベースに乗らないから。の前に作れない。だいたい、まわりの農家からすれば、無農薬リンゴなんて迷惑この上ない。そりゃそうだ。虫や病気を避けるために農薬まくのだから。虫よんでどうする。頼むからバカなことやめろと。まさに村八分。
僭越ながら原作読んだり、ご本人の講演も聞いたが、本作はその背景をしっかり描いていると思う。それは家族愛だ。家族の助けと理解がなきゃこれはできない。それを10年。この重み。想像を絶する。泣けるわ。
愛する人を信じて疑わないこと
結果が出るまで凡人には理解出来ないような偉業を成し遂げるには
よっぱど強い信念(自分を信じる心)と
絶対にあの人なら出来るとどんな逆境でも信じて疑わないパートナーの存在が必要不可欠なんだろうな、と思った。
自分を信じることはできても、
自分や家族を苦しめ続けるパートナーを愛情もって心底信じ続けることは、そう容易くない。
苦しくて苦しくて、どん底になっても変わらない
菅野美穂さんのやさしい語り口が、素晴らしかった。
私は、彼女のようにあれるだろうか。
成功するまで続けるって凄い
10年間結果が出ず、自殺まで追い込まれ、土壇場で無農薬リンゴの栽培に成功。成功するまで諦めないって当たり前のように言うけど大変だ。人もリンゴも周りに生かされてるってメッセージがとっても良い。菅野美穂がご飯食べながら泣くシーンが良かった。
家族愛
農薬のせいで病気になってしまった愛する妻のために、当時「神の領域」と言われるほどに、絶対無理だと言われていた無農薬でのリンゴ栽培を決意した秋則。
観ている側も、もうやめてー!と言いたくなるほどの失敗の連続と、貧しい生活。
そんな秋則を支え見守り続けた家族との感動の実話。
いや、しかし!しかし!!!
「笑うっていうのは人間だけが持ってる性能!」そう励ます菅野美穂演じる妻・美栄子が最高に可愛いが、が!しかし!!!
終始、もう諦めてー!もうやめてーーー!!!と思いながら観ました。
ひとつ失敗したらひとつ常識を捨てればいい。
いくら失敗しても、いくら周りに批判されても、最後まで秋則の為に頭を下げ、秋則を信じ続けた家族が本当に素晴らしい。
中途半端にまとまりすぎてて凡作
妻が農薬の影響で皮膚の炎症を起こした事から、無農薬・無肥料による「自然栽培」によるリンゴを育成させる農法を開発したという木村秋則氏の実話をベースにした映画。
木村秋則氏の「自然栽培」についての評価は映画とは直接関係ないが、とりあえず筆者はその農法がリンゴの栽培に適しているとは思っていないし、「自然栽培」のリンゴが直接的に消費者にとって安全・安心には結びつかない事と、リンゴの味の評価と直接的に結びつかない事を、まず前提とすべきだとは思う。
さて、その上で本作だが、中村義洋が監督と脚本を担当しているだけあって、とりあえず映画としてはまとまってる。
しかし、とくに面白さがない。主人公が自然栽培の開発に拘るために本人や家族の負った苦労が延々と描かれているが、主人公をもっともっと変人に描くとか、あるいは周囲から受けた反発をもっと強くするとか、どうせフィクションとして脚色するなら、もっと振れ幅があったほうが楽しめたのではないだろうか。要するに、中途半端だ。
素材は面白いのに、感動どころか、あまり心が動かされなかったのは残念。
菅野美穂の勝ち
予想通りの安心して観られる映画です。
役者二人が揃ってますが、菅野美穂の勝ちですね。
支える女房と言うよりも、守りたい女房の感じが如実に表わされていました。
実際はもっと厳しかったのでしょうが、映画では少し物足りない気がしました。
家族で安心して観れる映画です。
わかっていても感動する
ラストがどうなるか、あらすじで見ればわかるのに、やっぱり感動した。
菅野美穂のご飯のシーンは素晴らしい。阿部サダヲあんまり演技が好きじゃないんですが、あまり気にならなかったです。
実話だからこその、重みと感動がありました。
津軽の夫婦愛
阿部サダヲと菅野美穂が愛溢れる個性豊かな夫婦を演じた。二人の津軽弁が日本人の愛情表現を引き立てているように感じた。
無農薬リンゴ栽培を決心した動機、そして栽培が成功せず、貧乏で苦しい日々が巧みに描かれていて、無農薬リンゴの花が咲いたときはまさに感動。その風景はとても綺麗だった。
夫婦を励まし元気づける子供たちの演技にも際立つものがある。全体を通して、大満足の映画。
「安全なリンゴ」と「安全にリンゴ」
映画「奇跡のリンゴ」(中村義洋監督)から。
実話を映画化した作品、という情報で観たからか、
鑑賞後、リンゴの味が気になって仕方なかった。(笑)
この作品のキーワードは「安全なリンゴ」と「安全にリンゴ」。
たった一字違うだけなのに、意味が全く違うなんて不思議だ。
物語の中でも、こんな台詞が出てくる。
「『安全なリンゴを作ること』と、
『安全にリンゴを作ること』は違いました」
しかしよく考えると、無農薬はもちろん肥料も使わず育った作物が
私たち人間にとって一番安全なのだから、本来なら
「『安全なリンゴを作ること』と『安全にリンゴを作ること』は同じ」
でなければいけないのだろう。
それはリンゴだけではない。口に入る食べ物はすべて同じだろう。
農家の人たちが農薬等で体を壊してまで作った野菜や果物を
私たちは何も意識せず、平気で残したりする。
この映画は、そんな私たちに向けた「食育」とも言える。
また「奇跡のリンゴ」を作った主人公にスポットが当たるが、
今回の成功の影には、山崎努さん演じる「義父・木村征治」がいる。
主人公が自分の娘を大切にしてくれると信じていたからこそ、
娘婿のために、今まで蓄えてきた全てを投げ出す覚悟を感じた。
「これまでも、これから先も、こうしてみんなば照らしてください」
という嫁(娘)の希望を受けて、2人が交わした会話、
「約束します、お父さん」「・・親父でいい」、
これこそ「義父・義息子」ではなく「親子」になった瞬間である。
この関係があったからこそ「奇跡のリンゴ」が生まれたのだろう。
私はそう確信した。素敵なシーンである。
全73件中、21~40件目を表示