奇跡のリンゴのレビュー・感想・評価
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かまど消しだが運は良かったということ?
包容力のある素敵な家族像が描かれている話。
一方で、妻側の視点で見ていたせいか、主人公である夫に共感できなかった。
まず妻子ある身で全財産を投げうつ程の理由が説得的に描かれていない。
浅はかな考えで保険をかけずに全部の畑でギャンブルし、
結局畑を減らしただけの話を美談のように言うのは勘弁して欲しい。
家族のためといいつつ、自殺を選ぼうとするところにも矛盾を感じる。
それと主人公の努力の方向にも賛成できない。
先人の足跡を追体験することに膨大な時間と財産を費やしている。
自分で考えることは確かに重要だが、
一方で、蓄積された知識を紐解くことの効率性を無視しており、
付き合わされる家族は酷である。
とはいえ、その努力が実って結果が出たならゴメンナサイと言うしかないが、
どうやらそうでもないらしい。
なぜなら映画では結局「奇跡のリンゴ」に重要なのは土だという結論になっていて、
中心的に描かれていた散布物の試行錯誤がどの程度成否に影響したかがわからないから。
そもそも、どん底からの転機が「運」とはいかがなものか。
「死の直前たまたま目の前に現れた神々しく光る木」を発見したことが成功の鍵だとすると、
彼の頑張りと直接の関係がないところで成功が導かれたことになる。
要は、この映画の構成では
無責任で的外れな挑戦だったけど奇跡に助けられて成功した話、
という感想を持たざるを得ない。
家族の描写は良いが、動機も弱いし林檎栽培についてはもっと課程を描いて欲しい。
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
無農薬林檎を育てる軌跡を描く。
冒頭から結婚するくらいまでの場面の演出が大袈裟すぎて、最初の印象は良くなかった。だが無農薬栽培をやり始めても全く成果が出ないままに極貧生活となり、周囲からも相手にされないばかりか白眼視されて追い込まれていく苦労が良く描かれていて面白かった。2人の夫婦の存在感もあったが、ただし菅野美穂はたとえ農家風の服を着ていても洗練されていてあまり農家の女という雰囲気には欠けた。
不満な点は、何故彼が自分も家族もここまで犠牲にして無農薬栽培にここまでこだわるのかという動機の掘り下げが弱いところ。離婚も決意するほどの状態に追い込まれて、妻が農薬に対して弱いからだけでは説明できない。ここは物語の基本となるところなので、何故ここまでするのかということはもっとしっかりと描いて欲しかった。
それとどのように無農薬栽培を進めていったのかという具体的な方法とその過程の描写が少ない。わさびや酢をまいたといった話が途切れ途切れで出てくるが、これだけのことを成し遂げたという努力と研究の過程を描ききれていない。家族の描写は良いが、無農薬栽培の研究という視点が軽視されていて、農家の苦労話中心の話に終わってしまっているのが残念。
●とんでもない奇跡。
愛する人を信じて疑わないこと
結果が出るまで凡人には理解出来ないような偉業を成し遂げるには
よっぱど強い信念(自分を信じる心)と
絶対にあの人なら出来るとどんな逆境でも信じて疑わないパートナーの存在が必要不可欠なんだろうな、と思った。
自分を信じることはできても、
自分や家族を苦しめ続けるパートナーを愛情もって心底信じ続けることは、そう容易くない。
苦しくて苦しくて、どん底になっても変わらない
菅野美穂さんのやさしい語り口が、素晴らしかった。
私は、彼女のようにあれるだろうか。
成功するまで続けるって凄い
家族愛
農薬のせいで病気になってしまった愛する妻のために、当時「神の領域」と言われるほどに、絶対無理だと言われていた無農薬でのリンゴ栽培を決意した秋則。
観ている側も、もうやめてー!と言いたくなるほどの失敗の連続と、貧しい生活。
そんな秋則を支え見守り続けた家族との感動の実話。
いや、しかし!しかし!!!
「笑うっていうのは人間だけが持ってる性能!」そう励ます菅野美穂演じる妻・美栄子が最高に可愛いが、が!しかし!!!
終始、もう諦めてー!もうやめてーーー!!!と思いながら観ました。
ひとつ失敗したらひとつ常識を捨てればいい。
いくら失敗しても、いくら周りに批判されても、最後まで秋則の為に頭を下げ、秋則を信じ続けた家族が本当に素晴らしい。
中途半端にまとまりすぎてて凡作
妻が農薬の影響で皮膚の炎症を起こした事から、無農薬・無肥料による「自然栽培」によるリンゴを育成させる農法を開発したという木村秋則氏の実話をベースにした映画。
木村秋則氏の「自然栽培」についての評価は映画とは直接関係ないが、とりあえず筆者はその農法がリンゴの栽培に適しているとは思っていないし、「自然栽培」のリンゴが直接的に消費者にとって安全・安心には結びつかない事と、リンゴの味の評価と直接的に結びつかない事を、まず前提とすべきだとは思う。
さて、その上で本作だが、中村義洋が監督と脚本を担当しているだけあって、とりあえず映画としてはまとまってる。
しかし、とくに面白さがない。主人公が自然栽培の開発に拘るために本人や家族の負った苦労が延々と描かれているが、主人公をもっともっと変人に描くとか、あるいは周囲から受けた反発をもっと強くするとか、どうせフィクションとして脚色するなら、もっと振れ幅があったほうが楽しめたのではないだろうか。要するに、中途半端だ。
素材は面白いのに、感動どころか、あまり心が動かされなかったのは残念。
菅野美穂の勝ち
わかっていても感動する
津軽の夫婦愛
阿部サダヲと菅野美穂が愛溢れる個性豊かな夫婦を演じた。二人の津軽弁が日本人の愛情表現を引き立てているように感じた。
無農薬リンゴ栽培を決心した動機、そして栽培が成功せず、貧乏で苦しい日々が巧みに描かれていて、無農薬リンゴの花が咲いたときはまさに感動。その風景はとても綺麗だった。
夫婦を励まし元気づける子供たちの演技にも際立つものがある。全体を通して、大満足の映画。
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