「奇跡のリンゴに込められた2人の想い…」奇跡のリンゴ もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡のリンゴに込められた2人の想い…
とても素敵なストーリーでした。
序盤から秋則のエキセントリックな性格が物語のその後へのコントラストなのか、コミカルな感じがとても面白く、分解するたびにエスカレートする感じがとてもほのぼのした笑いを誘ってよかったです。
そんな秋則が『笑うこと、人間だけが持っている才能』と言い、それを美栄子がバカだと大笑いしながら言う…。とても素敵な言葉でとても素敵なシーンで、ストーリーを知らなかった僕はこのまま幸せな雰囲気でいくのかな…と思ってしまいました
美栄子とお見合いをしてから結納?の席で停電して、仏壇から蝋燭を持ってくるシーンもとても良かったです。『あなたを照らし続ける』とても素敵なシーンだなと思いました。
その後、リンゴ農家を継ぎながら、美栄子の体が農薬に蝕まれていると知るやそのために無農薬のリンゴを作ろう何んてとてもロマンチックだなっとちょっとほのぼのしました。
周囲の厳しい反対と数年に渡る失敗にも笑顔で突き進む秋則とそれについていく美栄子、全財産を投げ打ってバックアップする征治姿が印象的で前向きにがんばって行けばいつか成功すると思ってしまうほどでしたが、それを吹き飛ばすほどのショックに見舞われてからの、落ち方は見てられないほどで、特に、祭りでの家族のいざこざや娘がもらった消しゴムを妹たちの為に三等分するシーンなど見ていられないほど悲しかったです。そして、離婚を切り出し、自殺へ。そこからの起死回生の一発逆転はちょっと出来過ぎ感は大きいですが…。
みんなに見放されて絶望的な状況にありながらも、多くの人が秋則達を支援し見事に成功をおさめる…感動しました。
ラストのシーンで、美栄子が『本当は何遍もまよった、だけど11年間ありがとう』『その一日一日がかけがえのない宝物です』と言ったシーン…なんだか、この話で一番笑顔だった美栄子が…泣けましたし、人を支える、ついていくことの純粋さに泣いてしまいました。
この話にはいろんな批判もあるし、たしかにストレートな愛情を斜めに見る人は見ない方がよいかもしれませんが、人を愛することの大切さや純粋さを単純に思い出せる映画だったと思います。