アイアン・スカイのレビュー・感想・評価
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第四帝国 on ダークサイド・ムーン
「アイアン・スカイ」シリーズ第1作。
ひかりTVビデオで鑑賞(DC版/字幕)。
第二次大戦中、密かに月の裏側へ逃亡していたナチスは軍備を増強し、地球侵略の機会を虎視眈々と狙っていた…と云う空想SFの局地のような設定に心惹かれました(笑)。
ところが、単なるトンデモB級SFでは無かった…
アメリカをはじめとする各国(日本も含めて)への風刺が効いていて、その滑稽さを面白可笑しく観ていました。
しかし、スペース・ナチとの戦争が終結した後に訪れた衝撃的な結末に呆然唖然。なんとえげつない皮肉なのか…
かなりデフォルメされてはいましたが、現実に起こり得る可能性の高いカタストロフィに心底から戦慄しました…
退屈だったなぁ。
設定は面白かったのにな。
風刺、皮肉、おバカ、エロ。
なんか色々中途半端で退屈だったなぁ。
共通の敵を団結して倒したけど、利権争いで結局人類自滅。
馬鹿は死ななきゃ治らない。
どうこのラスト、シニカルでしょ?的なドヤ顔具合が鼻につく。
知らんけど。
月にナチスが..
もしも月の裏側にナチスの基地があったらどうなるかという、ぶっ飛んだ設定のブラックユーモアあるSF映画。
低予算だがナチスにこだわりながら、工夫して上手く作り上げている印象。個人的には楽しめました。
人種差別や下ネタが劇中多く使用されているので、賛否両論ありそうですが何も考えず割り切って観れる人向きだと思いました。
してやられました
宇宙物といえばエイリアンの侵略が相場だしナチスが月から攻めてくるなんて企画は思いついたとしても嘲笑されて没だろう、そこをクラウドファンディングで資金調達して作ってしまえるのだからハリウッドもおちおちしてはいられまい。ヨーロッパ映画だからナチスばかりかアメリカまでコケにしているところが面白い。反撃となればアメリカ軍の独壇場かと思いきや各国が宇宙戦艦を建造していたとは驚いた、石油利権ならぬ月の資源の内輪もめで第一次宇宙戦争、日の丸宇宙船の攻撃が体当たりなのも痛いが仕方ない。
全く期待していなかったせいか望外の面白さ、ナチス風刺の大御所チャップリンやメル・ブルックス、お馬鹿映画のティムバートンや河崎実監督も若きティモ・ヴオレンソラ監督にしてやられたと悔しがっているかもしれませんね。風刺のきいたスペース・コメディでした。
世界各国の宇宙開発、裏じゃ何してるかわかったもんじゃない
という恐れをいだかされる映画。
レビューを見ているといろんな諷刺の効いた映画らしいがそれを理解するだけの素養がなかった。
どんな終わりだったかも記憶にない。
B級映画の皮を被った社会派!
とんでもなく面白いですね。風刺が効いてる。
けどネット上の評価が低くてびっくり。
チープなCGがーとか、ギャグが滑ってーとかって、そんなとこ観る映画じゃないじゃん。本作は確信犯的B級の皮を被った、社会派ですよ!
世の中のこととか歴史とか知らないから、きっと笑えないんだよと思いました。
低予算で、しかもネットで有志(スタッフ)を募って制作してるんですよね。それでも「アバター」より面白いって凄くないですか?
あと、ヒロインの女の子がむっちゃ可愛いのに、出演作が少ないですねー。
『アイアン・スカイ』または私は如何にして心配するのを止めてスチームパンクを愛するようになったか
月の裏側にナチスの残党が逃れ、第四帝国を築いているという機密情報を私が最初に知ったのは、小学生だった頃に読んだ、トレンド情報誌、月刊「ムー」の記事だった。
ナチスは敗戦後、精鋭たちを集め、新天地である月の裏側へ逃げ延び、第四帝国を建国したのだと言うのである。中には、ヒトラーが生き延びていると言う説や、その遺伝子が保存されていると言う説などがあり、月面には、本人、又はクローンが居ると言うのもあった。いずれにしろ機が熟したところで、再び彼らが地上に舞い降り、世界を恐怖によって侵略する事を目論んでいるのは明白であり、その日が近付いている。その事を知り、子どもながらに、不安になったり、恐れおののいたりしたものだ。
このように、月面ナチスは、今回だけのネタではなく、以前からまことしやかに囁かれて来た話なのだ。そして、月面ナチスが再び地上に舞い降りると言う、恐ろしい心配が現実となったのが、この映画だ。子ども頃の恐怖と戦いながら、この映画を観た。
それが見事な風刺の効いた一級のコメディに仕上がっていた!
70年間のギャップ。浦島太郎のような、時代錯誤がむしろカワイイ!『チャップリンの独裁者』が「総統を称える短編映画」として出てくるのも面白い!長年、真空管を用いたコンピュータを使ってきた月面ナチスがiPhoneに驚くのも無理はない。
だが、さすがは月面ナチス。それをすぐにモノにしてしまうのだ。
また、アメリカの大統領選挙に絡めているのも面白い。選挙ポスターが、総統のソレと同じデザインなのも、効いている。更に、選挙参謀に月面ナチスが着いたら当選は間違いない!
自国だけが優位に立とうとするアメリカと言う大国のエゴが、かつてのナチスのソレと大差なく見えてくる。そして、各国代表が月面ナチスに対抗すべく、ドーナツ状の巨大な円卓で会議を開くのだ。そこで繰り広げられる醜い争いは『博士の異常な愛情〜』のソレを意識した作りになっている。とても愉快だ。
また、70年進んだ月面ナチスのビックリどっきりメカも見所だ。UFOにタイガー戦車の砲台が付いて、実弾をぶっ放したり、母艦となる船はツェペリン号みたいな飛行船型。その動力源のほとんどが、蒸気機関と思われるメカなのだ!もう、リベット打ちされたボディと巨大なクランクでギア
が動くだけで、どうしてあんなにワクワクしてしまうのだろうか!
不謹慎と言われても構わない。月面ナチスはKawaii!(`_´)/
萌える映画だった。不謹慎は楽しいw
ストーリーはクソだけど風刺など楽しめる要素も
とにかくストーリーはクソ。
ナチスが月の裏側に生き残っている設定、世界観がとてもぶっ飛んでるのは良かった。
・ストーリーの評価できるところ
月面ナチスで育ったヒロインが、地球でチャップリンの「総統閣下」フルバージョンを見て、ナチスが如何なる歪んだ独裁政権かを理解し、いかにもアメリカンな黒人と共に、月面ナチスにある超巨大地球破壊兵器をストップさせる。まあご都合主義なところ満載ではある。
ナチスの戦力が全滅し、今度は地球軍の間で月面ナチスの保有するエネルギー資源の争奪戦が始まった。黒人はそれを見たからか、地球へ帰らなかった。基地を攻撃されて生き残ったナチスの前で、ヒロインとキスする。「黒人となんて汚らわしい」みたいな言い方をするナチスおばさん。「これから教育が必要ね」と黒人主人公に言うヒロイン。
「地球へ戻ってもエネルギー争奪戦でバカバカしい。そういうのと無縁な場所で普通の生活をしよう。」というある種制作者の願望みたいなものが伺える。この終わり方は評価できると思う。
・風刺
世界観だけではなく、評価したいのは世界各国の風刺表現である。
何者かが地球に攻めて来たため開かれた国際会議で、北朝鮮からアメリカまで、それぞれの国の発言が興味深い。
北朝鮮が「このUFO攻撃は我々によるものである」と言ったら、他の国々が笑い飛ばしたり、各国の戦争観、エネルギー資源への貪欲さ、兵器開発の隠蔽などなど面白おかしく揶揄している。
特にアメリカ大統領を単純バカで汚い言葉をバンバン使うキャラにしていたのがとても新鮮だった。核をあっさり使ってしまうアメリカ像は健在。
世界各国が結束してナチスを滅ぼしにかかった後、ナチスの保有するエネルギー資源の取り合いになり、各国の宇宙船が攻撃し合うところも叱り。
日本の宇宙船が特攻してる所とか、クスッとしてしまった。
資源の取り合いが始まると国際会議の部屋で乱闘が始まったのもかなり笑える。
で、音楽が切ないものになって、今度はこの悲しいエネルギー資源争奪戦、笑えないだろってなる。
エンディングでは地球のあらゆる場所に核が落ちて行く映像が流れ、どうやら地球はバッドエンドのよう。
「こんな風になってはダメだよ、マジ笑えないから」みたいな強いメッセージがあるような気がする。
・下ネタ多し
全体的に、アメリカ大統領とその選挙担当をはじめ下ネタ言う奴が多いけど、そのバカらしさに隠れる「笑えない部分」を読み取れば楽しめると思う。
・音楽
全体的に迫力あるハリウッドサウンド。
低音を強調していたり管楽器強めだったり。あとは空間を感じられるピアノとパッドサウンドを併用してる系も。
たまに古い歌モノが入り、破壊とか争いとかに、すごくマッチしていた。
どれも宇宙というスケールにピッタリの音楽だった。
単なるおバカ映画かと思ったら・・・
正直予告編を見た段階では「おバカ映画のドンパチもの?」と思ってあまり期待はしていなかったが、結果は良い意味で予想を裏切ってくれた。第二次世界大戦末期にナチスが月に逃れ、都市国家を築いていたという設定自体はおバカ映画には違いないのだが、上滑りのコメディではなく、気の利いた風刺映画の面も持っている。
ヴィヴィアン率いるアメリカ軍がナチスの月面都市に対して「アメリカはテロを許さない」と一般市民への無差別攻撃を強行したり、宇宙平和条約に反して各国(日本も含めて)が宇宙戦艦を持っているのを互いに「条約違反だ!」と非難し合ったり、密かにヘリウム3を確保していたことがばれたアメリカが「月はアメリカの領土だ。だって最初に旗を立てたから」と開き直ったりするところなど、大国のエゴをうまく俎上に上げている。
結局それが元で核戦争が勃発し、地球人類は(多分)滅んでしまい、旧ナチズムの誤りに気付いた心優しきレナーテ率いる新生ナチスが、人類の再生を担うという皮肉な結末を迎えるのだが、地球の上を核ミサイルの軌跡がゆっくりとはしり、その終端で核爆発の起こるシーンは一種のもの悲しささえ覚えてしまう。
最近の映画は女性キャラの強さが目立つが、この作品も3人(レナーテ、アメリカ大統領、ヴィヴィアン)の女性の存在感が際立っている。それに引き替え男性キャラはジェームズにしてもクラウスやリヒター博士にしても、もう一歩はじけ方が足りない感じで、あまり魅力を感じない(例えばもしジェームズをウィル・スミスが演じていればなどと思ってしまう)。
もちろん突っ込みどころは色々あるが(クラウス達が月面の6倍の地球重力下で何の苦も無く行動できたり、エニアック並みの機能しかないコンピュータ(真空管式?)で宇宙航行をしたり、「神々の黄昏号」のあの巨大なチェーンと歯車は、どんな仕組みでヘリウム3による核融合反応からエネルギーを取り出しているのかよく分からないなど)、それに拘るのは野暮というものだろう。
ビジュアルもしっかり見応えがあり、気楽に観るのにはお勧めの一品である、
独裁者あれこれ。
この本格的おバカSFに、SFファンやマニアはこぞって出資して、
約1億円のカンパを集めてしまったそう…あ~なんて平和なの^^;
どちらかといえば深夜のTVシリーズなんかでやりそうな感じを、
まさかの劇場公開に踏み切る強引さがまさにナチス、なのか?
某国(って隠すこともないか)への面当シニカル満載の風刺劇で、
いちいち台詞が凝っているので、かなりブラックに笑える内容。
でも観る人を選ぶことは間違いない作品^^;
たまたま観に行った回がガラガラで、お!貸し切りかと思ったら
あとからソロリ…と客足が。劇場入場者プレゼントを渡し忘れた
係員が、わざわざ座席まで持ってきたけど、こんなの要らないよ?
(ゴメンね)と思えるほどのカードごときで^^;この粗雑さがまたイイ。
ムリにお金を落としていただかなくても…(爆)っていう、
謙虚なのか上からなのか分からない、投げやり感もまたナチス的。
ストーリーはどうしたんですか^^;のあり得ない内容なんだけど、
使われる時代背景や台詞の数々、多くの名作をパロって賛美し、
SF的には(こっちは良く分からないけど^^;)スターレックとかいう、
スター・トレックをパロッた作品で名を知らしめた監督?らしくて
なかなか私的には面白かった。戦いの最中に国連会議っぽいのが
開かれてるんだけど、その現場がもうメチャクチャで、最後の動乱
までの展開もいちいちブラックなところが笑える。
もちろん知っている名前も多数登場、ちゃんと条約を取り決めたのに
アンタの国はなんで破ってんのよ!?的なところも明確すぎ^^;
でもアタシの国はいーのよ!なんたってアメリカなんだからねって、
誰かにソックリな女性大統領が堂々と宣言する場面、あーそうだね、
だからアンタの国はやられるのよね、って無言で返せること請け合い。
ここは笑えるというより、頷きながら苦笑い、といった感覚。
劇中で「チャップリンの独裁者」が使われているんだけど、
そのナチスはこれを都合のいい10分足らずの短編映画として編集し、
子供達に観せていたのだ。これには笑えた。
のちにアメリカで本編を観た主人公レナーテ(この人可愛くて美人)が、
こんなに長い作品だったのね…と打ち拉がれているのに大笑い。
閉鎖された世界で誤った情報教育を受けることの恐ろしさは、
日本人もあの拉致問題で帰国した多くの被害者の方を見て理解した。
おバカ映画とはいえ、さり気ないメッセージも活きている?
ナチスに拉致された黒人モデルのワシントンが、アーリア系白人に
されたのに気づかず、よぉ!ブラザー!って乗り込むところも好き。
あらゆるシーンでナチスを愚弄している本作だが、舞台がアメリカだ
っていう、先日観た(こちらもおバカな)ディクテーターと合わせて、
来る方も迎える方もどっちもどっち^^;ってやつでしょうかねぇ。
そもそもナチスの演説をまんま米大統領に演説させて大喝采って^^;
…目クソ鼻クソもいいとこだもんね。
(詰めが甘い脚本ながら発想は素敵。今作で資金稼いでまた次回作?)
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