「あの米大統領は、映画の中だけの話にして欲しい。」アイアン・スカイ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
あの米大統領は、映画の中だけの話にして欲しい。
制作のための予算確保に苦労していた所、ファンからの寄付が1億円も集まったと言う曰くつきの作品。
ナチの残党が、第二次大戦終了時に南米に逃げたという設定の映画に『ブラジルから来た少年』と言う作品がありますが、これは南米どころか、月の裏側までナチの残党は逃げてしまっています。そこで、独自に科学開発が行われているんですが、やっぱり、スティーブ・ジョブズの居ない月面では、iPhoneやiPadは実現していないんですね(笑)。でも、作中、月面ナチたちがスマホを指しながら、自分たちの作ったコンピュータよりも遥かに高性能だというのは、ある意味本当の話。アポロの頃のコンピュータよりも今のケータイ・スマホの方が遥かに計算能力が高いですからね。
ナチの残党という事だけでも充分パロディですが、アメリカ合衆国の大統領がサラ・ペイリンを思わせる容姿と言動で有ることも、パロディと言う作品設定に深みを(?)もたせています。いやぁ、そこは本当に映画の(しかもB級映画)中だけにして欲しいです。時代設定が、2018年と意外に近いのが怖いです。
その他、国連もパロディにされています。ただ、その際フィンランドだけ、宇宙条約を順守している設定だったんですが、製作国だからだったんですね。自国を悪くは言わないか。あと、宇宙空間での戦闘で、日本船が特攻攻撃するのはお約束なんでしょうかね?某国の事に触れるのは止めておきます。でも、諸国からはそう思われているのかもしれませんね。
製作国にドイツが入っているんですが、良く許可されたと思いました。ドイツにおいて、ナチは一律忌避では無いと言うことなんでしょうね。内容がナチ礼賛ではないので、大丈夫だったという事なんでしょうね。
設定は荒唐無稽で、ある意味、いや、そのままストレートにB級映画ではあるものの、見てみると、1億円を集めたと言うこともわかります。なんか、バカバカしい話が好きそうな人たちを惹きつける魅力を感じました。後編あるいは前日譚の作成も決定しているらしいです。