「死の臭いのする刺激に魅入られて」ザ・マスター グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
死の臭いのする刺激に魅入られて
フィリップ・シーモア・ホフマンとホアキン・フェニックスの競演、ずっしりと見応えがありました。
孤独な男達の魂の話でした。
いつの間にか、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる新興宗教のマスター、ランカスター・ドッドに気持ちをもっていかれました。
アルコール依存症のフレディが作る、どう見てもアブナいカクテル。弱い者には死をもたらしてしまうほどに危険なもの。それは、まるでフレディのよう。
ランカスターのカリスマ性と人柄で始まった集まりが、彼と解離しゆっくり変容してゆく中、その死の臭いのする危険な刺激を欲し、魅入られたのでしょうか。じりじりと痛いです。
ホアキン・フェニックスの、全く先の読めない狂気の演技が凄まじく呆気にとられてしまい、フレディの内面までは思いを致せなかったというのが正直なところなのかもしれない。
鑑賞する度に違う作品に感じるような気もします、時間をおいてまたぜひ観たいと思います。
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