「ザ・マスター (魂に取り付いて離れない夢のよう)」ザ・マスター ジョジョさんの映画レビュー(感想・評価)
ザ・マスター (魂に取り付いて離れない夢のよう)
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明らかに「ソウル・メイト」がテーマ。二人の男の絆は、肉親や夫婦や親友、あらゆる関係を超越して結ばれている。単なる親密さでもなければ、まして同性愛でもない。二人の間には妻を初めどんな異性も同性も誰一人、入り込むことはできない。
戦後すぐの1950年代、時代が求めていたカリスマ教祖と、飲んだくれの帰還兵。戦場からの心の傷を引きずる彼がひんぱんに狂暴化していたのは、アルコール依存症のせいではなく、抱えた闇をすくい取ってくれる唯一無比の相手=ソウル・メイトを求めながら見出せなかったからだと考えられる。
そんな「魂の伴侶」に出会うまで、人は心休まることなく、次々と相手を替えては、一生に一度遭えるかどうかわからない真のパートナーを探し続ける。エンディングに流れたChanging Partnersの歌でそれを知らされ、安らぎを得た主人公の顔に涙しながら、良き時代へ一気に引き戻された。
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