「映画に酔える作品」ザ・マスター arslustさんの映画レビュー(感想・評価)
映画に酔える作品
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「酔いから覚める」という言葉をアルコール中毒からという事と、宗教の教義への疑念や反発からという2つの意味で用いていたのかなとラストのシーンで感じて、そこで自分の中でこの作品がスッと落ちてきた気がします。
ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が素晴らしく、
船に切られて立つ2つの波の映像から始まる廻りめく物語を締めくくる最後の穏やかな2人きりでの会話シーンでの演技には本当に感動しました。
今、別れれば来世でも尚、敵であり続ける関係でありながらも、惹かれあう人と別れ、最後はまた一人で生きていく事になる両者ですが、彼らを表すのもまた、船に切られた2つの波であり、交わる事はないけれど、それぞれがずっと波が立つように強く生きていくのを象徴している様でした。
ジョニー・グリーンウッドの音楽は今作も良かった。そのシーンで流れてる音楽に、そのシーン内で流れてる音楽が合わさってくるみたいな所があって驚いたんですが、ああいう音楽演出って前々からあったんでしょうかね?
観終わって色々考えたり、感じたり出来る映画であり、映画としてのルックも物凄く魅力的なんでとても楽しめましたし、2回目が観たくなる映画でした。
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