「重低長」ザ・マスター クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
重低長
アメリカというお国柄、戦争出兵は良くある話で、
その都度、このフレディのような心神耗弱者は多くいるのでは?
と考えると、新興宗教はいつの時代にもあるとは思うが、
戦争終了のタイミングが一番信者獲得し易いのかも。
よく考えると、アメリカには細かい宗教が沢山あって、
狂信的で粗暴な集団に比べたら、
この「ザ・コーズ」はかなり紳士的な集団に見える。
それ故に、フレディの粗暴さは目立つ。
希望としては、もっと狂信的な集団に演出して欲しかった。
「マスター」トッドは魅力的な人間だが、インパクトに欠ける。
フレディがトッドに惹かれていくのは分からないでもないが、
それは「過去への旅」が一番の理由で、動機が弱い。
自分が日本人で、どうしても新興宗教の教祖のイメージは、
世間的に悪名名高い‘あの’人たち、
クンバカの人や、グルとかいう人、サイコーな人、
あのイメージが強すぎるから、
「マスター」に期待外れなのかもしれない。
互いが惹かれる理由も別れる理由も、
はっきりしてない所がモヤモヤ。
このPTアンダーソン監督が「ゼアウィルビーブラッド」の人だと気付いて、
一瞬見るのを躊躇った。
前作がつまらなかった訳ではなく、重くて長かったから。
今回も受けた印象は似ていた。
ただ前作も今回も、大人の喧嘩の生臭さはそのままだった。
喧嘩が笑えるのはこの監督作品と韓国映画に多い。
つまらなくはないが、スッキリしない話でした。
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