ムーンライズ・キングダムのレビュー・感想・評価
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うまく回っている群像劇
Mr.Foxがストップモーション以外アレだったので期待値低めで観たら当たりだった.豪華な脇役含めてうまく回っている群像劇.苦くて甘酸っぱい話にこの監督独特のガチャガチャ演出が合っててマル.
中学生に戻って恋とかしたくなっちゃう〜
画面に映るすべての光景が現実感の無いくらいにお洒落かつ可愛いモノであふれたあまりに美しい島での小さな恋のメロディー。
周りから問題児扱いされている、2人の男の子と女の子が起こす愛の逃避行に大人も子供も振り回される。
それだけでなく、ちょっとオマセで純粋な彼らの行動原理や哲学が周りの人間の価値観に影響を与える。
それは小さな心の揺れ動きなのだけど、鑑賞している側には大きくじんわりと波紋のように心を動かします。
いかにも文化系な映画で胸くそ悪い人も居るかもしれませんが、私は好きです。
一点謎なのは何故ウェス・アンダーソンってあっけなく動物を殺すギャグ演出をするんだろう?w
久しぶりに観た
一人映画に慣れ始めたときに観た作品。それまでの作品とは、まったく違ったカメラワークやストーリー展開にテンションが上がったのを覚えてます。
アメリカ版三谷幸喜のようにウェス監督には「グランドブダペストホテル」の次作も豪華俳優で製作してほしいです。
警部とサムの会話が僕と父親の会話に似てました笑
好き90%、嫌い10%という不思議な感覚に囚われる作品。
良かった。
流れるような室内の映像やファッション。
玩具箱を引っ繰り返したような楽しさ。
その独特の感覚に呑み込まれました。
また登場人物達の感情の昂りも良かった。
少年と少女の入り江での一時。
非常に好きな場面でした。
二人の「アンバランスさ」にグッときました。
残念だったのが随所に差し込まれる小ネタ。
特に終盤の雷は何かのオマージュなのかもしれませんが意味が分からず興醒め。
また時系列の組み合わせにも違和感を覚えてノイズになってしまいました。
好き90%、嫌い10%という不思議な感覚に囚われる本作。
ムーミン谷シリーズが好きな方は好きだと思います。
オススメです。
走りすぎたかな?
ウェス・アンダーソン節が極まってる感じですね。終盤の嵐のシーンなんて、相変わらず良い絵でした。
だけど、今回は、そうしたウェス・アンダーソン節が少し空回りしたかなって感じもしましたね。魔法にかけられたかのような、いつもの持っていかれ方が今回はあんまりなかったような気がします。
映画って難しいんだなぁ、と。
今年の次回作に期待だ!
おしゃれクソ野郎
ウェス・アンダーソン監督はすごく嫌いで、今回は見るつもりはなかったのだが、映画監督の菱沼康介さんが勧めてくださったので見た。
毎回、超めぐまれているのにちょっとした躓きで不幸気取りのクソ野郎を描いていたのだが、今回は孤児の少年という本格的に気の毒な主人公だった。
主人公は嫌われ者で、彼の行動に他の少年が感化されて応援していくようになる。それが大変静かなトーンで描かれているのであんまり心に響かなかった。おしゃれで気取っているところが目立ちすぎてイライラするせいもあると思う。
もっとサバイバルしているところが見たかった。
特に他人に親切でもなく、フレンドリーでもないのに注目を集めたがっているクソって感じがどうしてもぬぐえない。でもこれまでの作品よりは面白かった。
PG-12
カメラ構図と60年代レトロでファンタジーぽく見せているが、残虐、暴力シーンがあり、それを12歳コンビが進めていくから、ある意味、非常に怖い。
レトロを懐かしく感じても、構図、色合いがワンパターンの為、最後にはレトロも構図も飽きてしまう。
2回目
う〜ん。。
可愛いんだけど、何を伝えたいのかわからなかったなぁ。サムはかっこいいし、女の子(名前忘れた)は可愛いし、これから期待したいね!っていうかんじ。
ストーリーは謎だらけだけど、アート系映画?としては、見てて面白かったかな!
なによりブルースウィルスが出てるのもびっくりだし、なんだか不思議な映画だったなぁ。
これはWOWOWのW座で見たんだけど、最後の撮影協力で目黒シネマって出てきたから、何よりもそれに驚きました。。。
W座の映写室、目黒シネマを思い出すなぁ、と思ってたら、本当に目黒シネマだったのね。。
ますますWOWOWに入りたくなりました。
次回のW座も見たいなぁ!!
毎週日曜日9時?かな?どうだろう。
ウェス・アンダーソン印
ウェス・アンダーソンは自分のカラーをしっかり持っている監督だ。
映画で自分の美意識を貫いている。
シンメトリーな構図も、特徴的なカメラワークも健在。
ここまで徹底するってどんな性格しているのだろうか。
この映画に出てきた主人公のように小さな頃から自我を貫いてきたのだろうか。
そんなことを考えた。
でもこの映画はコムズカしい話じゃあない。
とてもチャーミングなストーリー。
難点を敢えてあげるなら
常連のビル・マーレー他大人の内面がほとんど描かれてない、とか
いつものように後半ドタバタが過ぎるんじゃないの、とか
いくつかある。
それを差し引いても愛らしい12歳の恋はチャーミングだった。
ウェス・アンダーソン映画が好きなら文句無く。
そうでなければオススメはしないかな。
大人の為の絵本
風変わりな作品で知られるウェス・アンダーソン。
その極みとも言えるのが2001年の「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」だが、もう一本、新たな代表作が誕生した。
1960年代、ニューイングランドの小島で、ボーイスカウトの少年隊員が脱走。しかも、島に住む少女と駆け落ち! 大人を巻き込み、のどかな島は大騒動に…!
独特のアンダーソン・ワールドに、メルヘンの味わいがプラス。絵本のようなファンタジックな雰囲気。
美術も衣装も小道具もカラフルでポップ、画面の構図もユニーク。細部に至るまでアンダーソンのセンスを感じる。
アレクサンドル・デプラのリズミカルな音楽も心地良い。
駆け落ちする少年少女、サムとスージー。お互い問題児。
孤児のサムは里親にもボーイスカウト仲間にも嫌われ、スージーも家族に反抗してばかり。
この二人の“小さな恋のメロディ”はちょっと変わってるけど、とってもピュア。
そのピュアな姿にボーイスカウトの少年たちの心も動き、一度は連れ戻された二人を助ける。
それとは真逆に大人たちは、不倫していたり、しょぼくれていたり、頼りなさげだったり…滑稽で皮肉たっぷり。
この映画は、純粋な心を忘れた大人の為の絵本なのだ。
主役の二人の子役が見事。
サム役ジャレッド・ギルマンの何処にでも居るような眼鏡少年ぶりがイイ。
スージー役カーラ・ヘイワードはおませで小悪魔的な魅力を振り撒く。
周囲の大人たちに、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ハーヴェイ・カイテルら豪華キャスト。いずれも作品に溶け込んでいる好助演。特に、ウィリスはしょぼくれ警部役で新たな一面を見せ、役柄的にも美味しい。
キュートでハートフルでちょっとシビア。
クセになってしまいそう。
アンダーソン・ワールド、健在!
キュートな想いが胸を締め付けます。
正直に言うと、私には面白くありませんでした。
「エドワード・ノートンが好き」、との理由だけで鑑賞したのがいけなかったのかも知れません。
作品は、そこはかとなくオシャレな雰囲気があります。
時代背景や、ボーイスカウトを題材にした話は面白そうで興味を引きます。しかし、ユニークな演出が目に付いて仕方ありませんでした。
例えば、映像は俯瞰の構図を殆ど使わず、横からのショットをメインで物語が進行していきます。
まるで絵本や舞台劇を見ているかのような感覚を覚えます。
ですが、それはもう見る側の好みによって有りか無しかになるだけです。
好きな方にとっては良いかも知れませんが、私には「?」でした。
この監督さんの、いつもの手法なのでしょうか?
それとも、作品の芸術性の一環なのでしょうか?
全体に漂う印象を端的に説明すると、淡い恋…ノスタルジック…大人への階段…いやいや駄目です。
しっくり来る言葉が見いだせません。
やはり、私はこの作品を理解して楽しめていないです。
純真無垢な、子供時代に浸りたい方にオススメです。
必死の初恋物語、可愛くて切なくて
こだわりの整った映像、観終わってプチ贅沢した気分になれました。
いつも"家族“というものへの思いを再確認させてくれるウェス・アンダーソン監督作品。本作も良かったです。
狭い世界の中での、幼い二人の駆け落ち騒動。必死の初恋物語が可愛くて切なくて。
共同脚本のロマン・コッポラらしさが効いてるんでしょうか、ロマンティックでとても良かったです。
結婚て愛の成就だけじゃなく家族を作ることなんだよなぁ、じわっと温かい気持ちになったりして。
登場人物の渋い表情、わずかな揺らぎに心がギュッとつかまれます。主役の二人も、ボーイスカウトの仲間達も良かったです。
反逆児スージーちゃんを演じたカーラ・ヘイワード、終盤に向けてどんどんヒロインらしく輝いてました。
ブルース・ウィルス、フランシス・マクドーマンドは流石でした。
「小さな世界が大いなる世界への扉を開いたらどうなる?」
舞台感覚、箱庭的質感、スモールな世界で繰り広げられるスケール感の広い内容。
「小さな世界が大いなる世界への扉を開いたらどうなる?」という感じの、なんか、こう、寓話的というか。
うん、実に不思議で実に分かり易い(?)映画でした。
この映画を観た方なら分かると思うんですけど、全編に散りばめられてる技巧というか、ギミック?仕掛けというかね、相当量あるじゃないですか。その手法が映画の全体を占めてますよね。
で、そういうのって必然性があったの?なかったの?みたいなことを考えてしまうと、人によって意見は違うと思うんですけど、多分居らないんでしょうね。
でも、なんて云うかな。
居らないからこその必要性というか。
舞台装置といえばいいのか。
在るから楽しいというか。
この映画の主人公、サムとスージーのズレた者同士がお互いに感じたシンパシーは、きっとこういう奇妙な必然性から成り立ってる、みたいな?
んー…違いますねw
でもね、このサム&スージー。
最初の出会いから幾度となく交わされた文通によって、いつしか固く結ばれてしまった訳ですよ。愛の絆がね。もう離れられないというね。
何度行く手を阻まれようと誰も引き裂くことが出来ないぐらいに強固。
例えるなら、それはボニー&クライド、カート&コートニー、ジョン&ヨーコ、シド&ナンシー、佳祐&原坊、etc、etc…。
これこそ愛の逃避行。
この箱庭的空間は、彼らの小さな世界の縮図。そこをいつか突き破る。突き破ってみせる。まさに「小さな世界が大いなる世界への扉を開いたらどうなる?」という、メタ構造な訳ですよ(メタ構造って意味よく知らないで使いましたけど)。
そんな感じの映画でした。ハイ。
この監督の映画は観ていないけれど。
観るまでは小さな恋のメロディーのようなものを想像していたが、
独特の世界観。古き良きアメリカの雰囲気がでていてよかった。
俳優陣もとても豪華でいながら控えめなところもよかったし。
双眼鏡は魔法の窓♪
60年代のニューイングランド島で起こる、夏の事件の顛末。小さい島の小さい人間関係の中で、浮いちゃってる「脱退」スカウト少年と、同じく問題児扱いの少女。ふたりがとった行動は…。
覗いて観る手回しムービーかと思うようなキッチュな色合いが可愛いです。
脇を固める「大人」役の俳優陣がハマり役すぎて笑えます。
みんな不器用。そこがいいんです。
音楽の使われ方が面白いです。エンドロール始まってもすぐ帰らないで、ぜひ最後まで耳でも楽しんで下さい。
それにしてもニューイングランドって変なの(かなり好きなタイプですが)が定期的に登場する舞台のように思える…。
アンダーソン監督の作り上げた箱庭世界に、ビッグスターも楽しく溶け込んでいるのが凄い作品。
物語の舞台は1965年、米ニューイングランド沖の小さな島。ボーイスカウトのサムと家出をしたスージーは、秘密の場所を目指して駆け落ちします。大人たちを巻き込んで、島中の人々がふたりを捜しはじめるというのがメイン。
おかしいのにどこか切ないコメディを作り続けているウェス・アンダーソン監督作品。それだけに「小さな恋のメロディ」の変奏曲ともいえるような10代の男女の淡い恋の物語でも、アンダーソン監督の手にかかると、まるでお伽話の世界を覗いているかのようなメルヘンにしまいます。悪人なしで閉じる結末もじつに気持ちがいいし、そんなハートウォームな雰囲気を、出演者たち(実は、なにげにビッグスターが多数出演している)が童心に返って実に楽しそうに演じていて、見ている方も心地よくなります。
ともすれば、駆け落ちを巡るドタバタになり易いところを、ほどよくケレン味を押さえて、登場人物たちに感情移入してしまいやすい作品になりました。
最近こころがささくれている人にはぜひお勧めしたい作品です。きっと眠っていた豊かな情感がこみ上げてくることでしょう。
さて、お伽話みたいに見える仕掛けてとして、アンダーソン監督は様々な仕掛けが施されています。郷愁を誘う色調の映像、魅惑的な自然のロケーションもさることながら、人形の家のようなスージーの自宅、男の子的なものをぎゅっと集めたスカウトのキャンプ、つつましい島唯一の交番。次第に映画の舞台が箱庭みたいに見えてくるのです。
そして駆け落ちしたふたりが向かった小さな入江で、そこを「ムーンライズ・キングダム」と名づけ、愛の王国を営みはじめ場面は、まさに思春期のままごとの世界。初めてキスを交わすところや、スージーが胸を触らせようと導くところが、初々しいのです。
箱庭といってもチマチマしたものではありません。映画冒頭、耳に飛び込んでくるブリテンの「青少年のための管弦楽入門」のように、一つ一つ緻密に計算された映像が積み重なって、アンダーソン監督ならではの叙情に満ちたアンサンブルを奏でるのでした。それだけ登場する少年少女たちののロマンチックでみずみずしい心情描写も素晴らしかったのです。
しかし、周囲が二人を放っておくはずはなく、島をめぐる大いなる追っかけの果て、「ムーンライズ・キングダム」は見つけられてしまい、ふたりは別々に。ところがここで見せる、サムのボーイスカウト仲間たちの友情が素晴らしい!あれほど嫌っていたサムだったのに、でもやっぱり仲間の窮状はほっとけないと一致団結し、サムとスージーを引き合わせて、再び駆け落ちさせるのでした。
ふたりの捜索網は拡大し、隣の島のボーイスカウト本部を巻き込んだ大掛かりなものとなります。そこへ嵐がやってきて、島全体がパニックに。ここからの逃走劇は、なかなかハラハラさせる冒険劇に変わっていきました。
追っ手が迫るなか、嵐の海に命懸けで飛び込もうとするふたりを、シャープ警部が自分を信じてと止めます。そしてサムに放ったひと言には、そこまでこの孤独な少年のことを思っていたのかと胸が熱くなりましたねぇ。さすが「ここ数年で一番の演技」とアメリカで評判になっただけのことはあります。駆け落ちの顛末も凄く後味のいいものでした。
さて、本作はエドワード・ノートンが、あり得ないような冴えないボーイスカウト隊長を演じていたり、なかなか本人と気付かないほどイメチェンしてシャープ警部を演じたブルース・ウィリスが出ていたりと、さりげなく大物が出演しています。けれども彼等は個性を主張せず、アンダーソン監督の作り上げた世界に強調しているところが見事でした。それでいて、トップスターならでは演技力が物語にぐっと効いているのです。
2時間のお伽話は、短編に思えるほどあっと終わり、あれよという間にエンディングクレジットを迎えます。このエンディングロールは、なかなかデザインと音楽に凝っているのでた最後までお見逃しなく!
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