「ほろ苦いフレンチです」大統領の料理人 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
ほろ苦いフレンチです
クリックして本文を読む
フランスのフランソワ・ミッテラン大統領のプライベート・シェフとして1988年から2年間仕えたダニエル・デルプエシュの実話に基づく映画。映画化に際して、(もちろん大統領が不在の時ではあるが)実際のエリゼ宮でロケを実施した。
パンフレットから受ける印象としては、フランス大統領官邸初の女性シェフが、周囲と上手くやって、ハッピーエンディングと言う感じだったんですが、必ずしもそうではありません。むしろ、人生の苦い厳しさを感じる内容になっています。冷静に考えて見れば、周囲とも全てうまく行き、成功していたのであれば、2年という短期間で辞任するわけはありませんよね。
まぁ、そう言う人の嫌なところは置いておいて、オルタンスも大統領も、何ともチャーミング。そう言う所を重点的に描けないのが、実在の人物を描いた作品の辛い所。そう言えば、オルタンスは、チャーミングなだけではなく、バイタリティ溢れる人物でもあります。作品冒頭、いきなり南極地域の映像から始まった時は、何が起きたのかと思いました。2年で大統領官邸を辞任してから、南極観測隊の料理人として1年間、南極に居たんですね。凄い。
いやぁ、それにしても、フランス人の食事に掛ける意気込みは凄い。大統領官邸が食事にこだわるのは当たり前として、南極観測隊の食事も、「さすが美食の国フランス!」と言う様な料理ですからねぇ。実は、お昼前に見たんですが、お腹が減って仕方ありませんでした(笑)。
美味しいけど、ほろ苦い映画です。
コメントする