「突っ込みどころ満載も妙にスッキリ」悪の教典 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
突っ込みどころ満載も妙にスッキリ
なんだろうこの、観た後のなんとも言えないスカッと感は!
猟銃で撃たれた生徒たちが吹っ飛びまくってて、終盤やや吐き気を催しつつも、
でも内容的には微妙。
学校内にはびこる腐食(淫行、モンペ、カンニング)を排除するために殺人をするというハスミンの意図は分かる。
が、作品として観客に何を伝えたかったのか?というテーマが伝わってこなかった。
悪いことするとひょっとしたら殺されちゃいますよ、っていう脅迫?
完璧なサイコパス相手には理性も情もあったもんじゃないという教訓?
結局ピンと来ないまま終わってしまった。
それから、生徒たちアホ過ぎ。
後でひっそり行けばいいのにわざわざ朝礼中に目立つ形で一人で教室に行ってハスミンにバレたり(染谷!)、そっち向いてないのにギャーギャー叫んで自分から注意を引きに行ったり、死んだと思われてるんだからそのまま死んだふりしとけばいいのにわざわざ話しかけたり、せっかく脱出したのに愛のために戻ったり。
さらに、あれだけ機材や大道具があるんだからもっと「身をひそめる」という選択肢があったでしょうよ!とか思ってしまってもう突っ込みどころ満載。
でもそれが高校生か。それが若さか、青春か!そうだよね私はもう忘れちゃったよ!
キャストは染谷将太、二階堂ふみ、松岡茉優がグッド、グレイト、マレフィセント!
ハスミン役も伊藤英明で良かった。
前半のいい教師描写が長過ぎてちょっと間延びしたせいでサイコパス感があんまり伝わってこず、ハスミンっていうか伊藤英明として観ていたから現実味&怖さ半減。
スプラッターとか苦手な私にはそれくらいでちょうど良い。
下手に全然有名じゃない俳優さんとかだったら、妙にリアルで印象が変わったかも。
試写会で、大島優子が途中退席した映画ってこれだったっけ?
映画そのものの明確なメッセージ性がない(あるいは伝わってこない)時点で完全なエンターテインメント作品だから、ちょっと過剰反応に思えるなぁ。
マインスイーパーソリティアやりながら観る、そんなテンションでいいっしょ。