劇場公開日 2012年5月12日

「みんなが爆弾なんかつくらないで、きれいな花火ばかりつくっていたら、きっと戦争なんか起きなかったんだな。」この空の花 長岡花火物語 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0みんなが爆弾なんかつくらないで、きれいな花火ばかりつくっていたら、きっと戦争なんか起きなかったんだな。

2015年1月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

幸せ

「時をかける少女」「ねらわれた学園」などの青春SF、尾道三部作、青春映画の至宝「青春デンデケデケデケ」…多くの名作で知られる大林宣彦。
実験的な作品やユニークな手法の作品も多く、本作はその類。

空襲。
模擬原子爆弾の投下。
中越地震。
幾多の人災や天災に見舞われた新潟県長岡市。
その一方で、東日本大震災発生時は福島県南相馬市の避難民をいち早く受け入れ、そして長岡花火が打ち上がる。
「長岡の花火を見て欲しい」という元恋人の手紙に心惹かれ、長岡を訪れた新聞記者・玲子は、不思議な体験をする…。

あらすじだけ聞くとドラマチックな内容だが、フィクション、ドキュメンタリー、演劇、一部アニメーション挿入などあらゆる表現法を駆使。
膨大な台詞の応酬、延々と流れ続ける音楽、説明的な字幕、突然カメラ目線で語りかける登場人物。
過去と現在が交錯、展開がめぐるましく入れ替わり、幻想的なタッチで160分の長尺を見せきる。
大林宣彦の意欲的な精神に圧倒され、見た後放心状態になるも、心地良い余韻が残る。

かつて長岡の空は、空襲や模擬原子爆弾の投下で、今も人々の脳裏に戦争の傷痕が残る。
その空に咲く花。
長岡花火は平和への祈りと願い。
人々の込められた思い。
長岡に空襲があった事を知らなかった。模擬原子爆弾の存在すら知らなかった。
しかし、決して忘れてはならない長岡の記憶。

松雪泰子、高嶋政宏、原田夏希、笹野高史、柄本明、富司純子ら豪華キャストの中、とりわけ印象を残すのが、一輪車の女子高生。
物語上でも不思議な存在なのだが、終始一輪車に乗り、まるで自分の足のように自由自在に操り、スッゲェ〜!

近大
こころさんのコメント
2021年4月26日

近大さん
コメントへの返信有難うございます。
地元のニュースキャスターで特技が一輪車👧🏻
そうなんですね👀 さすが、お詳しいですね✨
大林宣彦ワールド、嫌いではないです。
編集にも時間が掛かってそうですね。

こころ
こころさんのコメント
2021年4月26日

近大さん
何故少女花は、終始一輪車に乗っていたのでしょう?
異世界的なニュアンスを漂わせたかったからでしょうか🤔

こころ