天使のたまご

劇場公開日:2025年11月14日

解説・あらすじ

押井守が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品で、天野喜孝をアートディレクターに迎えて描いたファンタジー。1985年にOVAとして発表され、一部の劇場で公開された。

大きなたまごを抱えた少女は、廃墟の町できれいなガラスのビンを集めながら暮らしていた。ある日、少女はどこからともなくやってきた大きな銃を抱えた少年と出会い、2人は行動を共にする。いつかたまごから天使がかえると信じる少女と、夢で見た“鳥”を探す少年。互いに心を通わせ始めたかに見えた2人だったが、ある晩、少年が少女のたまごを砕いてしまい……。

少年の声を根津甚八、少女の声を兵藤まこがそれぞれ担当。限りなくモノトーンに近い色彩、わずかなセリフ、異例の長回しや通常のアニメーションの約3分の1という少ないカット数で、幻想的な世界をさまよう少年と少女の姿を描いた。公開40周年を迎えた2025年、押井監督の監修のもとで4Kリマスター化され、第78回カンヌ国際映画祭のカンヌクラシック部門で上映。

1985年製作/75分/G/日本
配給:ポニーキャニオン
劇場公開日:2025年11月14日

その他の公開日:1985年12月22日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ

映画レビュー

3.5 自分で感じ考える楽しさ

2026年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

40年前の制作時にビデオでみて衝撃を受け、今みたらどう感じるかなぁと劇場へ向かったものです。

「とにかく幻想的で美しく、象徴的でどうとでもとれて、ラストでゾッとする」という淡い記憶がありましたが、だいたいそんな感じでした。記憶よりたくさん台詞があったなぁという印象です。
こんなに古い作品なのに、画がきれいで音が鮮明だったので、ファンタジックな作品世界を堪能できてよかったです。さすが4Kリマスター。
内容については好き嫌いが分かれるところでしょうが、私はああかなこうかなと考え続けられるのが楽しかったです。
最近はなんでもパパッと正解が欲しいという方が多いご時世ですが、人によって考えが違って当然ですし、受け止め手次第ではないでしょうか。時には解説(台詞も含む)なしの作品に挑んで、自分がどう感じ考えているかを自分の言葉で表してみるのもいいと思います。
(AIにきくのではなく…)
若い人たちにみて欲しい作品です。

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かつのじょう

3.5 残すべき作品、でも手放しに褒められない、けど素晴らしい

2025年12月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

斬新

天野喜孝をアートとしても堪能出来る素晴らしい作品
某果てしなきアニメ映画で、整合性がない、説明不足、なんで恥ずかしがってるの?と怒っている人は観れないかも。
答えが明確に用意されているわけでもなく、整合性もなく、暗い背景が続く世界観です。

ネットには解説もありますが、解釈は人それぞれ、まずは観て、感じてほしい

映画館の大画面に鮮明に一つ一つ刻まれた緻密な線、重い影色、セル特有の無骨なのに優しい色合い
小林七郎の背景は力強いタッチと闇の中であっても安明をもたらす表現の緩急が素晴らしい
暗い背景に、ぽうっと、まるで光っているように美しい肌色 大きな目に、瞬けば音を立てそうな長く繊細なまつ毛
テレビ画面では味わえない豊かな表現が堪能できます。

人は信じたいし安心したい。勇気を持って信じてみたら、信頼されてしまった人はどうするのがいいのでしょう

当時のOVAでは莫大な予算を注ぎ込みましたが興行は振るいませんでした。押井守は仕事を続けなければ生活出来ない状況となり沢山名作が生まれます…これも因果ですかね。
この映画の世界と重なって見えます

費やした手間、特に作画、撮影、特効に置いてはその手間の割に売り上げだけでなく、表現できたことも少ないかもしれません。しかし実際に試してみた、やりきった、世に出した、それは素晴らしい功績。この作を表現する為に現場がアイデアをだしあって試行錯誤して学んだことは多く、それは今後の商業作品、アート作品の財産となっているでしょう

没入感に今ひとつ達しないのは音楽が大きい。音楽がもっと静かなら、無理に感情を引き出そうとしなければ、没入感が得られたのに、なんならセリフをもっと減らしてもよかったかも
そこだけ減点

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はりきりハム

5.0 正確

2025年12月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ゆうせいだお(YouTuberr)

4.0 おそらく公開当時とは観客の受け取り方が変化しているであろう点も含めて、現在鑑賞する価値が大きい一作

2025年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この物語を当時と同じ描写で作るのは、今となっては難しそう…、という鑑賞感でした。

『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』(1984)でアニメファンから高い評価を受けていたとはいえ、新進の映像作家の一人だった押井守監督が手掛けた本作は、天野喜孝のアートデザインも相まって、不気味で耽美的だけど不思議な余韻を残す作品です。

独特すぎる世界観と、それを説明する描写や台詞の少なさゆえ、公開当時多くの観客が戸惑い、結果的に本作は興行的には振るわなかったとのこと。

テーマを理解する難しさは今も変わらず、なんだけど、その後の『パトレイバー』シリーズや『攻殻機動隊』を手掛けた巨匠の初期作ということを踏まえれば、この時点からすでに作品作りを絶対妥協したくない、という強い意志を貫いていたこと、そしてその後手掛けた数々の名作の萌芽が本作に宿っていたことに気づかされます。

公開当時は本作に宗教性を見出す評論もあったようですが、現在の視点では、幼さが際立つ少女(声:兵頭まこ)に巨大な卵を抱えさせる、つまり妊娠期の女性を連想させる姿で描くところに、宗教性よりもまず倒錯性を感じてしまうし、彼女に同行する兵士と思しき青年(声:根津甚八)の存在も、少女の庇護者というよりも未成年につきまとう成人男性、という危うさを感じてしまいます。

こうした見方は、当時前景化しなかっただけなのか、あるいは公開から40年経って、観客の受け取り方が変わったのか、一考を要するところですが、現在、同じような描写で本作を作り直すことは難しいでしょう。その意味でも、リマスターという形で本作を観ることができる機会は貴重でした!

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yui