天使のたまご

劇場公開日:

解説・あらすじ

押井守が原案・脚本・監督を務めたオリジナル作品で、天野喜孝をアートディレクターに迎えて描いたファンタジー。1985年にOVAとして発表され、一部の劇場で公開された。

大きなたまごを抱えた少女は、廃墟の町できれいなガラスのビンを集めながら暮らしていた。ある日、少女はどこからともなくやってきた大きな銃を抱えた少年と出会い、2人は行動を共にする。いつかたまごから天使がかえると信じる少女と、夢で見た“鳥”を探す少年。互いに心を通わせ始めたかに見えた2人だったが、ある晩、少年が少女のたまごを砕いてしまい……。

少年の声を根津甚八、少女の声を兵藤まこがそれぞれ担当。限りなくモノトーンに近い色彩、わずかなセリフ、異例の長回しや通常のアニメーションの約3分の1という少ないカット数で、幻想的な世界をさまよう少年と少女の姿を描いた。公開40周年を迎えた2025年、押井監督の監修のもとで4Kリマスター化され、第78回カンヌ国際映画祭のカンヌクラシック部門で上映。

1985年製作/75分/G/日本
劇場公開日:1985年12月15日

スタッフ・声優・キャスト

監督
原案
押井守
天野喜孝
脚本
押井守
製作
徳間康快
企画
山下辰巳
尾形英夫
プロデューサー
三浦光紀
和田豊
小林正夫
長谷川洋
アートディレクション
天野喜孝
美術監督
小林七郎
レイアウト監修
小林七郎
作画監督
名倉靖博
撮影監督
杉村重郎
編集
森田清次
音響監督
斯波重治
作曲
菅野由弘
音楽監督
菅野由弘
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映画レビュー

4.0刺さる人には刺さる

2023年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

シュールレアリスム作品。非常に抽象的で難解。
だが美しい。制作陣の覚悟が感じられる、正に芸術作品。

刺さる人には刺さるだろうし、刺さらない人には刺さらない。
それだけ。

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Gozzi

2.5私にはまだ

2023年8月10日
スマートフォンから投稿

悲しい

難しい

17の私にはまだ難しかったかも。セックスして大人になってしまったのは分かった、くらいだった。雰囲気はすごく好き。戦争モチーフにしてると思ったら違うのかな?セリフは抜群に良かった。やっぱり多少のわかりやすさがないと駄目なんだなー絶対伝えたいことは良いのに。大衆受けで作られてないと思うからなんとも言えないけど。

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ぽぽ

4.0アートに振り切ったアニメ史に残る作品

2023年7月1日
スマートフォンから投稿

3回観ました。
1回は、20代の頃にレンタルビデオで、3年前くらいにもう1回、3回目はごく最近アマプラで。

ストーリーというストーリーはなく、純粋にアートワークを鑑賞する作品です。

全くの架空の世界が、これだけ統一されたひとつのイメージで細部まで作り上げられていることに、とても感銘を受けます。
冷たく、寂しく、奇怪で、美しいです。

天野喜孝のデザインももちろんですが、菅野由弘の音楽も、他のアニメでは類がないくらい真剣で芸術的だと思います。
あのテーマが、ずっと耳に残ります。

徳間書店がこの企画を通したのは英断だと思いました。
今ならあり得ないでしょう。

押井監督は「タルコフスキーのような映画にしたかった」という主旨の話をされているらしいですが、意外でした。
押井監督は作中でやたら長い意味深で説明的なセリフを多用する印象で、暴力描写も大好きな人なので、タルコフスキーとは全く異なる資質と感じていたからです。

ここまでアートに振り切った(そこそこメジャーな)アニメは他に存在しないように思え、やはり日本のアニメ史に残る作品だと思います。

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けやき