「REC無し、GENESISも無し……。恐怖度、前作比33%」REC レック3 ジェネシス 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
REC無し、GENESISも無し……。恐怖度、前作比33%
謎の感染症によるパニックをPOV(主観視点)で追うスペイン製ホラーの3作目。
今回は開始30分でPOVじゃなくなるという大サプライズがあったが、
録画を止めてからも初めの内は手振れの多い映像だったり、随所でPOVを使いこなしたりしてたので、
『ノンフィクション寄りのフィクションみたいな
路線でいくのかなあ、それはそれで面白いなあ』と考えていた。
が……
話が進むに連れてだんだんその映像表現も薄れ、ありきたりなゾンビ映画みたくなっていき、
終盤は「これ別に『REC』じゃなくても……」と思いながら鑑賞してましたよ。う〜む。
いや待てよ、と。
今回は副題に『ジェネシス(起源)』と付いてるじゃないと。
つまりはこの映画のラストが例のアパートに繋がったりするのか?
あるいは最後に感染源についての新たな事実が明かされるのか?
『新型アルツハイマー治療薬によって狂暴化したチンパンジーが感染源』
とかの驚愕の真相が明かされるのかも知れない!!
(↑『ジェネシス』違いだし最終的に悪魔関係無い)
そんな淡い期待を抱きながら最後まで鑑賞したが……
あ、あれれ。終わ、終わっちゃった?
うおいいいッ、結局全然何にも関係無かったんかいいいいッッ!
もう全身全霊でツッコミ入れたくなるほどに、
レック(撮影中)でも無ければジェネシス(起源)でも無かった訳で。
ま、奥さんがチェーンソーでザッパザッパと感染者を斬り倒す展開や、
夫が聖人の鎧を着て闘うというギャグスレスレの展開は、
そもそもリアリティと緊迫感を生み出すアイデアである筈のPOVでやったら不釣合いも良い所か。
メキシコ人ウェイターと並んで歩く場面とか“スポンジ・ジョン”とかは
もうギャグ以外の何物でも無いんだけど……
完全にフィクションと割り切って、ブッ飛び展開を次々盛り込んだのは潔いとも言えるかもですね。
それに、唯一の共通点である感染者は相変わらず怖い。最初の暴走叔父さんなんて特に。
近頃はこんなゴア表現満載の正統派スプラッタ
(血しぶき)ホラーを大スクリーンで観られる機会は少ない。
『REC』シリーズである事を忘れてしまえば、
旧き良き大安定のスプラッタとして楽しめると思うので、
その手のホラーが好きな人なら劇場で観る価値アリかも。
個人的にはスプラッタホラーは好きでも嫌いでも無いので、判定2.5といった所。
続編は……もう止めときません?
<2012/6/9鑑賞>