「世界で一番好きな格闘映画です。」ザ・レイド コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)
世界で一番好きな格闘映画です。
麻薬王が支配する犯罪者だらけの高層ビルに、SWAT部隊が突入する――。インドネシア発のアクション映画。
犯罪者をなぎ倒しながら上階へ進み、頂上にいる麻薬王を捕らえようとするシンプルな物語ですが、本作の真価はその圧倒的な格闘アクションにあります。
主人公ラマを演じるイコ・ウワイスさんは、実際の武術家でありシラットを体得しています。彼が見せるハイスピードかつ切れ目のない連撃、特にチェーンパンチの迫力は圧巻。華麗な身のこなしに加え、トンファーを使った戦闘や肘を主体とした攻防など、他作品では見られない独特のスタイルが魅力です。
更に、ボスキャラのマッドドッグ役:ヤヤン・ルヒアンさんもシラットの使い手であるため、"イコ&アンディ" vs. マッドドッグの2対1の死闘は、本作最大の見どころと言ってよいでしょう。
イコとアンディの激しい連携、ハンデを感じさせないマッドドッグの圧倒的な捌き。立ち合い状態からの殴り合い。互いに倒れた状態からの蹴りの応酬、膝立ちになったマッドドッグへ左右からローキックを叩き込み、それでも捌いてくる攻防……。
三人の位置が目まぐるしく入れ替わり、首絞めや膝蹴りなど多様な攻撃パターンを混ぜあわせた戦闘が、一瞬も途切れません。
序盤は三者とも華麗な動きを見せていたのが、時間が経つにつれて被弾が増え、相手の頭を無我夢中で叩き続ける――そんな余裕をなくす描写もリアルで魅力的です。
殺陣、カメラワーク、シチュエーション、決着までの流れ、どれを取っても最高峰で、個人的には世界で一番好きな格闘シーンだと言い切れます。
10年以上前の作品ですが、格闘アクション好きなら必見の一本です。
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