「バトルフィールド・アパートメント」ザ・レイド 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
バトルフィールド・アパートメント
闇社会の大物が牛耳る雑居アパートを急襲し、
その大物を逮捕・連行せよ——
ただそれだけのシンプルな設定ながら、各国の映画祭で大好評を得、
全米公開&ハリウッドリメイクまで決定した、インドネシア発のアクション大作。
R15+指定に相応しく猛烈に痛いシーンが満載なので、
そういうのがニガテな方は要注意と初めに断っておきます。
しッかしまあ、聞きしに勝る凄まじいアクション映画!!
これ、ハリウッドの俳優さんを使ってリメイクなんて土台無理だと思うんですけど。
なんといっても見所は、
格闘術シラット(というらしい)を織り交ぜた、
打撃・斬撃・銃撃が切れ目なく連続する怒涛のアクション。
格闘技には疎いのでうまく説明できないが、
とにかくヒジとヒザの動きがスッゲエ。
右ヒジで相手の拳を防いだ瞬間に左ヒジを相手の顔面に入れたと思ったら
腹にヒザを叩き込んで敵が屈んだ途端に首を掴んで背後の床に叩きつける
みたいな動きをものの2秒でこなすんである。
攻撃と防御の境目がサッパリ分からないほどの高速アクションに、場内では時々笑いが起こったほど。
いや、スゴすぎて笑うしかないんすよ、ホント。
敵が床に倒れ込むまでに壁に5回くらい頭を叩きつける所なんて爆笑しそうになった。
警棒とナイフで敵を次々薙ぎ倒す圧巻のシーンや、
最強の敵マッドドッグ(なんつう名前)との対決など
壮絶な見せ場がこれでもかと登場。
また、銃撃戦が主体の序盤から軍事アクションのようなピリピリした空気が漂っているし、
敵から身を潜めて行動するシーンは息詰まりそうな緊迫感(それを煽るスコアも◎)。
物語が進むにつれて意外な裏切り者や協力者が登場したり、
アパートという限定空間を活かした展開もあったり、
思った以上に展開が凝っているので、アクション一辺倒で飽きてしまう事も無かった。
……と言った端から何なんですが……
アクションシーンは最初から最後まで超壮絶だが、
常にテンションがマックス状態のアクションが続くので、
僕の場合は流石に最後の方で少しばかりダレてしまった。
個人的にはそこだけがホントに惜しい点。
序盤はちょっと迫力を抑え気味にして、
徐々にテンションを上げていくみたいな感じにしてたら……
いやいや、これだけ興奮させてもらっておいて贅沢言ったらバチが当たりますね。
格闘アクション映画が好きな方なら、全力でオススメ!
<2012/11/18鑑賞>