ソハの地下水道のレビュー・感想・評価
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戦争とはこういうこと。
実話を題材にした原作ロバート・マーシャル同名書籍の映画化。
悲惨な映像にもテンポがあり観やすくわかりやすい。
ユダヤ人を助けたポーランド人はソハを始め6千人以上に登る。
戦争とはこういうことです。
2014.4.23
時間以上に長く感じた
時間以上に長く感じた。途中からほとんど眺めているだけ、という感じで全然入っていけなかった。
なので、あんまり感想がない。
そうなった理由を書くと、全体的に音声が聞き取りづらいのだ。ぼそぼそしゃべるシーンが多いし、声低い役者ばかりだし、と思って音量あげたら物音は大きい。
たぶん、反響音を抑える(高音域を下げる)必要があってそうなっているんだろうけど。
ちゃんと見れていないので評価なしの2.5。
せっかく中身のある映画なのに
ベッドシーンで台無しにしている気がします。
私が苦手なせいも有るでしょうが、いくつものベッドシーン、生々しすぎる出産シーンがしんどくて、繰り返し観たり誰かにオススメしたりは出来ないです。
すべてにおいて観るべき映画です。
歴史や人権や人間の本質やらを学べると思う。実話を元に作った映画だが綺麗事無くほぼ真実に描かれてると思う。久々に無の気持ちで観れた映画でした。人間って本来の人間性を失ったら富や権力があっても無なんだなと思わされる映画でした。最後ユダヤ人が地上に出て来て周りの人間は何もせず見てるだけの民衆が印象的でした。主人公家族は喜びと希望にみちてユダヤ人と乾杯する映像は本来の人間の姿なんだなと心打たれました。
人権のない世界は怖い
地下の暗くて不衛生な感じが想像するだけで具合が悪くなりそうだった。普段全く意識することのない地下世界を非常にリアルに描かれ、乾いた暖かい布団で寝られることのありがたさを実感した。これがほんの数十年前の出来事であることが恐ろしいのだが、北朝鮮では今もリアルタイムにこの映画と同様の悲惨な現実があるのだなと思うと恐ろしくなった。一人のナチスを殺しただけで何十人も縛り首でさらし者になっているのと同じような出来事が今もあるのだろう。早く国連とかの人権委員会みたいな人たちに頑張ってなんとかしてもらいたい。
特に子供が地下でつらい目に合っている場面はつらくてしかたがかった。
ソハを通して問いかける。
ホロコーストの悲劇を地下水道に隠れ、生き延びたユダヤ人と匿ったポーランド人の実話。
原作を読んでから観たが、映画は正に『ソハ』の地下水道でソハを中心に展開し、苦悩や葛藤を描いた。
だからこそ終盤の『オレのユダヤ人だ』という台詞に重みが感じられた。
そして『人は時に神を使ってまでも人を罰したがる』との字幕で終わり、人の持っている心の光と闇を全て観させられた気がした。
ホロコーストの悲劇の事実だけではなく、人の本当の強さ善、悪とはなにかをソハを通して我々に問いかけてくる。
辛く重い内容だが観て損はない作品。
重いが観る価値の有る、これぞ映画!と言う作品だ!
この映画はアカデミー外国語映画賞ノミネート作品だ。
戦争の悲劇を描いた作品は、世間では必ず大きく取り上げられる事に成る。それは、戦争と言う極限状態の中では、人間の持っている本質がむき出しに晒される為に、そこには、必然的に否が応でも、人間の善人性と凶悪性と言う対局の力のせめぎ合いが必ず有り得る為に、ヒューマンドラマとしては大変に見応えの有る物語が展開され、決して平和な日常生活では観る事の出来ない、様々な人間の本質的な生き方について深く考えさせられる為に、あまたの数の戦争映画がこれまで、映画史の中で大きな位置を占めて来た。
「戦争映画何て物は、夜空の満天の星の数以上に有るさ」と、イヤミの1つも言ってみたくなる程に、世界中の映画会社は、戦争映画を作っては、金を儲けているのだ。
そして、一般庶民である観客は、それらの戦争映画を観る事で、戦争の理不尽さ、非情さに、涙し、戦争は絶対に嫌だと思うのだ。しかし哀しい事に、人類史上、戦争の無かった時代は無いのが現実なのだ!
どれだけ、数多くの戦争映画が描かれても、人々は決して戦争の無い平和な生活の中で生涯を閉じる事が出来ない。
何故なのだろうか・・・???
映画が終わって、映画館の中で、熟年2人連れの女性客が開口一番、「面白い映画だったわね」と大きな声で話し出した。
非常に多くを考えさせられる素晴らしい映画ではあるが、決して面白い作品ではない。
人は戦争は、他所の国の事、自分の事と関係の無い事と思っている、そんな他人意識が、争いを産み出す心の始まりの様な気がした。
この劇中でも、主役のソハがイエス様は本当にユダヤ人だったのだろうか?と疑問視する下りが有る。
いつも、人は神の名を借りて、戦争を肯定してきたのだ!
そして、本当に何時も女性や、子供など弱い立場の人間は殺されていった。
男も、戦争で死ぬのは絶対に御免の筈だが、家族を守る為、国を守る為にと否応なく戦場へと引きずられ、駆り出されていくのだった。
もう、こんな理不尽な、殺し合いなど2度と繰り返す事が無い世の中に成る事を祈らずにはいられない!
しかし、罪の無い善良な一般市民である人々も、磔になるイエスを見殺しにしたのと同様に、人は、我が身が一番可愛いし、臆病で弱い存在だ。
この映画のソハが、地下水道に、ユダヤ人を匿うけれど、その代償に高価な金品の要求をする。
しかし、地下水道に隠れ住む人々の生活に触れていく中で、ソハ自身の気持ちの中に大きな変化が生れて来る。
この気持ちの変化こそが、人が人として生きられる本質の礎になっているのだと思う。
互いの人間の持っている違いを理解すると言う尊い思いこそが、人間に最も必要不可欠な大切な要素だろうと、この映画から思い起こされるのだ。
相手を理解し、受け入れた人間を、人は決して傷付ける事は出来ない。互いの心を理解出来ずに、相手の本質を見ようとしないから故に残酷な人殺しが可能となるのだ。
ラストでソハが、地下水道から隠れて暮らしていた家族を救出したシーンでは、自然と喜びの涙が溢れ出た!ソハの行動をいつも心配し、ソハの行動を何とか止めさせようとしていた、ソハの妻が手作りのケーキを焼いたので、みんなで、食べてくれと、ソハが喜び、ケーキをふるまうシーンは感動的だ。
しかし、その後、テロップで、後にソハが人を助けようとして車に撥ねられ死亡した事を告げる。そのソハが亡くなった事故の原因こそ、ユダヤ人を助けたから、天罰が下ったと言った人がいたと言う。
本当に、人は神をいとも簡単に利用して、罪を他人に着せるのが好きなのだ。
何と、人間は罪が好きなのだろうか?
いろいろ考えちゃいますよね…こういう映画は。
アンネの日記とかいろいろユダヤの映画見ていますが、いつも感じるのは同じ人間なのにどうしてここまで差別扱いできるの?というシンプルなこと…。
ソハという主人公がユダヤ人を地下水道にかくまう実話のストーリーということです。
ソハはかくまうかわりに金を受け取り、いざとなったら金を持ち逃げしてユダヤ人のことを通報しちゃえば良いや、というところから始まります。しかし、やはり人間、かくまってたら本当にユダヤ人たちに同情して必死に彼らを助け続けます。
思うに、基本的には誰も差別なんてしたいと思ってる人なんかいないんじゃないかな?と考えさせられました。
時代が、周りの環境が、同調せよと迫ってくるんだと思います。
最後が明るく終わるところが救いでしょうか。
いろいろ考えさせられる映画でした。
観客も息苦しくなる
基本的にこの映画で舞台となるのは薄暗い下水道の中だ。とても衛生的とは言えず、息苦しそうで、1週間も住んでたら気が変になりそうだ。時折出てくる地上の映像がとても開放的・・・かと思いきや、ドイツ軍がはびこり、見つかれば収容所行き。下手したらその場で射殺。つまりユダヤ人たちもソハも観客もこの映画では一時も息をつけないのだ。
この映画最大の特徴は主人公にあるだろう。主人公、ソハは善人にはほど遠い。下水道整備の傍ら、人家に押し入り泥棒もする。下水道にユダヤ人を匿うときも、金はしっかりと徴収する。しかも人数の制限付きだ。
だけど観客は彼に共感せずにはいられない。非常に細かい表情の動きで、怒りや不安、喜びを完璧に表現するから、感情移入せずにはいられない。歴史上で有名な人物と違い、神格化されていなくて等身大だからこそ、この映画は特別な物になったのだろう。
その他の役者たちも、それぞれが際立った演技を披露する。特に素晴らしいのはユダヤ人チームのリーダー格の男ムンデクだ。全員を生かすだけを考え、時には冷酷な行動も辞さない。だが時折見せる人間的な弱さが、哀愁を感じさせる。序盤である別のユダヤ人2人が浮気をするのだが、それとは違いムンデクがある人と結ばれるときはとても美しい。悲惨な映画の中で唯一と言ってもいいほど、幸福を感じさせる場面だ。
その他のシーンはほとんど目を背けたくなるほどのリアリティが貫かれている。その最たるものは下水道で産まれた赤ん坊だろう。詳しくは言わないが、あの絶望感は形容しがたい。ユダヤ人の死体の描き方も生々しくて、息を呑む。だからこそ彼ら全員が地上に戻ることを願わずにはいられない。ソハもユダヤ人も私たちも希望の「光」を見たときは歓喜にうちひしがれること間違いない。
(2012年10月7日鑑賞)
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