「熱い闘志は老いる事は無い」ラストスタンド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
熱い闘志は老いる事は無い
アーノルド・シュワルツェネッガーの俳優本格復帰作で10年振りの主演作。
話題にはなったが、蓋を開けてみれば、シュワちゃんのギャラも回収出来ないであろう大コケ。
おそらくシュワちゃんは来年のラズベリー賞で主演男優賞にノミネートされる事だろう。
数字だけ見れば失敗作かもしれないけど、映画はそれほど悪くはない。むしろ、シュワちゃんが俳優業休止する前に出演した作品(「エ○ド・オブ・デ○ズ」「シ○クス・デイ」「コラ○ラル・ダ○ージ」)よりずっといい。
銃撃戦、カーチェイス、肉弾戦…。見せ場をふんだんに盛り込み、アクション映画として上々。
ストーリーはシンプル。勧善懲悪。
100分強、退屈する事なく楽しめる。
興行の大惨敗は残念としか言いようがない。
護送中に脱走した麻薬王を、田舎町の老保安官が食い止める。
作風はズバリ、西部劇。麻薬王の前にシュワちゃんが立ちはだかるクライマックスなんて西部劇そのもの。国境の田舎町の雰囲気がそれをさらに掻き立てる。
このオールドタイプの作風はシュワちゃんに合う。
かつてはターミネーターばりの強さを誇ったシュワちゃんだが、今作ではちょっと違う。
老いても尚繰り出すアクションは迫力満点だが、さすがに激しい動きにバテバテ。体中も痛い。「年かな」とボヤきながら、老体に鞭打つ。
また、たった一人で戦うのではなく、仲間と共に立ち向かう。
年相応と言ったらそれまでだが、シュワちゃんがこれまで演じてきたどのアクション主人公より人間味たっぷり。
シュワ演じる老保安官レイがこの無謀とも言える戦いに挑む理由は、仲間を守る為、揺るぎない正義感の為。
その熱い闘志は決して老いたりしていない。
韓国の鬼才キム・ジウンのハリウッドデビュー作。
「悪魔を見た」のような衝撃&重量級の作品をハリウッドでも是非!
斬新な内容でもないし、特別最高!…という映画でもないが、この昔ながらのアクションに思いの外興奮。
シュワちゃんの復帰作として無難な好スタートだと思うのは僕だけ?
吹替でも鑑賞。
やっぱり玄田サンの声はシュワちゃんに合う〜。
近大さん、観ましたよ。
正に同感です。
今のシュワルツェネッガーに合った
無理のない、エンターテイメント作品でした。
もうちょいヒットしても良かったですよね。
これからも老いることなく暴れまくって欲しいです。