アシュラ(2012)のレビュー・感想・評価
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苦しい
たまたまおすすめで出たアシュラを見て押切作品かと思ってチラ見のつもりがそのまま最後まで見てしまった(途中途中でストーリー見ながら間違いないと思っていたのですが、押切さんじゃないのですね💦)
どういう話かもまったく知らずに見ましたが、オープニングから引き込まれました。
生きるということ、というか生き抜くということはどういうことなのか。
そして人とは。
そうしてその先に待つものは果たして。
時代背景的にもまさに羅生門なのでしょうかね。
なんとも心臓を握られるくらいに掴まれた作品でした。
ここの解説を読むと原作は有害図書指定されていたとか。
確かに過激か。
過激な部分に過剰反応してしまうような子供には見せられないのかな。
わからなくもないけど、作品そのものはとても良かったように思います。
日本のアニメの持つ特徴
飢餓
これは最も人の心を狂気に変える出来事かもしれない。
しかもこれは昔のことではなく、アフリカなどでは今でも深刻な状況の国々が存在する。
「奴を殺した者には米1年分を与える」
飢餓に喘いでいる農民を搾取し続けておきながら、そんなにも米をため込んでいる。
昨今のバター不足にコメ不足でも何もしない政府と同じ。
さて、
アシュラは生き延びてしまう定を持っているのだろうか?
苦しくて苦しくて、なぜこんな時代に生まれてきたのだとひっくり返って暴れるほどこの世界の不条理に嘆く。
アシュラとの縁を回想する坊主は最後に、この世界の素晴らしさを語る。
確かに人は命を奪って生き続ける。
彼はそれを性と呼んだ。
罪を背負い それでも与えられた命の限り生きようとあがく
だからこそこの世は美しい
ここにかつて普遍的だと思われた概念が登場する。
罪とはおそらく命を奪うことなのだろう。
それはビーガンだから許されることはなく、作物も命に変わりないことを言っている。
罪という概念
この点はまた新しい概念によってアップデートされるべきのように思う。
そこにあるのが宗教だ。
宗教がなければそのような考え方はしないだろう。
これは完全に私の主観だが、
罪悪という概念こそ分離する概念のように思う。
特にキリスト教の原罪なるもの
人々を支配するための思想でしかないと思う。
人々に恐怖を与え従わせる。
しかし、
ここに登場する坊主は少し違う。
人食いしかなかったアシュラ
その所業に対する教え「南無阿弥陀仏」
その意味も宗教によって違うが、アシュラの生きる指針となっていった。
絶望と飢饉
現在起きている増税と収入不足とすべてのものの値上がりこそ、飢饉と言えるかもしれない。
何一つ対処しないまま、夫婦別姓などが議論されている始末だ。
政治家は皆このような飢饉を経験してみる必要があるように思う。
日本人が考える世界
弱者
どうしようもない状況
時代によって善悪は変化するが、戦争を知っている人が見た地獄。
出来事の中で生き抜こうともがく人々
そこにこそ本物の描写がある。
漫画にアニメに、この描写を描くことのできる唯一の民族
それが何であれ、事実ならば、そこから目をそらさず生きるしかないのだろう。
今ひとつ…
原作を知らないし、何の予備知識もないまま、どんな内容なのかな?と思って観始めて、最後まで一気に観られた作品でしたが、『入れたい事がいろいろあって収まりきってない』感があるように思えました。『彼は、成長してお坊さんになりました』っていう結末なのに、仏門に入る決心をするまでの話が抜けてしまっている点が今ひとつスッキリしないなぁ。と思いました。
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