アシュラ(2012)のレビュー・感想・評価
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飢餓と空腹感のリアリティ
ジョージ秋山の過激作を見事に映像化した。3DCG作品で非常によく動く、セルルックも違和感のない仕上がりだ。凄惨な暴力描写にも臆すること挑んでいて、原作の持つ強烈さを映像にきっちりと焼き付けている。
本作では飢餓を扱っているのだが、飢えのリアリティはフィクションの実写作品よりもアニメの方が描けるのだろうと思う。『火垂るの墓』の妹がやせ細っていく様は胸が締め付けられるが、本作でも若狭がどんどんやせ衰えていくのは観ていて本当に苦しい。飢餓や空腹感のリアリティは、実写の劇映画よりもアニメの方が上手く描けるのだろう。
獰猛な野生児アシュラを野沢雅子が演じているのだが、これがすごく良い。猛々しくて、野生児ゆえに怒ることでしか感情を表現できないような、そんな芝居を見せてくれる。
アクションシーンも凄まじい迫力。これは本当に隠れた名作だと思う。
ハイクオリティでメッセージ性のある昔話系アクション
Amazonプライムビデオで配信されていたので大画面(130インチスクリーン)で視聴しました。
美しい景色や迫力のあるアクションシーンなどハイクオリティな映像もBGMも素晴らしいです。
日本昔ばなしのような世界観で人の世の不条理さを描いていて、メッセージ性があります。
印象に残ったのは、人を殺して人肉を食べたり、馬を殺して馬肉を食べたり食べなかったりする場面です。信じてもらえない、信じられないというのは人間として悲しいことです。
主人公アシュラ(声:野沢雅子)のキャラクター、ヒロインのワカサ(声:林原めぐみ)の恋愛、放浪している法師の言動が見どころです。
ラスト、アシュラがあんな風になるとは予想できませんでした。
苦しい
たまたまおすすめで出たアシュラを見て押切作品かと思ってチラ見のつもりがそのまま最後まで見てしまった(途中途中でストーリー見ながら間違いないと思っていたのですが、押切さんじゃないのですね💦)
どういう話かもまったく知らずに見ましたが、オープニングから引き込まれました。
生きるということ、というか生き抜くということはどういうことなのか。
そして人とは。
そうしてその先に待つものは果たして。
時代背景的にもまさに羅生門なのでしょうかね。
なんとも心臓を握られるくらいに掴まれた作品でした。
ここの解説を読むと原作は有害図書指定されていたとか。
確かに過激か。
過激な部分に過剰反応してしまうような子供には見せられないのかな。
わからなくもないけど、作品そのものはとても良かったように思います。
日本のアニメの持つ特徴
飢餓
これは最も人の心を狂気に変える出来事かもしれない。
しかもこれは昔のことではなく、アフリカなどでは今でも深刻な状況の国々が存在する。
「奴を殺した者には米1年分を与える」
飢餓に喘いでいる農民を搾取し続けておきながら、そんなにも米をため込んでいる。
昨今のバター不足にコメ不足でも何もしない政府と同じ。
さて、
アシュラは生き延びてしまう定を持っているのだろうか?
苦しくて苦しくて、なぜこんな時代に生まれてきたのだとひっくり返って暴れるほどこの世界の不条理に嘆く。
アシュラとの縁を回想する坊主は最後に、この世界の素晴らしさを語る。
確かに人は命を奪って生き続ける。
彼はそれを性と呼んだ。
罪を背負い それでも与えられた命の限り生きようとあがく
だからこそこの世は美しい
ここにかつて普遍的だと思われた概念が登場する。
罪とはおそらく命を奪うことなのだろう。
それはビーガンだから許されることはなく、作物も命に変わりないことを言っている。
罪という概念
この点はまた新しい概念によってアップデートされるべきのように思う。
そこにあるのが宗教だ。
宗教がなければそのような考え方はしないだろう。
これは完全に私の主観だが、
罪悪という概念こそ分離する概念のように思う。
特にキリスト教の原罪なるもの
人々を支配するための思想でしかないと思う。
人々に恐怖を与え従わせる。
しかし、
ここに登場する坊主は少し違う。
人食いしかなかったアシュラ
その所業に対する教え「南無阿弥陀仏」
その意味も宗教によって違うが、アシュラの生きる指針となっていった。
絶望と飢饉
現在起きている増税と収入不足とすべてのものの値上がりこそ、飢饉と言えるかもしれない。
何一つ対処しないまま、夫婦別姓などが議論されている始末だ。
政治家は皆このような飢饉を経験してみる必要があるように思う。
日本人が考える世界
弱者
どうしようもない状況
時代によって善悪は変化するが、戦争を知っている人が見た地獄。
出来事の中で生き抜こうともがく人々
そこにこそ本物の描写がある。
漫画にアニメに、この描写を描くことのできる唯一の民族
それが何であれ、事実ならば、そこから目をそらさず生きるしかないのだろう。
印象
に残るアニメではなかった。
僕の中では、アニメ表現の追求に終始拘った作品
なのかなぁ。と言う印象である。
ストーリーはありきたり
撚りと言う撚りもなく
まんま阿修羅な世界観が貫かれている作品だなぁ。
といったところである。
まぁ制作>公開の2012年なら
十分な評価を得ただろうね。
仏教に於ける六道の阿修羅道の阿修羅様がモデルだろうが、もう少し現実...
仏教に於ける六道の阿修羅道の阿修羅様がモデルだろうが、もう少し現実的なストーリー展開であってもらいたかった。差別や貧困や飢餓などが、社会とどう関わっていたかを説明していない。これでは、大和民族の創世記の頃のGODZILLA退治になってしまっている。それでいて、最後は火の鳥の『鳳凰編』をリスペクトしている。
僕は小学生の時にこの作品に出会って、トラウマになり読まずに目を背けた。しかし、その後『カムイ伝』『火の鳥 鳳凰編』と出会い。我が人生は健やかに育む事ができた。(と思う。)
人間だけが心を持つ。だから、罪が理解出来ると言うが、それでは『罰』がまるまる抜け落ちている。心があっても罪を重ねる事が出来る存在こそが、寧ろ人間だと思う。動物はどんなに美味そうな獲物が目の前を横切っても、腹が満たされていれば、殺すことはしない。しかし、人間は何一つ理由が無くとも罪を重ねる。と思うが。
そうでなければ、ラスコーリニコフの行動をどう解釈するのだろうか?
この作品の女性の取った行動だけを評価する。そこに留めて置くべきだった。阿修羅様はアシュラであってもらいたくない。そもそも、仏僧が『自分の身を食べさす』と言う思想は仏教にあっただろうか?人肉を食べるのは鬼であり、仏教に於ける悪魔だったと解釈する。いくら、地獄の阿修羅様であっても、それは畜生以下だとおっしゃるはずだ。
このストーリー展開で僕は泣けない。勿論、この程度で50年間もトラウマにしてきた自分を恥じる。
でも、阿修羅さまと出会えてから良いでしょう♥
人間とケダモノの違いは心・理性があるか否か
飢饉による人々の荒みや退廃した空気感のために映画全体が重苦しすぎることはなく、原作者ジョージ秋山特有の、強烈だがどことなく緩いキャラクターデザインがフルCGアニメーションによって活き活きと描かれているのが良い。
良い作品だが人を選ぶ。評価に困る
点数がとてもつけにくい。悩んだ。きついシーンが多くて何度もみられない。人を選ぶ感じで簡単に勧められる作品ではない。しかし内容はとても道徳的。 良い作品だと思うが気軽にみられる作品ではなく人を選び、評価が割れそう。 きついシーンが大丈夫で重い話でもみていられる人はぜひ。逆に耐性がない人はみられないと思う
おすすめされて見たけど、いまいち。 若狭の行動(アシュラを助け飯を...
おすすめされて見たけど、いまいち。
若狭の行動(アシュラを助け飯を与える)が納得できない。
食べるものに苦しんでいるんじゃなかったのか。
今ひとつ…
原作を知らないし、何の予備知識もないまま、どんな内容なのかな?と思って観始めて、最後まで一気に観られた作品でしたが、『入れたい事がいろいろあって収まりきってない』感があるように思えました。『彼は、成長してお坊さんになりました』っていう結末なのに、仏門に入る決心をするまでの話が抜けてしまっている点が今ひとつスッキリしないなぁ。と思いました。
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