虹色ほたる 永遠の夏休みのレビュー・感想・評価
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幼少、ひと夏のノスタルジィに生きる
原作は川口雅幸のネット小説。
【ストーリー】
昨年父親を亡くしたユウタは、父と昆虫取りにきた思い出の場所であるダムのほとりに来た。
おり悪く雨に降られ、ユウタは土砂崩れに巻きこまれて、濁流に流されてしまう。
気がつくとどしゃぶりの雨はどこにもなく、そこにはユウタを不思議そうに見つめる一人の少女。
そこは1977年の日本。
亡き父親との思い出のダムに沈んだはずの村であった。
ストーリーは昭和ののどかな農村での、近代日本の原風景のような生活と人々にスポットを当てたノスタルジックなもの。
そこで一夏を過ごした少年の、成長物語です。
アニメーションが非常に野心的で、ゆるい線で水彩画のような彩色の、高畑勲監督『かぐや姫の物語』にも似た美術。
リアルで的確な動きの人物たちが、生活感に説得力を与えてくれます。
背景もきらびやかで、全体いわさきちひろのイラストをアニメーションにしたような作品です。
失われゆく自然への憧憬とノスタルジィ。
ユウタといっしょに、少年時代にもどれる夏のひとひらの夢のようなアニメです。
絵が動いてる
アニメなんだけど、絵本が動いてる感じ。
水やほたるの描写がすごく美しい。
タイムスリップした主人公はダムの底の村の暮らしを知る事になる。
そこで同じくタイムスリップした少女と出会う。
フラッシュバックのような断片的な映像で何が起こったか理解出来るようになっている。
昔の暮らしも楽しそうだ。戻りたいとは思わないけど。
それに昔と言っても、、この時代の私はすでに20代で
東京だったし、すでに夜空に星も見えなかった。
タイムスリップものの昔に自分は既に大人だったということに気付いてしまった。
説明臭くなくていい、、と思ったけど、
最後の言葉で思いっきり説明されてしまったような、、、。
バイクミーティング、アメリカンが多いような。当時の流行だったのかな。
昔の匂いを感じられるような作品
王道のジュブナイル物語。
ひと夏の出会い。
ボールミーツガール。
タイムスリップ。
少年の父親からの自立(解放)。
死の匂い。
普遍的なテーマを内包した王道のジュブナイルだった。
夏休みって何で少し切ないんだろう。
必ず遠くない未来に終わるからだろうか。
それって生きものの命みたいだ。
だから楽しくてでも切ないのかな。
水面の動き。水滴の輝き。
日本人の心の原風景。
そしてホタルの光の美しいこと。
個人的にはユウタとサエちゃんの物語よりも、ユウタとケンゾウの一夏の友情がグッときたな。
餞別を贈り合う別れのシーンが良かった。
あとところどころ(風景や生きてる時間のズレとか現実に戻ったら忘れちゃうとことか)「君の名は。」に通じるものを感じた。
※本作のほうが前に公開されてるから「君の名は。」が後だけど。
そういった意味でも普遍的なテーマなんだろうね。
アニメーションは気合い入ってるのがとてもわかった。手間も製作費もかかってるんだろうなあ。
『君の名は。』のおかげで
手描き感が特徴的!主題歌はユーミン!
”ホタルはね、運命の相手を探すために光をだしているんだよ…”
30年前にタイムスリップした少年の忘れられない夏休み1ヶ月間を描いた作品。
なんといっても特徴は絵のタッチ・手描き感で1カットもCGを使ってないようです。
作品の途中でも斬新な使われ方をされている部分がありそのシーンにはちょっとドンびきするくらいビックリ!
ジャンルはタイムスリップものなのですがいろいろな要素、たとえばカントリーやレトロあり、友情あり、ほのかな恋愛もあり、ちょうど重松清さんの作品とか好きな人はおすすめなのかも…そしてはかない運命と奇跡の感動ファンタジーになっています。
とてもいい作品です。
いろんな世代の人に見てもらいたいです。
ただツボにはまるのはやっぱり35、40歳以上の大人なのかなぁと思います、それだけ主人公たちと同年代である今の子供達は豊かな自然を知らない世代になってしまっているし共感は難しいのかなぁ…
あとひとつ不満をいえばホタルの舞い飛ぶ様子、あーいう光りかたではない!という感想、あれはCGでやったほうがリアリティあったかも(笑)
主人公のユウタのとぼけた感じ、さえ子ののほほんとした感じなどもぴったりでした。
音楽は松任谷正隆さんで特にエンドロールのユーミンの曲は余韻にひたしてくれること間違いなし!
誰の心にも温かく切なく心地良い、昔懐かしい良質のアニメーション
一年前に交通事故で父親を亡くした小学6年生のユウタは、夏休み、父とよくカブトムシを捕りに行ったダムのある山奥へ。突然の豪雨に足を滑らせ、意識を失い、目覚めると、30年前にタイムスリップしていた…。
長き歴史を持つ東映アニメーションが、“あの頃”に浸らせてくれる。
大自然に囲まれた村、友情、淡い初恋、一夏の出来事…。
ベタと言ったらそれまでだが、あの山々の景色、そして物語のキーとなる蛍の群れの美しさを見よ!
誰の心にも、温かく切なく心地良く、郷愁を誘う。
本作はキャラデザインが話題。
良く言ったら素朴、悪く言ったら雑かもしれない。
だけど、その昔懐かしい画のタッチが、作品雰囲気にぴったりと合っている。
ユウタが出会った少女サエコの手を取って走るシーンは、「かぐや姫の物語」でかぐやが疾走するあの印象的なシーンを彷彿させた。
先にも述べた蛍の群れのシーンは幻想的。
リアルな画、斬新な設定、過激な描写が多い昨今のアニメーションの中で、原点回帰のような画や温かさは心に残る。
都会っ子だったユウタが大自然に触れ、友達と無邪気に遊び、かけがえのない経験になっていく。
そんな時知ったサエコの秘密。
ユウタがこの時代に来た理由とは…?
子供たちはやがて大人になる。
しかし、あの時の経験と約束は決して忘れはしない。例え時を隔てても。
今を生きる子供たちと、子供の時の心がまだ何処かにある大人たちへの物語。
アニメ好きでありながら、こんな良質のアニメーションを見逃す所だった。
いつ見てもいいが、特に夏休みに見たい作品。
自然のカブトムシや蛍、最後に見たのはいつだった事だろう?
大人の夏映画
独特の絵
ほのぼのと懐かしい
どこか宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のような切なさも感じた。
漫画原作の大ヒットアニメを作り続けてきた東映アニメーション。
かつては「長靴をはいたネコ」「龍の子太郎」など良質の長編アニメ映画も手がけていた。その東映アニメの30年ぶりの長編アニメ映画。
CGは一切使わず昔ながらの手描きで作り上げた本作品、社長はじめ社員スタッフの熱い想いがこもった出来映えです。
2001年の夏休み、小学六年生のユウタがカブトムシ捕りに一人で出かけたダムのある山奥で体験する不思議な出来事。
ユウタは1977年のダムの底にあった村に迷い込んで、村の少女さえ子や少年ケンゾー、おばあちゃんたちに温かく迎えられて、カブトムシ捕りやホタル狩りなど楽しい夏の一時を過ごす。しかし、この村はもうすぐダムの底に沈み、ユウタにも別れのときが来る。
一年前に父を交通事故でなくしたユウタ。カブトムシ捕りは父との果たせなかった約束であり、ホタルも父が昔見たと聞いていたもの。
村の風景が郷愁を誘い、ホタルの群舞の美しさにも心惹かれるが、彼を従兄妹として迎えてくれたさえ子への淡い恋心と悲しい真相に胸が締め付けられ、最後は涙した。原作は川口雅幸氏。どこか宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のような切なさも感じた。
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