「スーパーウーマンの肉弾バトル」エージェント・マロリー kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
スーパーウーマンの肉弾バトル
シネフィルWOWOWで観賞。
元プロ総合格闘家ジーナ・カラーノがタイトルロールの女スパイを演じている。
現役時代のジーナは美人格闘家として注目を集めていて、アメリカで芽吹き始めた女子総合格闘技を牽引した。
この頃の日本は空前の格闘技ブームが突然死した後で、日本こそが格闘技のメッカだと信じていたファンの信仰は崩れ去っていたので、海の向こうの格闘技情報はあまり注目されなくなっていた。
スティーブン・ソダーバーグによる本作は、ジーナの特技を活かした格闘シーンがアクションの中心になっている。
カーアクションやガンアクションもあるにはあるが、そこは淡白に、あくまで肉弾戦を盛っている。
意外なほどジーナの演技は自然で上手い。
少しエキゾチックで整った顔立ちに、グラマラスでありながら引き締まったボディ。いっそのことバッキバキの腹筋も披露して良かったのではないか。
しかし、ソダーバーグのスタイリッシュな演出が、物語の軸である陰謀のカラクリを解りづらくしている。
時間軸の往ったり来たりに加えて、場所も広範囲を瞬間移動するので複雑。
車を奪われて逃亡に付き合わされた青年が事の経緯を聞かされるという設定が、うまく処理できていない気がする。
あの青年は、結局災難だっただけか…
共演男優陣は豪華で、みんなで映画初主演のジーナを引き立てる。
女ドウェイン・ジョンソンに化けることはないと思うので、ジーナ・カラーノの魅力を最大限に引き出した最初で最後の映画になるだろう。
一見の価値はあった。。
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