「地球のどこかで・・・‼️」日本沈没(1973) 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
地球のどこかで・・・‼️
小笠原諸島の小島が一夜にして水没した異変から、日本列島全体の沈没を予測した田所博士を中心に危機に対応するためのプロジェクト・チームが結成されるが、山本総理の指導の下、国民は海外へ避難を始める。やがて日本列島の沈没が始まる・・・‼️日本列島が丸ごと太平洋に沈むという小松左京原作の壮大な悲劇を、CGもない時代によくぞここまで頑張って映画化してくれました、森谷司郎監督‼️東京のビル街が崩壊する東京大地震、富士山が大噴火、皇居に避難民が殺到、無断で韓国や北朝鮮へ漁船で避難しようとした人たちに襲いかかる大津波、そして列島沈没シーン‼️その特撮シーンは今観ても凄まじいカタルシスを観る者に与えてくれます‼️原作は未読なんですが、数々の綿密な科学設定である地震のメカニズム、日本列島の存在、最新鋭の潜水艇「わだつみ」が日本海溝で巨大なナメクジがのたったような溝を発見し、濃密な煙が海底で噴出するシーンなど、映画の中で田所博士などが政府関係者に説明するシーンがあるので、実に分かり易くなってます‼️これは原作の小松左京と脚本の橋本忍さんの力でしょうね‼️「爬虫類の血は冷たいが、人間の血はあったかい。これを信じる以外にもう何もありません」と説き、各国の首脳に頭を下げて回る山本総理役・丹波哲郎さんのカッコ良さ‼️理想の総理ですね‼️狂気じみた表情で「日本列島の大部分は海に沈んでしまう」と警告し、ラストは断末魔の日本と運命を共にする田所博士の小林桂樹さんの存在感‼️お互い離れ離れになっても生きていかなければいけない恋人たち(藤岡弘といしだあゆみ)への "地球のどこかで・・・" という字幕‼️日本という領土を失っても、自分たちは日本人でいなければならない、というメッセージは、絶望的な未曾有の国難から希望へ転化していくストーリーへふさわしいもので、70年代の日本映画らしい大作ですね‼️ホントに大好きな映画‼️