「ロボット好きなら楽しめる、ロマン先行型の一作」パシフィック・リム リリさんの映画レビュー(感想・評価)
ロボット好きなら楽しめる、ロマン先行型の一作
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巨大ロボットと怪獣の戦闘。この映画の魅力は、その一点に尽きる。
理屈やストーリーの整合性よりも、「巨大なものが戦う」という映像的なロマンを最優先した作りは潔い。ロボット好きなら、それだけで見る価値はあるでしょう。
怪獣やイェーガーの重量感を表現しようとしているのは伝わってくるが、ただスローモーションを多用しているだけで、場面によっては軽いな、と感じてしまう箇所が散見されたのが少し残念。
そもそも関係値が高いほど性能が上がる設定なら、ラストはスタッカーとマコの親子で組むべきだったのではないか。
そうすれば必然的にローリーはチャックと組むことになり、最初は反発しあう二人が最後には最高のバディになるという胸熱な展開も作れたはずだ。
最後の自爆シーンも、スタッカーがマコを脱出させて一人で犠牲になる形にすれば、より感動的なものになっただろうし、残された側が彼らの死を気にかけていないように見えるあの展開も避けられたと思う。
そんな中、幼少期のマコを演じた芦田愛菜の、短い出番ながらも恐怖と絶望を伝える演技は突出して素晴らしかった。
細かい不満点はあるものの、監督の「日本の特撮とアニメが好きでたまらない」という熱量は本物。
難しいことを考えずに、童心に帰って巨大ロボットの戦いに興奮するための映画です。
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