「残念の一言」シン・エヴァンゲリオン劇場版 ASHさんの映画レビュー(感想・評価)
残念の一言
期待しすぎましたね。Tvシリーズ中期くらいまではとても面白そうな話だったのにな。その後苦しんで苦しんで、時間をかけて丁寧に物語を造り込んでいくのかと思っていましたが……結局ただの盛大に世界を巻き込んだ親子の拗らせ話で終わり。残念の一言。
こんなのがやりたかったのか…。
登場人物ほぼ全員、動機がつまらな過ぎる。幼な過ぎる。まともだったのはトウジケンスケ達村人達くらい…加地もかな(?)だったという。
あとは成熟した大人が誰もいないし。
ゲンドウと冬月くらいはもっと狡猾に描いて欲しかったよ。動機目的手段全てにおいて唸らせて欲しかったよ。世界を欺き暗躍する(ハズの)ゼーレの面々もね。権力だけのちょいとズル賢いが精神年齢は低いそこらのオッサンやん。
登場人物達に共感出来ないから話に入り込めない……というよりそこらのつまらん退屈な人間として共感は出来ても、壮大な(ですよね?)物語の主人公達として、世界を動かす勝ち抜き選ばれた人物達の描写としては陳腐過ぎて全く心が動かされない。
話の造りとしては複雑難解で先の予想も難しく、パズルとして妄想を膨らませるのは楽しいと思う。
自分なりの予想や考察動画など観るのは楽しかった。でも物語としては……残念でした。
使徒やら槍やらインパクトやらは説明不十分な、話の作り手に都合のよい唐突に現れたただの道具に過ぎなかったし。
年齢的に大人で社会的立場は上も上の方々の、酸いも甘いも嚙み分けたはずの者たちのそれを超えた熱いやりとりも全く無かった。
何もかもが上っ面ばかりで安っぽい。
非凡なテクニカルさはあったし凄く妄想も掻き立てられたが、それ故に期待値が上がり過ぎて内容の陳腐さが際立ってしまった作品。
残念。
>成熟した大人が誰もいないし。
TVシリーズから通して、精神的に未成熟な大人達だらけの身勝手行動がベースなので今更では?
そんな未熟な子供、大人達が最後やっと成長できてよかったね、という話でしょう。
>ゲンドウと冬月くらいはもっと狡猾に描いて欲しかったよ。動機目的手段全てにおいて唸らせて欲しかったよ。
→過去に縛られてユイに会いたい会いたいで世界巻き込むのも昔からで今更では?
寧ろTV〜旧劇場版ではユイに会いたいのに寂しさと利用価値で赤木親娘にも手を出したりとよりクズ行為が目立ってましたし…
>結局ただの盛大に世界を巻き込んだ親子の拗らせ話で終わり。残念の一言。
こんなのがやりたかったのか…
→いや昔から一貫してこれがやりたかったでしょう。今更です
>世界を動かす勝ち抜き選ばれた人物達の描写としては陳腐過ぎて全く心が動かされない。
→凄い事を為そうとしている主要人物の動機がどれも小さな事、ってのが昔からのテーマですしね。
>年齢的に大人で社会的立場は上も上の方々の、酸いも甘いも嚙み分けたはずの者たちのそれを超えた熱いやりとりも全く無かった。
→期待するのはお門違いです。昔から今に至るまでエヴァ自体そういう話じゃないです。
総評すると、「そもそもそういう作品ではない」ので、期待する方向が誤っています。
昔からリアタイで追いかけていた、元拗らせオタク以外は楽しめない、独りよがりな作品である事は否定できないですね。
私の感想も大体貴方と同じです。
特にゲンドウの「私が、私が‥」語りの連続には非常にビックリしました。
ここまで酷いともう大人ではないです。大人のフリをした自己顕示欲だけ強いただの思春期のガキです。
そしてシンジより精神年齢が低い。
父親なのにね。
結局、貴方さまも書いてらした[壮大な]作品だった(のかは今となっては、?)が、何故こんな安っぽいトラウマストーリーにしてしまったのか?
最終着地点は、ユーミンの【ボイジャー、名前のない墓標】(歌詞は検索すると出てきます)の世界観の、それこそ壮大なパクリではないでしょうか?