「純粋にエヴァファンとして最高の結末でした」シン・エヴァンゲリオン劇場版 もそさんの映画レビュー(感想・評価)
純粋にエヴァファンとして最高の結末でした
2回鑑賞した。最高の結末だった。
でも感想としては批判も含んでしまうのでご注意を。
1996年生まれの私は、13歳の頃に序を見てからTV版、旧劇、貞本エヴァ、破、Q、貞本エヴァ完結を経て、シンを迎えた。ファン歴12年だ。
旧劇、Qから、どう頑張ってもシンもカオスになるだろうし、いろいろ匂わせて終わるのだろうと予測し覚悟していた。
案の定、後半はエヴァの世界観の理のもとでSF展開がされていく。都合の良いやつめ。
しかし、これまでと違い、「縁」「けじめ」というワードを軸に、繰り返していた並行世界、エヴァというコンテンツの終わりがしっかり描かれていた。
正確には覚えていないが、トウジの「力不足で救えなかった人の気持ちも受け止める。それが落とし前をつけるということ」というセリフは、今回の各登場人物にとっての「責任を果たす」というテーマを表していたように思う。
ミサトは最後までシンジの保護責任者として、父の計画を終わらせるため、艦長として戦う。
リツコはヴィレのため、旧劇と違いゲンドウに躊躇なく発砲する。
加持は愛する人たちを守るために立ち向かっていた。
アスカはシンジを見守り補完計画が発動しないよう全力を尽くす。
レイはシンジがエヴァに乗らない幸せを作ろうとする。
マリはシンジを連れ戻すことを何度も誓う。
シンジはゲンドウとの関係にけじめをつけるためにエヴァに乗る。
最後にマリが迎えに来て、冗談混じりの会話とともに、声変わりしたシンジと階段を登っていくエンディングは、清々しすぎて別のアニメかと思ってしまった。だが、それが良かった。スッキリした。
脚本としては、シンジがエヴァに乗れば解決するという何でもアリな展開は仕方ないと思ったけど、もっとシンジの覚醒に盛り上がりポイントが欲しかった。アスカの覚醒は面白いけどビーストモードと同じで決着つけられないのはすぐわかったし見てて辛かった。説明も多いし専門用語を並べすぎて相変わらずだった。
初見は驚きすぎて混乱で理解と感情が追いつかなかったが、2度目は落ち着いて鑑賞できたため、より面白かった。
以下は、単純な、感じるままの感想。
作画が綺麗。人物が可愛い。CG技術すごい。
農村パートが非常に好き。
綾波そっくりさんが可愛い。「ツバメ、もっと抱っこしたかった」は、かなり辛くて泣いてしまった。
鈴原と委員長の結婚。幸せを築く人々。
家出後のシンジをつめるアスカに対して「うん」と答えるシンジの受け流しスキルに感動した。逆ギレして首締めないか心配してしまった。
シリアスな笑いを狙っているつもりはなかったと思うけどちょこちょこ笑えるシーンがあった。エヴァの親子喧嘩とかね。冬月のボス感とか。
補完計画発動時のVoyager日付のない墓標は、初めて聞いたけれど歌詞がユイの思いそのままで、とても合っていて素敵。
まとまりがなくなってしまったが、色々ツッコミどころはあるけれど、きれいに終わらせてくれたのがとても良かったので、ファンとして最高の結末。星5。