「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」シン・エヴァンゲリオン劇場版 2004 ETさんの映画レビュー(感想・評価)
さようなら、全てのエヴァンゲリオン
平日の真昼間だというのに映画館には多くの人が集まっていて、しかも年齢層は同年代から中年まで多岐に渡り、改めて同作の歴史を痛感しました。エヴァンゲリオンを初めて観たのは10歳の頃で高々6年しかエヴァに触れてきませんでしたが、そんな自分でさえ上映後は胸にくるもの(?)があったので、25年間同作を追い続けた人々はきっと良い意味でも悪い意味でも文字では表現できないほど多くを感じることができたと思います。
Qでかなり物語を引っ掻き回しての今作だったわけですが、序盤では荒廃した世の中でも強かに生きる人々の暮らしの豊かさを、中盤では個々人の繋がりの中でシンジが見出したものを、成長を描き、終盤では主要な登場人物の物語を、そしてシンジのエヴァとの決別を旧劇のタッチで実にエヴァンゲリオンらしく上手くまとめ上げたなと感じます。それでいて、これまでのエヴァンゲリオンと比べて理解しやすくかなり前向きな作品となっていてシンジがやっと報われたような気がしましたw。また、エンディングには様々な意見があるとは思いますが、シンジとエヴァの決別、ひいては我々エヴァに魅せられた人々とエヴァンゲリオンというアニメ作品の決別であるようにも思います。ですから、最後の駅のシーンは別世界に飛んだとかそういうのではなく、シンジの旅立ちの暗喩ではないでしょうか。
ただ、どの解釈が正解だとか、エヴァンゲリオンはどういう作品であるかだとかは庵野監督から語られない限り結局のところ答えは藪の中ですから、さほど重要ではないでしょう。個人的には本作で25年に及ぶこれまでの物語は伏線も回収して終わったという認識ですが、自分の感想、自分の解釈が有ればそれで良い。視聴者が勝手に考察しまくる作品、それがエヴァンゲリオンだと思います(投げやりですが、、、)。
最後に、長くなりましたが庵野監督に、全てのチルドレンに、ありがとう。そして、さようなら
まあ、"さようなら"はまた会えるおまじないですからもう一度観に行きますがね(^ω^)