「延期になって卒業シーズンに上映で相応しかった」シン・エヴァンゲリオン劇場版 jiroさんの映画レビュー(感想・評価)
延期になって卒業シーズンに上映で相応しかった
7時の最速枠と即日リピ鑑賞
テレビ版旧劇場版からの伏線も回収できるので本当にエヴァが終わったのだと 卒業式の後にふと思い出が良くも悪くも懐かしく感じる気分です。 すべてのエヴァファンに「そろそろ妄想の世界から卒業して現実世界で生きて?」という願いが込められてたのかも。
見事に庵野監督自身の深層心理の世界に20年以上引き込まれた感じ。最後にたくさんの新たな用語が飛び交うが、ある程度言葉の意味で見ながら推察できる感じです(イスカリオテのマリアだけは調べて、なぜユダではなく?と思ったけど何か意味があるのでしょう)
パリ奪還の最先端の世界からいきなり(ありえないぐらいの)ド昭和な感じのあべこべ感は 結局-庵野監督のエヴァイマジナリーの世界で葛藤や模索をして人生を経てきた自身の実体験を描いてあるのかなと思った。
終盤にかけての描写がコミカルに見えて緊張感が抜けて詰め込みで25年分のモヤツキを駆け足で回収されたような気も。
庵野監督的には意図があるんだろうけど、ヴンダーとネルフ艦の戦いで流れたBGM「惑星大戦争のBGM」は笑いが出そうでQで流れたナディアのネオノーチラス号の曲の壮大な感じとの格差で萎えます。他にもいくらマイナス宇宙の記憶の世界であるにせよ初号機と13号機のバトルがミサトの家や教室で親子ケンカじゃんって 笑いが出そうになった。(シンジ君よりコミュ障な、電車にしょんぼりゲンドウさんにもかなり。) 旧劇場版でも登場したデカアヤナミや首無し人間の集団のCGも安っぽくてプレステが出始めたころのCGシーンみたい(それもわざと??) アニメーションのグラフィック面で向上してるのに少し残念だったかな。
キャラクター設定面でいうと、もう少し綾波レイを引き立ててくれてもよかったような。 いくら模造品だとはいえ、田舎の生活で人となりの生き方を学び始めたアヤナミタイプ6をLCL化てそれはむごすぎる。 テレビ、旧劇と謎が多かったレイ。それでもミステリアスな魅力でエヴァの代表キャラで新劇場版で感情の豊かさに芽生えたのでああいう扱いは惨い。 初号機にずっと残っていた長髪のレイには一番感動でしたけどね。
アスカが相田ケンスケといい感じになってることで アスカロスが起きるだろうとはおもいながらも まぁアレもオリジナル(惣流アスカ?)からの副製品だと言うことと シンジの成長の上での初恋の人との別れを入れ込んだのかと言うことで仕方ないのかな。ただ最後の駅にはアスカ一人だし個人的には相田は相棒みたいな存在で一人で生きている気もする。
あと渚指令。りょうちゃんとの対話がほっこりしたけどユーロネルフの指令だったってことでいいの?
そして、いくらゲンドウ君と学生からの付き合いにせよ、いきなり出てきたマリに全て持って行かれた感はあるけどね。絡みも冬月とだけでゲンドウ君との対峙も欲しかったかな。 そして申し訳ないけど マリの英語がめちゃ下手なのがとても残念。せっかく英語監修が文字表記とかこだわってるのに 重要キャラなので真綾さんにもう少し英語特訓して欲しかったかな。(イギリスハーフなのに米国式だったり(それもなんか米国式っぽい)「他勢に無勢」のとこやラストのGood Luck の一言さえ あまりにノンネイティブすぎて。 さらにはワザとっぽいから良いけど中国語の「再見」も下手。 声優さんは耳がいいのでもっとトレーニングすれば簡単な表現ぐらいマスターできたはず。
ユイにヴィレの槍で処理されていくエヴァシリーズや さよならエヴァ8+9+10+11+12の走馬灯のように切り替わる歴代エヴァ達が安っぽすぎてちょっと萎えたかな(笑)
そう言う演出の緊張感が萎えたことで星4かな。 とはいえ、あれだけ謎に包まれていたエヴァを終わらせられた、終わりを見られただけでも幸せな気分になれます。 マリにも突っ込まれてたけど全てゲンドウくん(=庵野監督?)のワガママだよね。 なので最後に初めて笑みがこぼれるやんわりなエヴァ作品 になってますね。
宇部新川駅近くの映画館で見れた方は幸せだったろうね!拍手喝采だったかもね。