劇場公開日 2012年6月2日

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「しっとり鑑賞」ジェーン・エア kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5しっとり鑑賞

2014年10月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

幸せ

女性が社会的地位も身分も男性よりも劣るとみなされ、存在価値が一族繁栄のための道具であったり、裕福な家に嫁ぐのが最良の幸せであるとされていたような時代の中で、色々な弊害を脆ともせずに、自分の夢や愛に正直に生きる芯ある女性が描かれている文芸作品(特に英国)が、わりと好きです。
「プライドと偏見」「いつか晴れた日に」「ジェーン・オーステンの秘められた恋」等好みでが、今作品も例外ではありません。原作は一度だけ読んだことがありましたが、かなり昔でしたのでとても新鮮な気持ちで鑑賞しました。

前置きはこれぐらいにして、こちらの魅力のひとつはキャストです。主人公ジェーンにミア・ワシコウスカ。相手役のロチェスターにマイケル・ファスベンダー。そして、ジェーンを助け密かに思いをよせる若き牧師は「リトル・ダンサー」のあの男の子!面影残るジェイミー・ベルがこんな青年になったのね~と感慨深かったです。3人の魅力がこの古典文芸作品に結集して、新しい伊吹を運んでくれたように感じました。
芸術的にもアカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート作品だけあって、色使いが地味目なのですが細部までこだわって作り込んだ衣装というのが分かりましたし、荒涼とした風景や建物も趣がありました。
何よりも極端に微笑みがなかったミア・ワシコウスカ、彼女はこの役を監督に自ら志願したそうで、当に主人公に乗り移っていたかのような渾身の演技でした。
愛されるよりも愛するほうを。
悩んで苦しんで、人知れず涙を枯らした後に、心を決めた女性は強いのです。「幸せは待っていてもこない。」ですね!

sonje