「深く考えさせられる兄と妹の関係性」SHAME シェイム REXさんの映画レビュー(感想・評価)
深く考えさせられる兄と妹の関係性
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いろいろ想像力を掻き立てられる映画だ。
兄と妹の関係性。
「いた場所が悪かっただけ」というシシーの言葉。
過去に一線を越えたのだろうか。
それとも一線を越えられない苦しさが、互いに依存症として現れてしまっているのだろうか。血のつながった兄妹なのかも、劇中からはわからない。
人とつながりたい気持ちはあるが、どうしても関係性に意味を見出すことができず、苦しむ主人公ブランドン。
一度会社の女性とデートした際のセリフは、真意の裏返しだろう。
本当に一晩の関係だけで満足できるなら、悩む必要などない。
ハンサムで金持ち。恋人がいなくても、恋愛ごっこなら誘いにのる女性はたくさんいる。苦しいのは考える時間がたっぷりあることぐらいか。だとすれば、やはりブランドンの苦しみは常につきまとう虚無感。その根元は何か。
対する妹シシーは恋愛依存症。相手を求める気持ちが強く、誰かが側にいないと不安になる。
相反する二人の現代人らしい苦しみを、長めのワンカットで見るものを共感へと誘う。
話に解はないが、最後、主人公の微笑みをどう解釈するか。
キャリー・マリガンは瑞々しさと危うい可愛さで目が離せない魅力があった。
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