おおかみこどもの雨と雪のレビュー・感想・評価
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おしい!あと一歩。
価格ドットコムのIDが分からなくなってしまった為、かなり久しぶりの投稿です。
本日、此方の作品を観に行きました。
先ず、期待をしてしまいすぎたのと、ファンタジー的要素満載の泣ける映画と
先入観を持ってしまったのが間違いだったと思います。
細田作品を鑑賞するのは、この作品が初めてですが、
中々感情移入するのが難しかったです。
絵の描写がとっても綺麗で美しくリアリティがあります。
と、同時に物語にもリアリティが在りすぎる気がしました。
狼男と恋愛し、女手一つで狼子供を子育てをする…
のは、実際に有り得ないおとぎ話的ファンタジー要素ではありますが、
それ以外の部分に関しては、
リアルなハナの子育て物語という印象を受けました。
子育て中のママさんには、(或いはパパさん)
感情移入出来たり、共感出来る部分も多いのではないかと思います。
残念ながら、
私にはそこまで物語にのめり込めなかった部分と、
リアルとファンタジーを切り離して観ることが出来なかった為、
何を伝えたいのか、はっきりと分からないまま
ラストがぼやけた印象になってしまいました。
一緒に観た主人も、何かモヤモヤする…と言っておりました。
子供が親の手を離れて自立していく、親の寂しさ&嬉しさを伝えたいのか、
自立した子供の有り様を描きたかったのか、
それぞれの道を歩んで成長していく子供たちを描きたかったのか。。。
母の子への愛情、人々とのふれ合い、
どんな姿であっても受け入れる強さと愛情、
子育ての難しさ、子育ての楽しさ、
子供の成長と旅立ち。。。
どれがテーマだったのか、正直分かりません。
全てがテーマだったとしたら、限られた時間の中に
詰め込みすぎのような気も否めません。
題材が素晴らしいだけに、あと一歩、
ほんの一捻りが欲しかったと思います。
子育てという普遍的なテーマを扱ったリアリティのある作品なので、
アニメで上映するよりも、
よくあるアニメ題材を実写化のパターンで
作った方がドラマ的で、様々な世代が楽しめたかもしれません。
また、乳幼児期と少年少女期を分けて
前編後編二部制仕立ての方が(今回は乳幼児期のみで続編を待つ終わり方)
良かったかもしれないと個人的には思いました。
映像が美しく
細田作品の他の映画も観てみたくなったので
☆3つです。
次回作に期待しております。
期待外れ。つまらない。
狼子供と母親の物語ということで、もっとファンタジックなストーリーを想像していたのだが、予想外に生々しい内容に途中から観るのが怠くなった。
花のつわり、彼氏の死、ご近所の嫌み、子供の嘔吐、シングルマザーの生き難さ、雨の女友達からの同調圧力などなど表現がリアルすぎる。アニメなんだからその辺りはもっと曖昧にしてもよかったのではと思う。
とくに、観ていて怠かったのは後半の覚醒した雪だ。あれは野生が目覚めたというよりは、「狼の俺カッコイイw」というような中二病の痛い少年に見えた。格好つけてドヤるのもいいが、母親と姉はもっと大切にすべき。居なくなるなら居なくなるで周りに迷惑をかけるな。雪は父親の駄目な所を受け継ぎすぎる。
部分部分には面白い所もあったが、全体的にみると単調で盛り上がりもなく酷く退屈な映画だった。
ファンタジックな内容を期待している人は観るべきではないだろう。
ぜひアニメ嫌いな女性の方に
友人に「サマーウォーズ超えたぞ、この映画。」と言われて観に行きましたが、正直サマーウォーズとは比べられません。内容的に違いすぎるので。しかし、やはり「さすが細田監督!」と言わざる作品でした。狼子供を育てる母親の物語なので、おそらく男性より女性が観た方が楽しめると思います。一緒に観ていた母は終止号泣でした。ひとつ気になるのは、監督がこの映画を通じて何を伝えたかったのかということ。人間と人間の共存を描く都心での生活から、田舎での温かい人々との生活にシフトし、最後は子供の狼としていきる決断。自分の中でこの映画が伝えたいことが分からなくなってしまった。単にストーリーを楽しむなら本当に面白い映画だと思ったが、考えすぎたせいか、少しモヤモヤした気分で終わってしまいました。
母は強し?そうあって欲しい「子供視点」での理想の母
語り手は母の「花」ではなくて、
母から物語を聞いた、おおかみこどもの「雪」であることが
大きなポイントだと思う。
最初に観た時、なんだかわけのわからない「もやっと」感がして
素直に物語に入り込めなかった。
花があまりにも、男の人が考えがちな「理想の母親(女性)像」じゃない??と。
どんなにつらくてもいつも笑顔で、健気で。
文句も言わず、愚痴も言わず、無邪気に明るく振る舞って欲しいんだよねーと
穿った見方をしてしまっていた。
でもそれは、子供の頃に抱いていた
「こうあってほしい親の姿」だなあ、と気付いたのだ。
なんだか物語全体が美化されてんなー、
あんだけ疲れてたら愚痴もため息も出るよ普通…と思ったが、
語り手の「雨」ちゃんには、そういったことは
まだ思い至らないんだろうなと。
それでも正直、いったいどこが泣けるのかさっぱり
わからなかった。
親になったら分かるのかもしれない。
子離れのシーンも
「まだあなたに何もしてあげてない」の台詞は
もう子供はそんなこと求めてないよと
なんだか冷めてしまった・・・。
親が子を想う気持ちと、子が親を思う気持ちは
全然違うということでしょう。
おおかみこどもの雨と雪
素直に感動というかじんわり心に染みた作品でした。やっぱり日本ていいなと思いました。田舎の温かさ、人々のやさしさ、自然への尊厳等が良く描写されていたと思います。雨が自然に還っていく様は、自然の神々への敬意の表れのような気がします。あと、花の女性としてのたくましさ、強さは、今のオリンピックの女性の活躍に通ずるものあると思います。また、幼少期の雪と雨のかわいらしさは思わず笑顔が出てしまいます。すばらしい作品だと思いましたので登録し、レビューを書きました。是非、続編がみたいなという思いです。
おおかみこどもたちは良かった
ハナとおおかみ男のエピソードが私にはグッと来なかった・・・
奨学金を頼りにしている学生のハナと、狼男だという「彼」、
ただでさえ2人とも安定した生活を送れる立場ではないのに、
避妊もせず2人も子ども作る時点で何だか引いてしまった。
ハナも家族をはやくに失い、彼も決して暖かい環境で育たなかっただろうから
家族をつくりたい気持ちが強かったんだなとも思ったけれど、
病院や他人に頼れない状態で苦しい出産をしたのに、翌年懲りずにまた妊娠という。
ちょっと「え~っ」と思ってしまった。
こんなことに引っかかってしまう私の心が狭いのだろうが・・・
でも、雨と雪のそれぞれの葛藤や、ハナの苦労とたくましさは凄く良かったと思う
学校生活も、「こんなやりとり、あるある」と、自分の体験も思い出すような感じ
ソウヘイくん、とっても優しい男子だった
雪とソウヘイくんの一連のやりとりを始めカーテン越しの雪のカミングアウトまで、
子どもならではのドキドキやときめきが蘇ってくるような不思議な気持ちになりました。
宣伝などをみて、ファミリー向けのように思っていたけれど、これは確実に大人向けの映画だったなあ
かなり踏み込んでるな~(^_^;)
『時かけ』と『サマーウォーズ』は大好きな映画(^_^)
細田守監督の最新作ということで、今回のこの映画も「変わったタイトルだな~」とは思いつつも、一定水準以上のクオリティはあるという先入観を持って観に行ったけど・・・
まさかここまで踏み込んでるとは∑(゚ω゚ノ)ノ
はっきり言って「性」をここまで前面に出した日本のビッグバジェットムービーでしかも子供向けアニメ映画ってあんまり聞いたことない((;゚д゚))ス、スゲェ
まず主人公の花は狼男と知り合って、徐々に仲良くなって、そこで事に及ぶわけだが、狼の姿で人間の女とっていうシーンをシルエット越しではあるけどはっきりと映す工工工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工工工
これには正直引いたと言うか驚いた(´・∀・`)
そして半ば過ぎたあたりから、娘の雪が同級生の草平から「お前獣の臭いがするな~」と言われるが、それを聞いた雪草平を避けるようになるわけだけど、つまりこれは生理のこと(;・∀・)
ラスト近くで台風が来て校舎に取り残された雪と草平が「俺の母ちゃん結婚して今妊娠してるんだ。そのうち俺は邪魔になる。」とかいう大人の事情を軽く話し出す。
この映画全体に性的な雰囲気が漂ってるという稀有なアニメ映画です(゚∀゚)アヒャ
他のサイトの感想とか見ると、花がまるで菩薩様のように何もかも受け入れて常に笑顔で・・・っていうのが多いけど、俺はそうは思わない(-_-)
映画の大前提に踏み込むようだけど、まず避妊なしに狼男と事に及ぶなんて考えなさ過ぎ(;´Д`)
仮に避妊してたらこの話自体成立しないわけであって、それはまあいいとして・・・
こういう天然と言うか不思議ちゃんと言うか、学生時代の友達が全然出てこないのもこういう性格だからあんまりいなかったのかな?と想像してしまう(゚д゚)
子育ての過程でも新聞が大量に投函されたままになってたり、ずーっと頭を抱えてたりするし、手を上げそうになるシーンもあるし・・・
菩薩様なんかじゃないれっきとした人間ですネッ(oゝД・)b
田舎に越して畑を耕すシーンで韮崎のおじいさんに「畑ってのは広く作らなきゃ駄目だ」と諭されるのも、物々交換をするために多めに作るためという原則をちゃんと踏まえてると感心した(゚д゚)イーヨイイヨー
最初は「どうせすぐ根を上げるだろ~」と周囲の目が冷たいし、畑仕事がいかに大変で手間がかかることかを見せてるのも、田舎は決してユートピアなんかじゃないという現実をしっかり提示してる(゚∀゚)アヒャ
何より秀逸なのが、最初汚かった家を掃除していくうちに徐々にガラスの模様とかタイルの流しがはっきり見えて来て、人間の家らしい生活感が出てくるところ。
車を買って家の中の家具や調度品が増えていくのも、野菜作りが軌道に乗って物々交換で生活も整ってきて、さらに収入もある程度確保できてきたのかなと上手く連想させますね(・∀・)イイ!!
特にあのガラスの模様とかタイルの流し、そして風呂の描写は俺が幼稚園に上がったばっかりの頃を思い出させて懐かしさをそそります(´ー`)
姉の雪は人間として、弟の雨は狼としてそれぞれ生きていくことを決め、雪は小学校を卒業して全寮制の中学に、そして雨は山の主の狐が死んでから後をついで山の主になるためそれぞれ家を出る。
つまり「親離れ」をする。
弟が山に入った時に、心配で後を追って山に入る花は逆にぶっ倒れて雨に助けられる辺りも、子離れできない親の心情、引いては「親の情けなさ」をしっかり映し出してる。
事実親って結構そういうところあるんだよな~と納得させるに足る秀逸なシーンですよ(゚д゚)イーヨイイヨー
ただ気になる点もいくつか。
恐らく人間社会に適合していった雪と違って、雨は狼の血の方が濃いのかすんなりと山の動物とコミュニケーションするようになって山に入るのはいいとしても・・・
人間として生活していたならせめてちゃんと母親を説得するなり事情をちゃんと話すなりしてから行くべきだと言いたい(;´Д`)
「先生、もうすぐ死ぬ。だから僕が・・・」と言っただけじゃ納得するはずもないだろと。
でも「親の心子知らず」と言うように、意外とあんなもんなのかも知れないなとも思うけど(^_^;)
雪が草太の目の前で狼に変身するシーンのカーテンの使い方は実に(・∀・)イイ!!
ただあの変身した狼のルックスがアニメチック過ぎと言うか(;´∀`)
ここまで性描写を映してるなら、そこはもっとリアル描写に振り切っても良かったんじゃないかと。
でも個人的には、誰もいない学校での秘密の共有というジュブナイル感溢れるあのシーンは心底萌えましたワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪
なぜか知らないけど、誰もいない学校って恐い反面秘密基地的な躍動感も感じられる部分もあるんだよな~(〃▽〃)
あと納得いかないのは狼男が死んでるシーン。
恐らく鳥か何かを捕獲しようとして本能的に狼の姿になったんだろうけど、その姿のまま街中で死んでるわけだが・・・
街中に狼の死骸があったら大騒ぎにならないか?
死体を清掃車に普通に放り込んでしまうのも情け容赦ない踏み込んだシーンだと思う。
でも今までこの狼男、引越し屋の仕事したりして生活費を稼いでたのに何でわざわざ野生の鳥を捕まえる必要があったのか?
その前にもキジみたいな鳥を持って帰ってくるシーンもあるし。
普通に金があるなら買えるんじゃないか?
あとこの狼男どこに住んでたんだろ?
家の描写が全くないのもどうかな~(゚∀゚ ;)タラー
折角免許まで取ってるなら住所不定なんてことはあり得ないわけだから、狼男のねぐらがどうなってるのかも観たかった。
映画に出てくるたれを瓶に入れて付ける焼き鳥の食べ方は、細田監督の奥さんの田舎で良くやってる方法らしいけど、これ観て焼き鳥食べたくなって映画観た帰りにスーパーに寄って焼き鳥買っちまった(笑)
とにかく子供向けアニメ映画としては「かなり踏み込んだ」映画であることには違いないし、教育上でもかなりいい映画だと思う。
大人の事情を子供にも見せる、そして大人も反省させられるというか目からうろこが落ちること請け合いです(^O^)/
子育て繁盛記。
感想を書こうとして、思い出していると涙が溢れてくる。
子育ての醍醐味をたった13年の営みで見せるだけだが、
子供たちの成長が早い(巣立ち?)せいか、妙に寂しい。
いや、寂しくても、実は嬉しい。花の笑顔が証明している。
おおかみこどもとはどういう意味なのかと思ったら、
オオカミ男と人間の間に生まれた子供たちのことだった。
まずアニメだということを念頭に置き、ファンタジーだと
思って観てみたが、これは現代を生きる母子の話だと思う。
子供たちが成長するにつれ、野生と人間との自我が発達し、
そこに戸惑う3人が映るが、これは人間の子育てでも同じ。
おおかみだろうと、人間だろうと、子供はどんどん成長し、
あっという間に親を超えて離れてしまうものである。
最も可愛かったあの時、このクソガキが!と思ったあの時、
自らの子育てを振り返っては、何度も頷いて何度も泣いた。
大好きな相手の子供を、どうしても産みたかったのだろう。
自らがオオカミ男に恋をして、その正体を知っても怯まない、
この花という女性の強さにまず驚いた。女の強さって、
実際こういうところに顕れるものよねぇ。見た目じゃなくて^^;
まぁ花にしてみれば、好きになった人がオオカミ男でした。
そういう説明でしかないだろう。雪のナレーション通りだ。
このような境遇に於かれ、その後母親は全力で子供を守り
育てていかなければならないが、現代の閉鎖的な子育てと
ある意味似通ったシチュエーションにしたのが面白かった。
花は閉鎖的な都会から拓かれた田舎へ引っ越しを決める。
そこには、子供達を他人の目から引き離す為の意味合いと、
おおかみになっても飛び回れる環境を作る目的があった。
そもそも大学生からいきなり母親になったうら若き女子が、
二人の子供(しかも人狼よ)を育て、田舎で自給自足だなんて
どう考えてもあり得ないだろうし、まずムリな話である。
まぁアニメだからムリを承知で^^;観ることになるのだが、
ここで花はイヤというくらい、田舎からの洗礼を受ける。
意地悪ではない、むしろありがた迷惑なほどお節介をする
ご近所さんとお付き合いをしていくことになるのである。
これが彼らにどういう影響をもたらすか。人目に触れずに
育てることが、果たして子供達の幸せに繋がるのだろうか。
助けを求めずに育てるから、育児ノイローゼなんてものが
始まるのだ。子育てはすべてひとりでできるもんじゃない。
他人の好意には大いに甘え、そこから子供達のこれからを
勉強させてもらうのが一番。先人達は何しろ知識が豊富(爆)
結果(もちろん子供達の性格その他もあるにせよ)
花をはじめ、3人は自分自身でどう生きるかを選択する。
家族以外の人間(あるいは動物)と関わることで、他者との
共存を学び、其々社会へと出ていく下準備が整うのである。
あんなに小さくて可愛かった子供達が、ずいぶんと成長し、
どう生きるかで取っ組み合いのケンカを始めた時、
(もちろん花は驚いただろうけど)こうなることは分かっていた
はずである。あのおてんばな雪は、大人びた女の子に成長し、
(学校に行きたくて花に言う「うまくやるもん!」が可愛かった)
臆病だった雨は、口数の少ない決意を秘めた男の子になる。
親が、そうしなさい。こうなりなさい。なんて言わなくっても、
子供はなるべき姿に成長していく^^;これはどうしようもない。
人間の子供でもちょうど変化が訪れるこの年頃を、
きめ細やかな表情でよく描いた。この監督はこういうのが巧い。
だから個人的には終始、これはおおかみか人間かの話でなく、
親がどう生きてきて、それを子供がどう受け継いだか、の話だ
とずっと思っていた。冒頭から流れる雪のナレーションには
親を怨むような空気などどこにも感じられない。
オオカミ男の父親と恋に落ちなければ、引き継がなかったはずの
自分たちの運命を、やれ親が勝手だの悪いのと、そんなことは
まったく言ってない。母親がそうしたように、雪も雨も自分の
運命をしっかりと受け止め、生きていく決心をしたことに拍手を
贈りたい。自分の運命は自分で切り拓いていくものである。
親なんて本当にそこまでの、ほんの手助けができるにすぎない。
それをあたかも自分の持ち物のように占有し、年端がいっても
親離れができない、そんな子供に育ててしまうのは親の責任だ。
反抗期のない子供を素直でいい子だ。なんて勘違いも甚だしい。
反抗を許さず自立の芽を摘んでいるのは親の在り方に他ならない。
そして子供は、そんな親の生き様をどんな形にせよ身につける。
子供達がまっすぐ自立できる子育てができればと、
今さらながら(遅い!)思っているオバさんもここにいたりする^^;
花の姿勢を見て、とても勉強になった部分がある。
それが正解とはいわないが、強く生きて欲しい願いは一緒なのだ。
(宮崎あおい、ピタリと声を合わせたのはさすが。声優もやれるね)
ガッカリ。公式のあらすじ以上の事は何も無い。
CGで背景に動きをつけたのは新しいし、面白い。キャラクターを淡白目に描く細田作品にはあっていると思う。
内容はキャラクターの心情変化を中心としたエピソード集の様に感じた。物語として大きな盛り上がりを感じなかったので、映画でなくTVアニメのほうが楽しめたと思う。せっかく映画館で観るのにガッカリ
リアルとファンタジーの使い分けも下手糞。一家が田舎へ移り住む原因になるシーンに児童相談所?が出て来るが、これが物語りを中途半端に現実的にしてしまい、ツッコミどころ満載になってしまった。子供二人の出生届けを出している⇒おおかみおとこの死亡届は?⇒おおかみである事を選んだ雨の手続きは?田舎って狭いコミュニティーだよ?等々無粋な思いに駆られてしまう。ガッカリ
雪と雨の姉弟の絆も希薄な気がした。これなら別に兄弟にしなくても『おおかみこども』をテーマにしたオムニバス作品で事足りた。生き方が別れても家族の絆はあるはずだ。前作サマーウォーズで家族や人と人との繋がりを描いていたのに、花が田舎になじんでいくシーンぐらいでしかそれを感じなかった。
『人間として生きると決めた雪』と『狼として生きる雨』の二人が力を合わせて母のピンチを助ける、みたいなエピソードが最後に有ったらもっと盛り上がったと思う。
『現代の狼男』をテーマに話を作ろうと4.5人で飲み屋で話し合えば10組中6組はたどり着きそうな話で、大きな驚きも高揚も無かった。
コクリコ坂もだったがスタッフロールに入った途端に「これで終わり?」な消化不良感が残る。せっかくアニメでファンタジーなのだからもっと大胆に作ってほしかった。
脳内お山だらけ スーハー
初めに言っておきます。
僕は考察力も文章力も知識も無いため下記は小学生並みの感想文となっておりますのでご注意ください。
あまり前情報を得ていなかったので、イメージしていたものは子供たちの成長記録が中心の話だったのですが、母親の成長記録がこれほど描かれているとは驚きでした。
花ちゃん・・・いいですよねぇ。(決して変な意味でなく)
どんなに辛く不安で仕方の無い時でも笑顔を絶やすことはないその姿に具体的な生い立ちを想像せずにはいられなかったですよ。
そして、新生活を送るにあたっての母親力たるや。僕は屋根工事も農作業も経験があるのですが、体力に自信のある若い男子が胸の内で泣きながら仕事していたほど過酷ですのよ。汗だくでただひたすらに作業をするその姿たるやまるで修行僧のごとく。まあ、これはあくまでフィクションですけど実際の母ちゃんたちのパワーもこれに負けず劣らず感心してばかりですよ。
そして、危なっかしくていろいろと手のかかっていた子供たちが、いつのまにか成長し、いつのまにか生き方を決めている。見守るために必死でそれに付いていこうとするも分からないことが増えていく母のもどかしさ。先の方が書かれていましたが、決して狼人間の特殊さという訳じゃないんですね。
印象に残っているのは、雪が告白をする際のカーテンの演出。
三度目のカーテンで人として生きることを決めた雪の心を表現していて上手いなぁと感心してしまいました。ああいった演出は大好きです。
それと、雨の急な変化と本気の姉弟喧嘩。
経験あります。自分では理由なんてわからないけど、周りから突然「変わったよね」と言われる時があるんですよね。男なので女性については分かりませんが、男の子は体の変化と同じくらい急激に心も変化するのを思い出しちゃいましたね。
そして、姉弟喧嘩。これまた経験あります。
丁度これくらいの年のころ、姉と本気で喧嘩をし、暴力で倒してしまいました。それまでは虐められてばかりだったのに。泣き崩れる姉を横目に怒りで興奮した心の中ではどうしようもない後悔と悲しさも内包していたのを覚えています。その気持ちが、雨には人間として生きることはできないという決心を与えたのでしょうね。
他の方のレビューに書かれていたのですが、大沢さんはセリフのない日でもアフレコ現場に来ていて、それはラストの「ずっと見てた」というセリフを言うためだったのでは?というのを見て、どうしてあそこまで花ちゃんを愛おしく思う気持ちが伝わってきたのかが分かった気がします。
しかし、他の方もおっしゃっていましたが、どうしても納得のいかないシーンがあったのも事実です。ランドセルがあったのに教師はなぜ雪たちを探さないのかとか。ゴミ収集車とは何事だ、ましてや日本狼をとか。
学校置き去りはそのあとのシーンを作るための必要展開であるとか、ゴミ収集車は動物と人間との差をより浮きだたせるためのものだとか、そうした理由は分かるけどやっぱりおかしいなと思うところはありましたね。
まあ、見てる最中はそんなこと気にせず「どうなるんだ」とドキドキしながら見ていて、お隣の子連れママと一緒に感極まってましたけど。
雪を迎えに行かなかったやらなんとかは他の方と同じ考えです。
当事者の心情やら現状やら諸々を考えるとまさに望んでいた展開になったと思います。
時かけ、サマウォと見てきましたが、今作が最も心情を視聴者に委ねる部分が多かったと思います。主役の性格や抱えてる事の重さなんかも関係していますが、随所にちりばめられた間や原風景。全てを知っているわけではない雪の語りやラストの余韻なんかも考えさせられる要因だと思いましたね。
僕はそういった足りない部分の妄想、いや想像をするのが大好きなので今作は時かけと並ぶ、いや、それ以上に満足できた作品でした。
最後に、これを見終わって母ちゃんに会いたくなるのは自然ですよね?
また他愛のない話でもしたいなとしみじみとしています。
まあ、僕の母ちゃんは花ちゃん見たく大丈夫と頭を撫でるのではなく
「しゃきっとせえ!」と尻をぶっ叩く愛情表現方法しかしないんですけども。
素直に面白いと思えた作品。
突っ込みどころや腑に落ちぬ箇所もありましたが、素直に面白いと思える作品。
前作のサマーウォーズと同じく、細田監督作品に登場するお年寄りは非常に良い味を出している。
今回の韮崎翁も、ぶっきらぼうで手厳しくはあるものの
不器用なりに花へと自分の知識を教え込んでいるあたりがなんとも。
翁の左手薬指に嵌められている指輪が、その性格を物語っているよう。
所々説明不足で視聴者側に行間を読むように誂えられているようにも感じられますが、良い作品かと。
ラストの、嵐の日の告白と、素っ気無いと思えるほどの別離のシーンには胸を打たれました。
母親の花の性格を好きになれるかどうかで、評価が分かれるかもしれません。
乳幼児期の子育てを思い出しました。
とっても幸せになれる映画でした。
2時間おきのおっぱいと、夜泣きに悩まされ、花と同じく集合住宅での子育ては本当に気を使うし、よくぞノイローゼにならなかったもんだと自分を褒めてあげたいくらい。
歩けるようになればなったで、片時も目が離せないし、いろんなもの壊されたし、私の不注意で怪我させた事もあったし、うちの子が友達の子供に怪我させた事もあったっけ。
そんな思い出と重ねながら、素直に花を応援しながら見ることができました。
旦那について説明不足との声もありますが、私はむしろリアルだと思いました。
人が不慮の事故で亡くなる時って、実際そんなものじゃないですか?
遺族に「なんでそんな所にいたの?」「なんで回避できなかったの?」「どうしてこんな場所を歩いてたの?」という悔恨の思いをいっぱい残して突然目の前から消えてしまうのが普通じゃないですか?
突然亡くなった人の亡くなった理由なんて明らかになる方が非現実的です。
実際私の周囲にもシングルマザーは少なく無いですが、だいたいは旦那さんの事なんてよく知りません。
「あんな気さくでしっかりしたお母さんの別れた旦那ってどんなだったんだろうね」
「何があってわかれたんだろうね」
みたいにママ友間で盛り上がったりしますが、よほど親密にならない限りは根掘り葉掘り聞けません。
旦那のエピソードを深く描かなかった事で、花をリアルなママ友として見守る事ができました。
後は批判が多い学校置き去り事件。
あれも何で批判されるのか私には意味が分かりませんでした。
一生の別れになるかもしれない弟と、学校というこれ以上ない安全な場所にいて、信頼している姉。
母親としてとる行動はあれしか考えられないと思います。
きっと嵐の後の学校で涙顔の花の顔を観て雪はすべてを悟り、抱き合って泣くんだろうなって想像しちゃいました。
ラストで花一人になった家の中の描写が素晴らしく暖かくて、エンディングの回想シーンで涙がぶわってなってとまりませんでした。
他の方も書かれていましたが、あと10年分の成長を見守りたかったなあと名残惜しい気分でいっぱいでした。
雪が母親になるエピソードを続編としてみてみたいですね。
小さい子には向かない映画
サマーウォーズで期待しすぎた感は否めない。
劇場は小さい子連れが多かったが、
途中で飽きてて映画そっちのけで、遊んでいたのをみると
小さい子供にはマッチしない内容だったと思う。
内容は可もなく不可もなく。
おおかみこどもを育てる話。
特に印象に残った部分もない。
原作を読んでみたくなる・・・そんな作品でした・・・
特に監督のファンではないのですが、前評判も高かったので昨日見てきました。
本当はすごく悲しい「別れ」のストーリーのはずなんでしょうが、「花」さんのキャラクターによって僕自身が「救われた」気がしました。涙を流しながらも笑顔を絶やさず、自らも強く生きながら同時に二人の「子供」を育て上げたその姿には感動を覚えました。このキャラクターは圧巻です。
”人工物”と”自然”・・・”都会”と”田舎”・・・そして”人”と”オオカミ”・・・その二つの”世界”の境目で強くたくましく生き、そしてそれぞれの”生きる道”に分かれていく母子の姿に本当に感動しました。
「人というものは、良いことをしながら悪いこともする・・・また悪いこともしながら良いこともする・・・」これはある有名時代劇の主役のせりふです。
泣きすがる花を邪険に押しとどめながら”おおかみおとこ”の遺骸を無造作にゴミ収集車に放り込む清掃員・・・ぶっきらぼうながら、花のことを心配して農業指導をしてくれる菅原文太さん演じる老人・・・何気ない言動で知らず知らずとはいえ雪の心を傷つけながら、しかし一方でかたくなに雪の”秘密”を守り通した草平・・・そんな人間の”暗”と”明”の描かれ方が特に印象に残っています。
ただ・・やはり惜しむらくは・・ラストの描かれ方でしょうか・・・
たしかに”自然”に帰った”雨”と人間として生きることを選んだ”雪”・・・そして二人の狭間で二人の生きるみちを”繋ぐ”ようにこれから先生きて行くであろう”花”・・・この三人が昔のように一緒になることは無いのでしょう・・・
ならばこそ、もう少し別れのシーンに力を入れてほしかった。あるいはラストに後日談でも”雨”と”雪”の再会シーンあたりが欲しかった気がします。たとえ言葉を交わさなくても、二人の間ではそれで十分でしょうから・・・
そうちゃんかっこいい!
お父さんの狼が死ぬとこ以外は物語がきれいすぎて前半はちょっと退屈。
花の辛い顔一つ見せず子育てを頑張る姿は、こういう時代だからあえてかなと思いました。
自然の風景とかよりももうちょっと人同時の葛藤を見たかった。
あと、ほのぼの感を出してる感が出過ぎ。もうちょっとナチュラルにほのぼのさせてほしかった。
最後はぐっときた。
革命的なアニメ。母親の凄さに涙。
2度の出産立ち合いと、乳幼児期の壮絶な育児を経験した父としては、あまりにリアルな描写に、当時の思い出がフラッシュバックして、どっぷりと母親目線で最後まで見てしまいました。
父親の描写を最低限に抑えたからこそ、花のキャラクターが際立ち、謎を残したまま死んだ所も非常リアルで、絶望から子供のために再び立ち上がるまでの感情移入がしやすくなって上手い演出だなぁと思いました。
マイナス意見が集中している嵐の場面で花が雪をほったらかした部分も、親として当然の行動だと思いました。うちにもしっかりした娘と、ほっとけない息子がいます。あのような場面に遭遇した時、まず迷いなく自分達から離れるかも知れない雨を追うでしょうね。雪はしっかりした娘で、しかも所在が学校です。まず選択の余地無しで雨を追うと妻も同意見でした。鑑賞中もそんな母親目線で見ていました。
だからエンディングのアルバムをめくるような映像で涙がこみ上げてどうしようもなかったです。
この映画を鑑賞するには「行間を読む」スキルが必須で、それが1と5のような極端に意見が割れる由縁でしょうか。もっとも、1をつけている人のレビューを読むと、へルタースケルターもそうですが、最初から批判コメント書くためにあら探しに劇場に行くような人がいっぱいいると感じます。世の中には絶賛する人がいっぱいいると、批判したがるへそ曲がりがたくさんいますので、1が多いのもある意味でこの作品の凄さの証明と言えるかも知れませんね。
細田ファン以外はDVDとかでいいいかも…
多くの方がおっしゃっているように
「映像と声優陣の演技」は素晴らしかったと思います。
ストーリーは有り体で退屈なんだけど、
子供たちのシーンはかわいくて、いいなぁと思いました。
気になったのは、おとぎ話というわりには、リアリティをざっくりと
織り込んでいるので、作品の世界観がぶれているように感じした。
そのせいでしょうか、いまひとつこの作品に入り込めませんでした。
たとえば、清掃車に狼の死骸を入れるシーンがありますよね?
あんな都会で狼が死んでたら、一騒ぎになると思うんですが…
この作品のテーマは母親像だったり、子育て、親離れだと思います。
しかし、現実の母親ってもっと苦悩して子育てしてませんか?
あんなに問題の多い子供たちを、1人で苦労を背負い込んで、
お金もなくて、相談相手もいない。
これってシングルマザーの方が追い詰められている
要因ではないでしょうか?
でもこの作品の「はな」は子供たちにキレることはありません。
ひたすら笑顔でがんばって子育てをします。
どなたかもレビューで書かれていましたが、
この描き方が男性としての理想の母親像に
偏ってると感じました。
おとぎ話だから、母親が精神的にまいっていく部分って
描かなくてもよかったのでしょうか。
自分は深みが感じられませんでした。
心には残らないPVのような作品でしたが、
映像がかわいかったので、我慢できました。
孤独に慣れた現代への優しく激しいアンチテーゼ
ネット社会の反乱をという今時のテーマを賑やかに描いた前作『サマーウォーズ』とは一転、台詞は極力省き、異端な家族の純粋な愛の成長を静かに追った御伽噺に仕上がっている。
対極の世界観に位置しながらも人間が触れ合う洞察力は深みを増し、アニメにあまり興味の薄い人間でも、最初から最後まで涙が溢れ、止まらなかった。
会話を想像させながら愛を読ませる序盤の味わいは、アニメというより詩の世界に近い。
例えたら、小田和正とか斉藤和義とかかな。
狼に変身してしまう者が家族であるため、夫婦愛に始まり、親子愛で暮れる道のりは、決して平坦ではない。
正体を知られたら命すら危ぶまれる身体だからだ。
自身の運命を受け止め人間社会に溶け込もうと前向きに生きる姉に反し、人間との共存を拒絶して狼の生活を選び、自然界へ戻ろうとする弟。
各々の苦悩と衝突を見守る母親も、自給自足の日々に悪戦苦闘し、村の仲間達の交流を深めていく事で、一家全体の成長へと広がっていく。
緩やかに、それ以上に激しく人生をうねりながら…。
そんな絆の実りを、手間暇かけて育てた野菜が象徴し、やがて訪れるそれぞれの旅立ちを優しくも鋭く覚悟させる。
夫との出逢いと別れが唐突過ぎたのは難だが、独りに慣れっこになった今の自分に、分かち合う大切さを教え込まれた気がした。
孤独社会への強烈なアンチテーゼが観る者の涙の源流になっていると思う。
止まらない涙を拭きながら、最後に短歌を一首
『優しさが 怖いと吠えて 月明かり 土と育む 旅立ちの朝』
by全竜
声優人と絵に助けられた作品
主役である花の声を担当した宮崎あおいさんは、子供向け童話で3歳半の声を出していますし、映画やドキュメンタリーのナレーションの仕事も多いので、声優としても一流ですね。宮崎あおいの声ではなく花だと思ってしまいました。それと映像が繊細で、背景の花まで動かすという、いままでのアニメでは考えられないような技術を使っておられます。
そう言う面では、素晴らしいアニメ作品だと思います。ただ、最後の詰めが今一でしたね。(ここで感動して大泣きするだろうと思って、見ていたんですけどね)
作家ではない細田監督のオリジナル原作なので、仕方ないかも知れないが、最後にもっと感動的なシーンが作れたような気がします。その理由は、
1.雨と雪の分かれのシーンが無い。ラストで、お互いの生き方を確認して、自分が選んだ道をしっかり生きようと涙で誓うようなシーンを最後にして欲しかった。(それを花が見届けて、二人とも「しっかり生きて!」と言うシーンにつなげられたと思います。記憶では、二人が狼に変身して大喧嘩。負けた雪がお風呂に入って泣くところが姉弟での最後のシーンだったと思います。
2.自分が雨を探しに行くのなら、誰かに代わりに雪を学校へ迎えに行ってもらう手配もせずに、雨のみに集中したのかも疑問です。あそこで、雪が自宅に帰ってきていたら(転校生も一緒でも良いし)、花と雨が居ない事に気が付いて、狼に返信して探しに行けた筈。そうすれば、素晴らしいラストになるのにと思いました。(転校生に自分の正体を明かす事にもなるし)
私の考えは、ありがちなストーリーですが、そこを上手く脚色し更に感動的なラストにして欲しかったと思ったので評価は4にしました。
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