おおかみこどもの雨と雪のレビュー・感想・評価
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「彼」が物語から退場するのが早すぎか?
狼との混血種である「彼」が物語から退場するのが早すぎる。
サマウォーズでも陣内栄という登場人物が序盤あたりで死亡した。
細田守の映画はキーパーソンを早期退場するのが手法なのかな?
面白いのにタイトルで避けてました。
おおかみにんげんという設定で頼る人がいない中、
生き方を模索する大人向けアニメに感じました。
先の展開が読めず死ぬ系かなと思ってたら
雨と雪はそれぞれの生き方を自分で見つけ出し、
花は心配する自分を信じることで納得させる。
それぞれにまだ不安は残るけど、自分の道を歩んでいく。
信念を持って生きたいものです。
しかも描写が細かい。
最近色々な映画を見てきたけど、日本のアニメにも表現のすごいのはまだまだありそうですね。
あと気付かなかったけど声優が凄かった、宮崎あおいとか大沢たかおとか林原めぐみとか。
楽しい映画でした。
泣きそうになった映画
自分の中で一番良かったシーンはラストシーン。
雨の遠吠えが「大丈夫だよ、心配しないでお母さん」と言ってるように聞こえて涙腺が緩む。
その後の花の「元気に生きるのよ!」で涙があふれそうに。
あの遠吠えひとつで雨がちゃんと大人のオオカミに育ったことを理解したんだなぁと。
そして映画が終わったあとに流れた主題歌、「おかあさんの唄」でラストシーンを思い出してまた涙が…。
一つ「ん?」って思ったのが雨の少年期が年齢の割に成長しすぎていたような…。
そこはオオカミだからなのかなぁと自分を納得させて。
でもやっぱり総合して考えるとよかったと思う。
また見たいと思える映画だった。
見たことのない時をかける少女やサマーウォーズを見ようかなぁと思えた。
最後にグッと泣けました。全編ほんわかな母親の愛
劇場は子供がグズル予想だったので・・・DVDを待ってました~。
子供と一緒に鑑賞しました。おおかみと結婚して
間もなく・・・死んでしまう夫。
残された妻はおおかみと人間の子供2人を一人で育てるんですが~
まだ・・・おおかみと人間とをうまくコントロールできない子供達。
おおかみになったり、人間になったり・・・
無邪気に騒ぐ子供達はとってもかわいかったです。
やがて・・・とある田舎に家を借りて生活を始めるんですが・・・
子供も成長して・・・姉は人間として・・・
弟はおおかみとして生きることを共に選んでいくのですが。
最後は弱虫だった弟が力強く・・・おおかみとなって山に行ってしまうんですが・・・
このシーンは子供も号泣。私も子を持つ母親として我が子が自立して
自分の元を去ってしまうのはせつなかったです。
全体的に映像美がとっても美しく、
草や風の香りが漂ってきそうな風景が印象的です。
最後の最後でグッと涙がでましたので
最後までストーリーに身を任せ
ゆったり楽しめる作品でした。
子供にもとってもおススメな作品です。
深イイでしょ!!
てっきりひっそり隠れて生活してたが狼人間とバレてあたふたする映画かと思った。
これは家族愛の話だな~。
雪の幼児期は育児あるあるすぎて笑った。
自我が出ると半分狼になる所がリアルにうちの子のイヤイヤのイメージそのままw
雨の夜泣きにクレームつける住人。
雪が乾燥剤飲んでしまう所。
あとは忘れたけど、育児の大変さをうつしてる。
狼人間とする必要があったか?とレビューに書いてあったけど、設定が人間だったら普通の地味すぎて退屈な映画だったと思う。
ただの客寄せ的な設定だと思うけど育児に対してはもの凄く共感できる。
雨が狼として生きる所は特に考えさせられる。
花の『山に行っちゃダメ!!あなたはまだ10歳の子供なのよ!!』は親が思い描いた生き方を子供に押し付けてるあたりが子離れできない親を想像させてくれる。
狼人間じゃなくても世の中には子供の自立に反対する親もいる。
『しっかり生きて!!』は子供の生き方、存在を認めた親の姿だと思う。
この作品は設定が飛び抜けてるのに内容がスローで、あえてそこがとても良いです。
ただなぁ~(。-∀-)
色々無理がある設定でモヤモヤw
シングルマザーで世間から閉鎖的で育児してたらイライラだってあるはずなのに花はいつも穏やかに子供に接する。
↑がなんだか人間らしくないし、嘘くさく感じた。
もっと苦悩とか花が弱音を吐くシーンを出しても良かったと思う。
カ―タンの映画レビュー
見終わって、暫く経ってから感動する映画がある。
それとは逆に、観ている時は気にならない事が見終わって腹立たしくなってくる映画がある。
細田守が監督をした『おおかみこどもの雨と雪』は、まさに後者の映画だ。
本作には見終わって、となる部分が多い。
例えば、宮崎あおいが声をアテている主人公は奨学金とアルバイトで行っていた大学で、何故、正規の学生じゃない男をいとも簡単に好きになってしまうのか(影のあるイケメンだから)。
実は狼男である、そのイケメンは何の為に大学の授業に出席していたのか(あわよくば、交尾する相手を探してた)。
そして、何故、二人は避妊もせずにセックスをするのか(狼男に避妊の概念がないのかもしれないが)。
とにかく、そんな調子で物語はサクサクと進んでいく訳なんだけど、そもそも、このアニメは家族で観る事に適しているのか
なるほど、確かに、狼と人間の合いの子である雨と雪は可愛いかもしれない。
主人公が女手一つで子供を育てていく過程に感動もするだろう。
偏見や差別というテーマを深読みさせる細田守の意図も理解出来る。
いや、本作の真の狙いが偏見や差別だとしたら、尚更、狼人間という部分は要らないんじゃないだろうか(狼人間を在日三世や不倫で出来た私生児に置き換える事が可能だ)。
本作を観ていて、誰もが思い出すのがジブリの名作と言われる『となりのトトロ』だろう。
俺はアニメに詳しくはないんだけど確か細田守はジブリで監督する予定だった『ハウルの動く城』をクビになった筈
そして、その悔しさをバネに『時をかける少女』を作り、成功させたんじゃないのか
しかし、本作には『となりのトトロ』と、いくつか共通の匂いが感じられる。
一つは、本作の狼人間と同様、『となりのトトロ』がトトロを出さなくても成立する物語である点。
そして、もう一つが、嫌らしいマ―ケティング戦略の匂い――。
確かに『おおかみこどもの雨と雪』は良く出来た作品だ。
しかし、俺はアニメとして、本作を好きにはなれない
たまに暇な時見返そうと思える
想像していたものと少し違ったのでいい意味で楽しめました。
劇中に登場する様々な要素、描写に複合的な意味合いを感じますが現代社会に於けるあれやこれやっていうのは割愛しながら読み取ると、「母の生き様」という点を主題とした作品であると感じました。それは「花」「雪」「雨」という名前からも読み取る事が出来ます(考え過ぎか?とも思いましたが、まあそんくらい考えなきゃ映画とかつくれないっしょ)
設定としては「誰もがおおかみ」的な文脈を隠喩しているという解釈で間違いないかと思います。子供の人生は時として大人より過酷です。雪の「はやく大人(普通の人)になりたい」という台詞はそういった視点で見た時の子供の心情がせつなく表現されていてちょっと好きでした。
問題は「おおかみの子供産んじった!」っていう部分と「親子の成長のリアリティ」の調和のさせ方です。つまり、もしこんな事が現実にあったとしたらこんな風景があるよね?っていう描写。
極端な話この設定であれば生まれる前から子供達が子供を産むまで描ける部分はあるはずなのですが作中では雪が中学校進学するまでしか納めておらず、その中でも明らかに幼少時代の描写が執拗に施されています。嘔吐のシーンや授乳でちゃんと乳首も出すあたり、決して綺麗に描こうとはしていない意思を感じました。物語の焦点を「花」に合わせる意味もあったと思います。私的には「監督子供うまれたのかな?」って思いました。かと思えば「貯金だけであそこまでできるかよ!!」とか「そんな華奢な身体で畑仕事できねえだろ!!」とかツッコミどころも多々あって。うーん、つまり風景描写に偏りがあります。その辺は意見が分かれると思いますし、この作品に対してネガティブな感想を持っている方は描きすぎている箇所、ふわっとさせている場所が目についた、という意見が多いのかなとも思います。私は嫌いではないです。
非常に良かった!けれど…
非常に良かったです(^-^)
割とオーソドックスな感じもあり、少し先の展開が読めると言った感もありましたが、個人的にはもう泣けるシーンの連続でした。
アニメでは表現しずらそうな細かいトコロも良く出来ていた箇所もあったと思います。
声優もgood!
成長した雪と雨がおおかみの姿で喧嘩し、雪が雨に全く歯が立たず風呂場に逃げ込むシーン。なぜかあそこが凄く泣けました(笑)
非常に良かった!…んですが、個人的にいくつか。花の夫、雨と雪の父親の死の原因があやふやだったこと。強く、優しい母なのは素晴らしいが、花が一度も我を忘れるくらい激昂しなかったこと。(例えば雪が男の子を怪我させてしまったシーンや、雨が山に行こうとするシーン。叱りはするんだけど…もったいなかったと思う。)
あと、欲を言えば、雪の中学入学のタイミングで物語が終わってるんですが、雨が山に行く決断の時期も含めて、もう少し大人になるまでを描いて欲しかったです。
色々言いましたが、 好きな映画です(^-^)
泣けたけど少しもやもや
花はいつも笑顔でいる、悲しくても笑顔という映画的な設定だったと思うのですがわたしの中では常にどこか物悲しいイメージが残りました。そこをもうキャラ設定をはっきりとしてほしかったと思いました。みなさんがどのように感じましたでしょうか。
でも映画自体はとても泣きました。特に雨が森に行く時、良く分からないけど泣けました。
不思議とリアルな家族関係
“細田守監督の最新作”それ以外には何の前情報もなしに劇場へ行きました。
監督の作品は『時かけ』『サマーウォーズ』を視聴済みです。若干話を忘れてますが。
良い映画です。視聴後は、前二作同様に朗らかな気分になれる映画だと思います。
狼と人間の混血児を持った母親の育児体験記という、いささか大胆な設定のお話なのですが、その実、意外とリアルな現実の親子像・家族像を表現しているんじゃないかなあと思い、共感出来る点も多かったです。
特に、雨と雪が全く正反対の道に進むというストーリーは、実際自分も兄とは大きく違う事に興味を見出し、衝突もしながら別々の道に進んだ経験があるので、とても共感が出来ました。
他にも、親の意志に反して成長してしまう子供の姿であるとか、気づかない内に身も心も大きくなってしまう子供の姿であるとか、こうした一般的な親子関係が、狼と人間の混血児という大胆な設定によって強調しながら表現されています。
一方で、少々不可解な点もいくつか。
まず、雨が山に入るのを何故そこまで花が嫌がったのかです。
そもそも、狼でも人間でも、どちらの選択も出来るように人里離れた山奥に居を構えたのではなかったのでしょうか?
だとするなら、花はそうした雨の選択を尊重できるはずです。
仮に咄嗟の親のエゴで快く思わなかったとしても、当初は“先生”に対しても挨拶に行くなど理解を示していた描写もあった訳だし、あれほど必死になって(雪の存在を完全に放っておいて)山の中を探しに行く理由がよくわかりませんでした。
また、後半にかけて展開が早くなり、小学校卒業で話が終わってしまうのもちょっぴり尻切れトンボな気がします。
さぁ!これから思春期だ!面白くなるぞ!って所で終わってしまうのです。
可能ならば高校卒業くらいまでは描いて欲しかった。そして、雨が山に興味を持つのも中学生とかの方が自然です。
いくら狼と言えども、半分は人間なので流石に10前後で親元を離れるというのは違和感が。
と言っても時間の関係上ここは難しそうですね。
雪が草平くんに秘密を打ち明けるシーンも意外とあっけなかった。
秘密を打ち明けるのではなく、何らかの事件でしょうがなくバレてしまう。
でも実は草平くんは元から雪が狼である事を知っていた、それを黙っていた。
そうした草平くんの心遣いを知った雪は草平くんに心を開くようになる。
こういった展開の方が、すんなり感情移入できる様な気がします。
(個人的な妄想全開ですが笑)
あとは、もう少し花に人間味を持たせても良かったのではないかなあと。
どんな辛い事にも耐えて一人でやり、笑って、可愛くて、あまりに欠点が無さすぎる様な気がします。
普通なら、いや、普通でなくとも育児放棄寸前の所まで行きそうなもんですが、そうでもないのでしょうか?これくらい普通?(子育ての経験は無いので笑)
とまあ、高評価の割に色々書きましたが、全体として大胆な設定を上手くまとめあげていると思います。
やはり、雨と雪がそれぞれ別の道に進もうと選択していく心理変化の過程。
これはそれぞれしっかり描写されていて、素晴らしいと思います。
映像は特段美しいという訳では無いと思いますが、細田監督作品らしく、登場人物達の表情の変化には注目だと思います。本当に豊かな表情を見せてくれます。
宮崎あおいさんの声も違和感が無くかなり合っていると思いました。
スタッフロールで彼女の名前を発見して驚いた位です。
2時間の上映時間はあっという間でした。
見終わったなら、自分の子供時代に思いを馳せるも良し、現在絶賛育児中のお母さんは、育児の活力にするのも良しでしょう。
そういう自分は、雨や雪のように狼モードになりたいなあと思いました(笑)
なんとも言葉にできない
子育て、葛藤、自然、共生共存、秩序、慣習、子離れ、親離れ、独り立ち
・・・でファンタジーな。感じ。
絵がキレイだったなー。
大沢たかお と 宮崎あおい の声に癒された~
それだけでもGOOD!
子育てについて考えるきっかけ
全くの事前知識なしで家族と見に行った。アルプスの少女ハイジ
のような大人も楽しめる子供向け映画を想像していたのだが、予
想とは違い、子を持つ大人向けに訴えかけるものがあったように
思う。
アニメはジブリアニメを見る程度で、それほど詳しくないのだが、
描写がお見事。都会のシーンについてはディテールまで丁寧に、
田舎のシーンも草木や水、雪の描写まで丁寧に書き込まれている。
自然を扱ったドキュメンタリーなどの実写映像だと意識せずに眺
め過ごしてしまう風景描写が、アニメだと風景の輝きや妙のそれ
ぞれに印象を残す。
ここまで細分にこだわっているからこそ、物語で監督が訴えかけ
たい問題に説得力がでてくるのではないかと思う。
他人との交流を最低限にしてもやり過ごせた日常と、子を持つ事
で否応なしに周囲との軋轢を生む現実の対比。うがち過ぎかもし
れないが、障害児を持つ親の立場についても監督は注意を払って
いたのではないだろうかとまで思える。
田舎暮らしも単に自然万歳ではなく、DIYの厳しさや近所の助け
合い精神が描写されており、単なる田舎礼賛を連ねるだけの作品
ではないのが見て取れる。
でも一番監督の言いたかったのは母性と父性の問題ではないだろ
うか。
父親が雨と雪の幼少期に亡くなってしまい、母一人、都会で子育
てをし、さらには田舎で一からの暮らしを作り上げる部分は果た
してそれが可能か?という突っ込みもあるけれども、あえて現代
のママさんたちに頑張ってほしいというエールを送っているのか
もしれない。
父である私にとっては父性の問題についても考えさせられた。作
中では子育てに父が関与しないがために、却って父性の重要性が
提起されているように思う。それは韮崎の爺さんや、おおかみの
先生が彼ら一家にもたらす影響によって、想像し得る。
男と女のそれぞれの生き方を決める上で、女は環境に順応し、男
は父性と本能に導かれるままに、女親から離れていく。この見方
が生物学的に正しいのか私にはわからないが、今の情報氾濫の世
の中で子育てについて迷う私を含めた親たちにとって、示唆を与
えてくれているのは確かである。
下の娘(雨と同じぐらい)にとっては退屈に思えたかもしれない
が、上の娘(雪と同じぐらい)にとっては、自分のこれからを決
める上で考えるきっかけになればよいなと思った。
余談だが、子作りのシーンらしきものが冒頭に少し。本作品は子
供にも見てもらうことを十分に考えていると思うのだけど、ここ
まで描いてしまうんや、と思った。参考になった。
'12/09/23 ワーナーマイカルシネマ 多摩センター
父親不要論?
子を持つ父親としては、父親が死んで・・・というシチュエーションによる父親不在、母親だけががんばっている風なストーリー展開というのはさびしい。精神的支柱にはなっているようだが、母子の絆は強調され、父親はいなくていい存在のように描かれる部分で、手放しには賞賛できないものを感じる(この作品としては妥当な展開とは思うが)。
父親の遺影が自動車免許証だったりするが、戸籍、身分証明はどうしたのかとか、それに付随して死亡届はどうしたのかと言った部分が気になる。
ファンタジーにしては妙にリアリティがあるのも困り物。
そのくせ、雪山で遊ぶシーンはまるっきりアニメ映画だったりするわけで、やや感情移入がしにくい部分を感ずる。
ラスト、子供たちが旅立ってしまうところに寂寥感が漂い、締めは良かったと思う。
良いお話(作品)ではあるけど
この作品は良いお話ではあるんですけど二時間ちょっとでは到底足らないでしょう。(もう少し最後まで描いて欲しかった)
最初に雪と雨の幼少期のシーンが長すぎるように感じました。
この作品子育てをメインテーマにしてるのは分かるんですが雪が中学生になったところで「えっ、ここで終わるの。なら冒頭の雪のセリフはなんだったの?」と声に出してしまいたかったです。
ところどころに雪のセリフが入るけど、「んっ、この作品は雪が昔を懐かしむように思い出しながら進んでいくなら花はもう亡くなられているのかな」と周りの皆さんに聞きたかったです。
次に雨が10歳かそこらで将来を決めるのは早すぎるのでは?
人間でそのくらいの歳に将来の意志を決める子はいてもおかしくはないけど
いくらおおかみこども(人間とおおかみの年齢は違うけど)といえども早すぎるなーとツッコミを入れたかった。
楽しめる良い作品ではありますけどこの二点だけはどうしても考えてしまいます。他の方々はどう思われるでしょうか?
日本の大自然と、いきいきとした子どもたち
たくましく生きるヒロインと子どもたちが印象的な映画でした。
雨ちゃんが耳をにょきっと出して、「ママぁ!」というシーンが好きです。
心があたたまる、なくしたものをとりもどせるようなすてきな映画でした。
ファンタジーだけど甘さもゆるさもなく、リアリティのある不思議な映画。
子ども向きというよりも大人向けかもです。
子育てはおとぎはなし
おおかみのこどもだから、おとぎはなし?というのではなく、育ち盛りの
こどもを育てるすべての親が感じる、おとぎばなし。
いつのまにこんなに大きくなったのだろう、寝顔をみていると、ふと思う
ことがある。いつしかたくましくなって、そのまま巣立っていってしまう
のではと、親の勝手なセンチメンタルに浸る。
次世代へとつないでいくことの大事さと厳しさを感じさせる、雨と雪の
旅立ちの姿。あぁ!親って切ない。
何かが足りない?いやむしろ多すぎる?
子供の無邪気さやかわいさ、成長して行く中での心の葛藤は伝わってきたけれど、
肝心の主人公である母の気持ちがわからず、
なぜそこでそうする?なぜあそこでああ言った?と言った共感できない箇所が多かった。
「時には悩みながらも一人で気丈におおかみの子供を育てる母の物語」
そういう先入観で観ていたからなのか、観終えたときは複雑な気持ちだった。
上記のようなテーマであればもう少し花に視点を当てて描いてほしかったし、
「2人のこどもの成長」と言うテーマであれば、
それはそれでもう少し2人に視点を当ててほしかったような気がする。
なんと言うか、花と子供たちの数年分の暮らしを表面だけさらーっと観た気分。
テーマがひとつでなければいけないわけではないけど、
詰め込みすぎて薄くなってしまっているような。
花の仕事の部分とか、畑の描写とか、物語ではなく単純に「日常」の部分が多かった。
父が死ぬ意味が一番よくわからない。
母一人で育てると言う事に意味があったのかしら。
父が死んでても生きていても物語に大した支障がない気がする。
むしろそっちが観たい。ここは完全に個人的に思う事だけど。
散々こんなに言ってはいるけど、
最初のおおかみ男と仲良く暮らしているあたりはほのぼのしたし、
涙が出そうになったところもあったし、
なんだかんだで楽しんで観させてもらえたんだと思う。
とにかく、雪がかわいい。
もやもやして最悪の後味
正直ガッカリしました。
同監督のサマーウォーズがイマイチだったことと、おおかみ男(旦那)が死ぬだろうな~と予想ができていた事、最後はスッキリ終わらないであろう事などがわかっていた事などからこの映画を観たくなかったのですが、いざ劇場で目的の映画が満員になり、友人に誘われ仕方がなく今作を観る事となりました。
この映画はできれば観たくないというほどハードルが極端に下がった状態で観たこの映画ですが、そのハードルを大きく下回る内容で驚きました。
途中、幸せそうな家族の生活を観ていて「あぁ良いな~」と心温かくなる場面もありましたが、何よりラストスパートからのエンディングの流れで全て吹っ飛びました。
最後、雨が嵐の中母親に黙って山に入っていく場面では「何故一言も断りを入れないのか?」という想いでいっぱいでした。
母親が心配して追いかけてくる事なんて容易に想像できるのに、傷だらけでボロボロで、死ぬ直前まで母親が追い込まれたのにも関わらず、最後遠吠えして終わりって何ですか?
謝る言葉も無いし、苦労して苦労して必死に育ててきた母親の姿を見てきた自分には全く理解できません。
しかも、その遠吠えに納得して笑顔になる母親の心情も訳がわかりません。
1秒前まで泣き叫んでいたのに、遠吠え聞いて良かったねって、ギャグですか??
「良い映画だった」とか「深い内容だった」と賛否分かれるようでしたが、何をどうみてそうなったのかわかりません。
何より、この映画はプロローグで。ここからやっと本編が始まる感じが凄くします。
というよりここからの物語が観たいのに、ここで終わり??といった感じ。
細田監督の作品からいって、おおかみこどもの続編は絶対に無いと思いますから、「ここからはあなたたちの心の中で」という終わり方が気に入りません。
小説でもそうですが、結末を読者任せにする作品は全く良いとは思えません。
結末等をその映画の中で完結させてこその映画監督の腕でしょう。
とにかくスッキリできず、もやもやもやもやしながら帰宅しましたが、まだもやもやが取れません。
正直、「観なければ良かった」とまで思えます。
良かった部分が無いわけではないですが、それ以上にひどい結末にガッカリした作品でした。
時をかける少女は好きですが、サマーウォーズ、おおかみこども共にイマイチで今後の細田監督の作品は多分自分には合わないようなので、避けるようにしたいと思います。
※また、「いやいやラストは良かったよ!」とか、あの最後は「~~の感じが逆に良かったんだよ」などのコメントがあれば是非お願いします。
もやもやして歯切れが悪いので、私の気持ちをスッキリさせるコメントがあれば助かります。
「おおかみであること」
とても良かったです。
ジャンル分けなんて意味が無いんですけど、さらっと見てしまうと、もしかしたら いわゆる"子育てもの"だったり、"田舎暮らしもの"だったり、"女性映画"だったり、そういう見方だけで観てしまうかも知れません。でも、それだけだと、ちょっと食い足りなかったり、引っかかったりするとこもある、"普通の佳作"と感じてしまうかも。
この映画、その前に、"おおかみ人間もの"なんだと思います。(…そんなジャンルがあるのかどうかは知りませんが^^。)
その見方で見ると、"おおかみであること"というテーマについては、徹底して考えられ、作りこまれ、思いが込められている素晴らしい傑作だと思います。
それは、よくあるような言い方で言えば"誰もが心のなかに持っている野生"みたいな意味です。
でも、"心の中"というよりもっと自分の肉体に近い"本能"みたいなもので、…"おおかみ人間”というモチーフが、やはりベストですよね。それでなければ描けないものを、しっかり、深く、ていねいに描いてくれていて、だから自然に涙が出ます。
"彼"の"おおかみである"からこその誠実さだとか、生きづらさとか、孤独とか。
こども達の"おおかみであるからこそ"の歓びだとか、自由さとか。
雪の"おおかみであるからこそ"の恐れとか、恥ずかしさとか。
雨の"おおかみであるからこそ"の人間への恐怖だとか、疎外感だとか、誇りだとか。
人間社会の中でおおかみであることは、不便で不都合なことばかりで、花は苦労ばかりです。
でも、だからこそ、雪の上を駆け抜ける開放感で、観ている方もうれしさが爆発します。
雨が親元から旅立つ時の遠吠えの晴れやかさが、親として子供に何よりも望む"本当の自分として生きること"を知らせてくれて、花と一緒に報われるわけです。
アニメという"絵空事"だからこそ自然に描けて、自然に描けるからこそ心に響く…。
映画作家としての細田監督が、自分と観客に誠実に向きあって作られた作品だと思います。
子育て経験がカギ?
独身子育て経験なしなのですが、案の定この映画に共感することができませんでした。
映像やエピソードにはところどころ感動はしたし、心情を理解することはできたんですが、
どうも花の人間性の部分であるとか献身的な母親像に居心地の悪さというのか、違和感を感じてしまって結局最後まで共感できませんでした。
ラストの雨の巣立ちを見送る部分は花の我の部分も見えて少しホッとしました。
ここの書き込みを見ていると「子育て」経験の有無で見方が変わってくるようなので、
将来そういう経験をした後で改めて観てみようとは思いますので、
自分があまり楽しめなかったからといって人にはすすめられない映画かというとそうでもないので不思議な映画です。
全110件中、61~80件目を表示