おおかみこどもの雨と雪のレビュー・感想・評価
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花さんが幸せでいてほしい
あの時死んでいた狼が実は大きめの野犬で、旦那さんは生きていて、子供たちが巣立って一人暮らす花さんの前に現れてほしい。。
花さんがとても健気で、可愛らしくて、優しくて強くて理想的な母親像で、でも母親というには若くて時折少女のようにも思え、本当に魅力的な女性だなぁと思いました。
雨くんが巣立っていく過程では自分も家族の一員かのように寂しくて( ; ; )激しく感情移入してしまいました…。
山に移り住んでから畑の作り方教えてくれる怖いお爺さんとちぐはぐなお爺ちゃんズもめちゃくちゃキュートで笑ってしまった。
イライラする映画でした
細かいところに現実味を求める人や、ご都合主義的な展開が気になる人には合わない映画かなと思います。
特に花の振る舞いには終始イライラしました。
具体的なシーンとしては、おおかみこどもは人間の理解を得られないと決めつけて、病院に連れて行かなかったり、児相を追い返すといったところ。
周りに助けを求めようとする姿勢があって、拒絶されたり、失敗した結果の行動であれば、まだ溜飲は下がったのですが
花のイメージは「自分勝手な子育て論を絶対として、子供のためという建前の元にただ自分のやりたいようにやっているだけの親」になってしまいました。
子供2人いて貯金を食いつぶす生活をしていながら、そろそろ働かなきゃとか宣う無計画さ。
最初に悪いイメージを持ってしまったため、すべての行動言動を悪く捉えてしまうようになりました。
それでも立派に子供を育て上げられてしまっている展開に「悪い人間が不正に利益を得て咎められもせず幸せになっている」の見ているかような鬱々たる気持ちに
雪のラストで草平におおかみこどもとしての姿を受け入れられるのはよかったのですが、結局2人だけの秘密状態で、そんな閉鎖的な考えじゃまた花と同じ轍を踏むだろうなぁと考えたり。
雨のラストでおおかみとしての生活を選んだ場面も、雨と今後の生き方について真剣に話し合ったわけでもないのに、あっさりおおかみ側に行かせるなぁと思ってしまいました。
テーマは「親子」のようなのですが、私には作者の思いとは見当違いであろう「動物と人間は相容れない」ってだけの退屈な映画として認識してしまいました。
母は強し
久しぶりに鑑賞。
独身の頃に鑑賞した時は、花ちゃんの軽率な行動(学生時に妊娠)に正直イライラしました。
でも子を持つ親になったら全然違った観え方になっていました。
ハラハラしながらも、花ちゃん頑張って!と思いながら観ている自分がいます。
子供を連れながらどう生きていこうか悩み、おおかみと人間どちらとして生きていくか選べるように...と田舎に移住します。
人間として上手くいきれるよう教育するのではなく、自分の人生の方向性を本人が選択できるようにする環境で子育てをしていく事で大きくなったこども達に変化がやってきます。
こども達の世話に手が掛からなくなってきた頃、長男のおおかみこどもがおおかみとして生きていく道に進もうとします。
我が子が自分の手から離れて行く葛藤の中、強く生きて!と知らない世界に送り出します。
映画の終盤には主人公は頼りない女の子からたくましいお母さんになっていました。
普通の親でも子育てをすれば通る道、喜びも不安も...そして一番難しい親離れ子離れも丁寧に描かれています。
おおかみこどもがとっつきにくい人もいるかもしれないですが、だからこそどうやって生きていくか?の成長の過程の苦悩も引き立ちます。
絵も音楽も綺麗。
時間を置いてまた観たくなる作品だと思います。
ほんわかしていい
うん。これは面白かったな。
人間の姿がメインのオオカミ男性と夫婦関係になり、大学生だったお母さん「花」は、オオカミ人間との間に「雪」(女)と「雨」(男)を授かる。
小学生10歳では、オオカミとしては大人。
女の子の「雪」は人間として生きていく道を選ぶ。
男の子の「雨」は、山の主キツネに山のしきたりを教わり、代替わりの役目を引き継ぐ決断をする。
「雨」はオオカミとして生きていく道を選択。
子供の道は、子供自身が決めるのだというメッセージが伝わる。
それをそっと見守る母親、ご近所付き合いの大切さも教えてくれる。
いいと思った
アニメの映画って コアなファンがいっぱいいて
あそこがどうだ ここがどうだと いろいろな批評家が現れる。
すごい市場だなあと思う。
お父さんオオカミが神田川的な都会のドブ川で死んでしまいゴミ収集車に回収されてしまうという痛みから
立ち直って田舎暮らしで成長していく母。
息子の方が野生に戻っていく姿を
かつての夫を見る思いと重ねるんだと思う。
面白かった。
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再視聴したので感想を追加
1度目に見た時より、さらに面白く見た。
それは 、このサイトのみなさんのレビューを見た後で、そんなだったっけ?と思う事があって、そこを視聴ポイントに出来たからかもしれない。
人間は 生い立ちや現状の生活形態によって
いろんな見方をするものだなあというのがよくわかる。
しかも同じ人間であっても その時の心情や置かれた状況によって感想も変わる事もある。
違和感の場所も人によって様々で
私の場合は あのボロ家を修理するのに、女手一人でいったいどのくらい時間かかるのか、雨漏りの修理はちょっと無理じゃないかな、とか 畑にするのはかなり難しいとか、そこの部分ではついリアルを求めてしまった。
嵐の日の件
雪を放置という方が見受けられたけれど、あれはもう 山に息子を取られそうになった母親が追いかけてしまって遭難してるわけでしかも死にかけてるし。
そこを 雪の思春期的な心情を描く場面にしているという上手さがある。
そもそも、雨という弟に対し、母と姉が一緒に育てる的な体勢も見て取れるわけなので、雪は母の愛情を1ミリも疑う事はなかったように思う。
再視聴しても さらに面白く見た。
(で、なんでだか、私はお父さんオオカミの声を大沢たかおじゃなくて豊川悦司だと思っちゃってた)
んだけど、この監督さんの作品で好きなのはこれだけである。
気持ち悪い
主人公がとにかく後先考えない、現実にいたら【頭悪いんじゃないの?】と叩かれまくりそうなタイプ。
でもアニメで華奢な美少女だからねえ。作った人の理想の母親像?気持ち悪い…
あまりにご都合主義的に描かれる子育ても山盛りすぎてツッコミよりも呆れが先に来た。
倒れてくるタンスを片手でヒョイって、一体どこの怪力マンですか?
ゴリ押し宣伝凄かったからどんなものかと思ったけど自分の周りの評価もイマイチでなんだか「大絶賛!」「泣けた!」というフレコミとの温度差を感じた。
鋭い
上手い。シーンの意味を深めるモチーフ選びのセンスに驚かされ続け、いちいち感嘆して観ていると、話の進行が速すぎるとさえ錯覚してしまう。
各人物のセリフやしぐさの描写も人間の味わい深さを鋭く表現していると思った。
各シーンが、おそらくは誰もがいつか経験した空気感、雰囲気を持っていてリアルだ。
例えば天候や気温、時間帯に影響される心情の変化。雨の日と晴れの日とでは気分が違うし行動に差が生まれる。
それからもっと細かい点では、前半、都会のシーンで花が追い詰められていくシーンも簡潔ながら豊富な情報量で花の心境が伝わる。夜に公園で、酔っ払いの声にすら恐怖する感じとか、ちゃんと知ってる人の視点ではないか。
このように、一つ一つのカットの視点の鋭さ、センスの良さに感銘を受けた。
狼男の死は唐突で謎だが、半分狼という体に何らかの無理があって、それが急に発現したのだ、などと推察すると自然だと思うし、少し悲しい。何かを見つけた花が思わず傘を落とすと、傘に隠れていた向こう側に狼の死体が…。この見せ方がとても好き。
田舎に引っ越す理由は、人間と狼のどちらの生き方も選べるように、というが、花自身の精神的な負担も考慮しているといえる。
初雪の輝くなかを三人が疾走するシーンが泣ける。苦難を乗り越えるために笑顔を作ってきた花が、幸福の、本物の笑顔を見せ、生の喜びを全身で表現する。劇中、最高の笑顔である。
直後、一転して雨が川に落ちるシーンがあり、少し唐突に感じたが、同じ雪の場面を用いて、生と死の対比を創っていると思われる。ここで雨の狼としての野性が現れると共に、子供を失いかけると花は正気でいられなくなることが示される。花の心の支えが子供達であることが、生と死の両イメージで描かれる。
人物の肉体性はリアリティのポイントになっていると見え、雨と雪それぞれが成長と共に感じる心や体の変化は品よく描き出されている。また、転んだり落ちたりしたときの体重の描写も良く伝わり、実在感満点である。雨がラスト、母を抱いて運ぶというのはいいアイディア。雨にとって今まで自分を抱いて守ってくれていた母の体重を、自分の腕に感じながら歩くという、なんとも生々しく、感慨深い。花の体格の華奢さがここでも生きてくる。自分を守っていたものの弱々しさを感じ、反って「母」の強さを知る。
それから、無音を含め、サウンドの効果は素晴らしい。
例えば、狼男の死体を見つけるシーンでは、音が急に消える効果でハッと息をのまされる。
初雪の上を疾走するシーンや、雨が先生と山を駆けるシーンでは、SEを無くして音楽と絵のムーブメントで見せる。
逆に雪と雨の喧嘩のシーンでは、音楽はなくSEと絵のムーブメントで見せている。気持ちのいい表現だと思う。
各人物にいちいち共感できた。人間のらしさを鋭く表現していると思う。
私は子育てをしたことはないが、それでも花の一挙一動に共感できた。
それから、この物語が提示する美意識や価値観に強く賛同したい。
主人公の清貧といっていい人格は、資本主義の欠点が認識されつつある今の時代に鑑賞される意義が大きいように思う。
確かに、細かいツッコミどころはあるし、価値観の違いや、さまざまな理由で批判する意見が出るのも分からなくない。特に、花のような人物に会ったことがあるかどうかで、かなり印象が変わりそうだ。
私は、表現、そして監督の思想への共感から、どうしてもこの映画を高評価せずにいられない。
切なくていい映画
時をかける少女も
サマーウォーズも大好きで
まあ、細田監督のファンであるのですが
おおかみこどもが一番好きかも知れない。
っていうくらいよかった。
タイムスリップも
世界の危機もないけど
心に深く残るストーリーだったな。
印象に残っている場面の天候は雪か雨で
そういうさりげなく確信犯なところが大好きです。
一番泣いたのは雨のシーン。
雨だけど雪のシーン。
見た人は語り合いましょう
不幸エピソードが少し多すぎな感じ
親子の絆と田舎暮らしの大変さ&ご近所との絆とシングルマザー頑張れ、というメッセージを受け取りました。
狼旦那とヒロインの短い蜜月に対し、狼の子供を2人抱えることになった母としてのヒロインの苦労が長過ぎて少し中だるみでした。
狼旦那があっさり死にすぎたのも残念です。
奥さんに精の付く食べ物を。と狩りをしてたらすぐ死んじゃいましたが、狼ってもう少し生存能力あるんじゃないですかね。
母親の苦悩を描く為に監督に殺されたような感じが強かった。
考えさせられる箇所はいくつかありました。
かあさん、おおかみってどうしていつも悪ものなの?
映画「おおかみこどもの雨と雪」(細田守監督)から。
本作は「母と子」をテーマに描いたアニメ映画、という解説だが、
観賞後の感想は、マイノリティ(少数派)の生き方の難しさ、
それを支えるには、周りの人たちの温かい理解が必要と知った。
ただ、劇場公開された2012年7月頃に、そういった考えが、
社会全体に浸透していたかどうかは、定かではない。
そこで、印象的な会話をメモに残すことにした。
自分がおおかみの子どもと知った男の子「雪」は、母親に尋ねる。
「かあさん、おおかみってどうしていつも悪ものなの?」
「悪ものって・・絵本?」
「みんなに嫌われて、最後には殺される。だったら僕、おおかみはイヤだ」
「そうね、でもお母さんは、おおかみが好きよ。
みんながおおかみを嫌っても、お母さんだけは、おおかみの味方だから」
こんな時、宮西達也さんの絵本を読み聴かせてあげればいいのに・・と、
物語とは関係ない発想が浮かんで苦笑いとなった。
絵本作家・宮西達也さんの描く絵本は「おおかみ」を悪役にせず、
絵本「ぶたくんと100ぴきのおおかみ」をはじめ、
絵本「はらぺこおおかみとぶたのまち」など心優しい動物として表現し、
子どもたちに人気のキャラクターとなっているのだから。
家族愛の物語
家族愛がこの一本に詰まってます。
最初は好きな人との出会いから、秘密を大切な人に打ち明けたりなんかも。最後には親心や親離れ、はたまた子離れなんかと描かれていて見ていて飽きませんでした。
もう一度見たいとはならないものの、スッキリと一本見終わって楽しかった!と思える作品でした。
いのちの使い方
雨が狼として生きることを選ぶ展開は少し驚いたけど、何となくそんな気がしていた。
例えば森で獣として生きることで短命になったとしても、それを無理に押さえて人として里で生きても長く安全に生きられる保証もなければ、たとえそうなっても、幸せに生きることとは別なわけで。
自分の生き方を見付けられないなら、安全に長く生き何かを見付けるチャンスを待つことは良いことだと思うけど、見付けたのなら短くなっても危険であっても、そっちにいくことが幸せなのかもしれませんね。
だけどちょっと腑に落ちないのは、父親おおかみおとこが人里であれだけ頑張って勉学に勤しみ労働して生きていたことの意味、人として生きる中での出会いとか人の優しさや、人の感情の素晴らしさを伝えているシーンが全くなかったこと。
ノーヒントで半獣のオスである雨が人間の男になることは容易くないだろう。
母親だからオスの気持ちは分からなくても、せめてそれを伝えてあげて欲しかった。狼としての学びではなく、人としてのヒントを与えてあげるシーンを観たかった。
難しい存在の彼らを産んだのは母親のエゴなんだし…
私は冒頭の、懸命に学ぶ姿に1番感動した。
彼はノーヒントの半獣のオスなのに、人として生きて幸せにまでなったのだから。
お母さんが健気すぎる…
雪ちゃんと雨君が可愛くて無邪気で癒されました。ハナちゃんは健気で頑張り屋さんで、ひたむきに子育てをする姿がとても印象に残りました。作中でハナちゃんが完璧なお母さんのように描かれていたのは、きっと雪ちゃんから見て本当にすごい立派なお母さんだったんだなあって思いました。母は強し。
ただ、見終わったあとに胸がモヤモヤ…現実味がないとか田舎暮らし母子家庭を甘く見すぎてるとかではなく、ラストの雨君の言動に少し引っ掛かりを感じました。最終的には雨君は山へ旅立ってしまうのですが、家族の絆ってそういうものなんでしょうか…10年間一緒にいた唯一のおおかみこどもが雪ちゃんと雨君なのに、雪ちゃんが家に帰ったら自分の知らない間に雨君は狼として生きることを選び山へ旅立ちましたって悲しすぎやしませんか( ;ᵕ; )そんな別れ方で本当にいいの??
あと、ハナちゃんが雨君をズタズタになってまで探し回るところが本当に心が痛みました…雨君いくら山で生きたいからってお母さんに心配かけさせちゃだめだよ( ;ᵕ; )
作品を見ている中で、(お父さんも雨君も行方不明者扱いだよな…ハナちゃんお父さんは元々いないからともかく、雨君がいなくなった件については御近所さんになんて説明するんだろう…)なんて現実的な問題が頭の中をちらちら。笑
長々と書きましたが、ハナちゃんもおおかみこどもたちも成長していく姿は本当に素敵でした。御近所さんのおじいちゃんズもいい人すぎる…草平くんいい子すぎる…でもきっとしばらくこの作品は見ないです。悲しくなるので。
母の愛情物語
狼男と知らず不思議な魅力を持つ父に惹かれ大学生の母は恋に落ちる。
秘密を打ち明けられても気持ちは変わらず彼と結婚する。
娘の雪は雪の降る日に生まれた。
次に生まれた雨は雨の日に生まれた。
2人は子供達を立派に育てようと奮闘するが…
ある日から父の姿が見えなくなる。
探しに街へ出ると川に狼の死体が…
ゴミ処理車で回収される姿を目撃し悲しみに暮れる。
何故死んでしまったの?
理由はわからない…
悲しみをよそに2人の子供達の育児に日々は過ぎ去る。感情の起伏で狼になってしまう2人に母はのびのびと成長出来るようにと田舎に移住する。
食料の野菜は自給自足。
地域の人々に助けて貰いながら頑張る母の姿は心を打たれる。
2人の子供は成長するに従いそれぞれの進む道を選択する。
姉は人間として、弟は狼として。
子供はいつの間にか親の知らない世界に向かい旅立っていくのだ。
それがとてつもなく危険な道でも子供が決めた道ならば心から応援し見守ることこそが親の愛だと…
子育てと巣立ちの涙の感動作。
大沢たかおの声に癒されます。
それで良いの? と思ってしまう
ノベライズ本を読んでいながらも原作である映画を観ていなかった作品。
想像しなかったくらいに台詞の少ない映画で、映像と音が語る。また、写真かと見まがう背景に驚く。
ノベライズ本を読んだときもだったが「それぞれの道を選んだんだね」というハッピーエンドのような感想の一方で、「それで良いの?」とも思ってしまう。
親って…寂しいな。
せっかく育てても子供は思い思いに巣立っちゃうんだ。
でも、巣立ちまでを支えるのが楽しいのかな。難しい。
序盤は胸糞悪いと思った・・・
序盤
人間兼オオカミに恋におちて、子供つくって・・・って時点で、「オイ何で将来絶対困ることが分かってるのにオオカミ子供なんて作るんだよ意味わかんねぇ・・・」ってムカムカしました。正直避妊しろや、なんなんこの成り行き勝負な女と男。むかつくわぁ・・・しかも2人も作りやがってって思いました。(こんな感情移入してるの私だけなのかもしれないけどモヤモヤしてここに吐き出してます。笑)
愛しい人の子供が欲しいって気持ちはまぁわかる。でもレベルが違うだろ・・・人としてもオオカミとしても最初から普通に生きることのできないような、人生のどこかでどちらかの人生を選ばなければならず、何かを隠しながら生きるor誰かを悲しませる、というジャッジをくだすことになる・・・。あぁもうこの時点で胸糞悪い。悲しいというよりも・・・でした。
でもこれは作り話。この物語を通じて、マイノリティの人間へのマジョリティ側からの冷たい視線で悲しくなったり、逆に人間って暖かいなぁ~(菅原文太さんいいなぁ~)なんて思ったりして気持ちが揺さぶられたのなら、映画としては成功?なのかな。
最後は2人の子供は別々の道を歩むわけで、
オオカミになった方とは永遠の別れなわけで、
そこで切なくなるわけで。
総じていうと、切ない映画でした。誰もどうにもできない、どんな道を選んでも皆幸せになればいいな。と締めくくります。あーすっきりした。笑
感動の「代償」に納得ができない
当時劇場で観ました。
観終わったときの印象としては決して「悪くは無かった」のですが、
何か釈然としない・・・。
なぜかというと、本作がもたらす「感動」には、細田監督の「仕掛けた(仕向けた)工作」が多すぎるからです。
この作品を「成立させるため」に、細田監督が「作り上げた要素」、「蓋をした要素」というものがあります。
所詮は「作り話」なのですから当然なのですが、細かいところに現実味が感じられないために、一見リアルに描かれた描写すら、精巧に作られた偽りの世界に思えてしまうのです。
たとえば、主人公の前に現れる「彼」ことオオカミ人間。
彼の「本名」は劇中では最後までわかりません。
細田監督は「観る人が自分の大切な人の名前を当てはめてくれれば」と言っているそうですが、それは「言い逃れ」です。
細田監督にも彼の本名が「分からなかった」のです。
そもそも彼の設定を「まじめに考えていない」から、本名はおろか、生い立ちについても曖昧で、「彼が生き続けている」と、主人公が「苦労をしない」から、細田監督は彼を殺してしまうのです。
監督にしてみれば、主人公が彼の子供さえ作ってくれれば、「おおかみこどもの雨と雪」の物語は作れるわけですから、それ以上の彼に関するディティールには「興味が無い」のです。
だから、「用済み」の彼は殺されるのです。
おかげで主人公は「どうやって狼人間を育てればよいのか」が分からず、悪戦苦闘をします。
でも、主人公に「悪戦苦闘をさせた」のは、他でもなく「細田守監督」です。
夫を亡くした主人公たちが田舎に逃げなければいけなくなったのも、彼女に様々な「刺客」を送り込んできた「細田監督」のせいです。
主人公の物語が成立する環境を「監督が整えている」わけですから、主人公があのような生活をするようになることは「必然」なのです。
「これが物語か?」とさえ思ってしまいます。
本作で感動した人はたくさん居ると思いますが、その感動を作るために「監督のしたこと」が、僕には納得できませんし、許せません。
シンプルなとっかかりを作ろうとしてますが…
後半の姉弟それぞれの物語は深いですが、前半がサクサクと展開しすぎてて…。
好きになった人は実は狼で、子ども産まれたあとに死ぬってところまでが最低限の内容で終わらせてた印象があります。
「ときかけ」「サマーウォーズ」のようなちょっと特殊な状況を小出しに見せていく楽しませ方を、細田監督はこの作品からしなくなったような…。
大勢の客を獲得するための術かもしれませんが、だんだん味が消えて行ってる気が。
ハーフの子も過酷なのかな
設定的にありえないと思ってそんなに乗り気でなかったのに、泣いて映画館から出てきました。私自身が姉弟の兄弟構成なので、感情移入して共感でき、雪の我慢にもたくさん気付きながら見ました。
ハーフの子がよく、アイデンティティがどこにも見つからないと言うけれど、こんな感じなのかな?2つの文化や価値観を受け継ぐと、雪が獣臭を隠しながら人間として過ごすように、自分がどちらでどうやって馴染めば良いのか、どちらの国籍を取って属すのか、とても悩むのだろうと思いました。雨はニホンオオカミの血を、人間が半分入っている身で守り山を治める覚悟をしました。それも相当大変そうです。
母親は父親なしで必死にワケありな子供達2人が将来を決断できるまで育て上げ、当初否定的だった村人が驚くほどの根性。ただ、もう少し父親が子供の頃の成長過程など、聞いてよく考えてから子供を産んで欲しかったなと思いましたが、愛の力があったからこそ2人産め、2人いたからそれぞれの血を繋げる存在ができて、結果オーライです。
前作とは違う「家族」のかたちや絆 見事に表現できていると思います ...
前作とは違う「家族」のかたちや絆
見事に表現できていると思います
ただ、ハナと旦那のあのシーンは獣になる必要あったのか?というのが引っかかる部分ではあります。
しかし、そこを含めて良い作品です。
全110件中、21~40件目を表示