「丁寧な自然描写だが本物にはとうてい及ばず」おおかみこどもの雨と雪 gsacraさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧な自然描写だが本物にはとうてい及ばず
上映時間が2時間弱、なのにまるで3時間以上座らされていたかのような退屈感のある映画でした。
人間である母と狼男の父の出会いから、子供達の一定の成長までを描いたストーリーなのですが、どんなテーマを念頭に作られたのか、正直全く判りませんでした。
上映中に印象に残ったのは、数がやたらと多く、時間も余分にたっぷりと掛けられた自然描写の数々。風のささやき、草の息吹、水の調べなどが一生懸命にアニメーションで描かれています。
・・・が、やはり本物に叶うはずも無く。森の中の動物達のたたずまいなど、きちんと撮影されたドキュメンタリーでなら非常に興味をそそられますが、敢えてアニメで観たいとは思いません。スタッフの誰かが、不必要なチャレンジ精神を発揮してしまったのでしょうか。
作品中の時間の流れもあまりにご都合主義が鼻につきますし(畑1面を耕して畝をつくり、さらに新しく1面を一から開墾するシーンが、観客の立場からは1日か2日で女性一人でやり遂げたように見えました・・・無しでしょう)、とてもあの傑作を作った方々とは思えない残念な結果でした。
暴言覚悟で正直な感想を記すと、常識に欠ける若者が、いきおいで出来ちゃった婚してもきっと幸せになれるよ、子供は勝手に育つんだから、というエール?を送る映画なのかな?
子供時代の、特に雪ちゃんの表情は可愛かったですね。
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